自動車の維持費は固定費としていつも節約家の悩みのタネですが、中でも1番大きなイベントといえば、やはり車検です。
乗用車なら2年に1回、車検に受かっていないと公道を走ることができません。
車検は、法律で決められたユーザーへの義務であり、車検のついていない無車検者運行には以下の罰則が科せられます。
■ 違反点数(6点)
■ 免許停止(30日間)
■ 6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金
しかし、車検には経費がかかります。
【主な必要経費】
■ 自賠責保険
■ 重量税
■ 印紙
これに自動車税を納税していないと車検は受けられません。
この経費は必ず払うものですので、残念ながら節約することはできないのです。
このように、ただでさえ経費のかかる車検を業者にお願いすれば
■ 車検整備代金
■ 代行料
このような費用が発生しますし、車の状態によってはさらに別途部品代、別途修理代などが乗っかってきてしまうこともあります。
「そうそう、車検代って高いんだよな…。」
「少しでも車検代を安く抑えたいけど、10万単位での出費は覚悟しておかないと…。」
なんて最初から諦めてしまっていませんか?
ユーザー車検という制度を使えば、車検費用を大幅に節約できるかもしれません。
ユーザー車検とは簡単にいうとユーザー自らが車検をする車検のことです。
車検なんて自分でできるの?って思う人も多いと思いますが、コツさえつかめばできます。
それでは、ユーザー車検で合格するにはどのようなことをしておけば良いのか見ていきましょう。
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車検とはいったいなに?
車検とは車が保安基準に適合しているかどうか定期的に検査するためのものです。
通常は継続検査と呼ばれています。
基本的には運輸支局の検査場で検査を受けなければなりません。
しかし、自動車ディーラーや運輸支局から認定を受けた指定工場(民間車検場)では運輸局に行かずに車検を受けられます。
ユーザー車検を通す前に行うこととは?
ユーザー車検は車検を自分で行うことです。
「素人が検査場で車検なんて受けられるの?」
わかります、車検はプロの整備士にお任せするものというのが一般的ですよね。
しかし、車検に合格すれば整備は最低限で大丈夫。
実はプロに依頼する場合「車検には関係のない箇所もついでに」と、自動車のメンテナンスをすることで車検代金が高くなってしまい、支払いが大変に感じるのです。
それならユーザー車検で節約して少しずつメンテナンスにお金をかけるほうが一度に大金を出すことなく済みますよね。
それではユーザー車検を通す前に最低限行うメンテナンスを順番に確認していきましょう。
灯火類の確認
■ ヘッドライト
■ スモールライト
■ 前後のウインカー、ハザードランプ
■ バックライト
■ ブレーキランプ
■ フォグランプ
自動車にはいくつかの灯火類がついています。
それら全ての球切れを確認します。
1つでも球切れがあれば取り替えます。
球の色を変えている自動車は要注意。
■ スモールランプは白系
■ ウインカーはオレンジ
など保安基準で適合した球が必要です。
また、灯火類の破損は車検に通らないので交換しましょう。
スピードメーターの確認
スピードメーターが正しく作動していないと車検には通りません。
通らない理由として
■ 配線の接触不良
■ ホイールのインチアップ等でタイヤの外径が大幅に変わっている
このような状態が考えられます。
身に覚えがある場合は直しましょう。
スピードメータ周りの球切れも通らない理由になりますので、同時に確認してください。
各種保安部品の点検・車検証の記載相違の確認
灯火類以外にも各種保安部品が破損していないかを確認します。
■ ガラスのひび割れ
■ ミラーの破損
■ ヘッドレスト座席
■ 座席数の確認
この他にも人間が座席に乗った状態で自動車の車高が地面から9センチ以下の自動車は車検に通らないので、直す必要があります。
オイル漏れの確認
駐車場に自動車を停めた次の日、自動車の下にオイルの滲みが…
そんな状態では車検に通りません。
エアコンを使う夏はエアコンの水滴と間違うことがありますが、オイル漏れはよく見るとすぐにわかります。
普段から駐車場など自動車を停める場所のチェックをすることも大切です。
ブレーキの確認
フットブレーキに関しては普段からしっかり停止できていれば神経質になることはありません。
サイドブレーキも同じですが普段と違うと感じたら早めに点検しましょう。
タイヤの溝確認
意外と見落としやすいのがタイヤの溝です。
タイヤには交換の目安となるスリップサインがあります。
溝が1.6㎜以下になると交換時期です。
この状態のまま検査場へ行っても、本検査はおろか予備車検場検査さえも通りません。
また、足廻りを改造しているような自動車は、タイヤのバランスが悪い状態、いわゆる「片減り」している場合があり、これも通らないので注意が必要です。
光軸・光度調整
夜間の自動車運転で最も気を使うのがライトの明るさです。
実は光軸・光度調整は車検で1番落とされやすいポイントなのです。
■ 光軸:光の当たる範囲
■ 光度:光の明るさ
この2点が下向きにライトを照らした時合っていないといけません。
再検査となります。
ライト周りを自分で調整するのは難しいので、自信がなければ陸運局に隣接している予備検査場か、テスターのある工場で確認してもらいましょう。
ユーザー車検を受けよう!
