ふるさと納税特集
by 節約大全

【過熱する返礼品競争に警鐘】ふるさと納税の返礼品バトル解決の糸口はGCF(ガバメントクラウドファンディング)にあった


認知度もあがり増え続けている「ふるさと納税」
控除が受けられることで実質2,000円で豪華な返礼品がもらえるお得な制度、ということはおなじみになりましたよね。

寄附金を募る自治体も返礼品を負担する必要がありますが、それ以上の見返りが期待できるため、寄附者・自治体の双方にとってメリットがある制