車検を通過するためのチェックが完了したらいよいよユーザー車検へ。
その前に必要な書類などをチェックしておきます。
■ 車検証
■ 納税証明書(最新のもの)
■ 自賠責保険証書(現在のもの)
車検を受けに行っても書類不備で帰ることにならないようにしましょう。
検査場についたら最初にコースの確認をします。
コース横には歩行者通路があり見学することができます。
予めしっかり車検の流れを把握しておけば慌てることがありませんよね。
ここまで来ると次はいよいよユーザー車検!
車検を受ける手順は以下のようになっています。
ユーザー車検手順
予備検査場で最終確認
都道府県により異なりますが、運輸局に隣接する予備検査場で自動車の状態の最終確認をしておくとスムーズに通ります。
費用も金額差はありますが約1,500円から3,000円の間です。
運輸局で用紙や印紙の購入
運輸局内にある用紙に記入し、印紙を購入します。
重量税・検査手数料の払い込み
運輸局の各窓口で重量税と手数料の印紙を記入した用紙に貼って支払います。
自賠責保険に加入する
自賠責保険に加入します。
自賠責保険は、陸運局内の代書屋というあなたの代わりに書類を作成してくれる業者がいますので、自賠責保険を取り扱っているところで手続きを行ってください。
■ 普通車(24ヶ月):25,830円
■ 軽自動車(24ヶ月):25,070円
車検受付
ユーザー車検は予約が必要です。
予約をした時発行された番号を完成した書類と一緒に窓口に伝えます。
これで書類提出や納付は終了です。
ユーザー車検でここまでにかかる費用は重量税にもよりますが、代行料がかからないので確実に安価で済ますことができます。
検査コース手順
そして、ここからは検査コースへ入ります。
初めてのユーザー車検の場合緊張しますが、ゆっくりで大丈夫です。
初心者向けのマルチコースというものもありますのでそちらに並びましょう。
外回り検査
検査員の指示に従い、自動車の外回りや中の確認、排気ガス検査や車台番号の確認を行います。
サイドスリップ検査
自動車の前輪の横滑り量を測定します。
これは大きな改造やローダウンなどしていない限りは通過します。
スピードメーター検査
前方の電光掲示板に「40キロでパッシングしてください」と指示が出ますので、その場で40キロに速度を上げてパッシングしてください。
ヘッドライト検査
ニュートラルに入れサイドブレーキをかけ停止したら、下向きにライトを点灯します。
ブレーキ検査
テスターの上に前輪をのせ、フットブレーキ、サイドブレーキのかかり具合を検査します。
サイドスリップ検査からブレーキ検査は前面の電光掲示板が指示してくれます。
合否も電光掲示板で〇と表示させますのでよくチェックしましょう。
ここまで通過したら記録器が設置されていますので、検査表に記録を印字して通過。
これだけのテスターは都道府県により設置場所が違うので、先にも述べた見学コースでの確認は必須です。
下回り検査
最後は中央が空洞になっている検査器に自動車を乗せ、エンジンを切り停止させます。
空洞の下には検査員がいて自動車の下回りなどチェックします。
この時、車体を揺らしたりしますが慌てないこと。
これも検査の1つです。
ここで〇がつけば記録器で印字して総合窓口で確認の印を貰い車検完了。
陸運局にもどり書類を提出すれば車検証が交付されます。
この車検ラインの検査料は支払っているのでここでの費用はかかりません。
ユーザー車検で上手に節約
ユーザー車検で勘違いしてはいけないことは、整備が必要な状態だった場合は整備費用がかかるということです。
節約できる費用は車検を代行してもらう費用だけなのです。
2年に一度、車検を受ける時にまとめてメンテナンスしようと思うと、整備代にかなりの金額がかかってしまうことになります。
編集部の金無和也(@kannenashi )のように、古い車になればなるほど車検代の捻出が馬鹿らしくなって結局廃車にせざるを得ないということにもなりかねません。
しかし、普段からこまめにメンテナンスすれば、車検も簡単に自分でできます。
まとまった金額を払う必要もないので予算の計画も立てやすく、結果的に節約につながるのです。
車検はユーザー車検を利用して自分で通すことを念頭に、ふだんからこまめなメンテナンスを心がけながら自動車ライフを楽しみましょう。
「自分でやるのはどうしても・・・」
なんて方は、車検代を安く済ませることができる刑務所車検なんていかがですか?
刑務所の受刑者が行う車検にはなりますが、もちろん資格を所持した指導員の元で行われているため安心。
それよりも普通に車検を受けるより丁寧だった!なんて声も多数寄せられているんですよ。
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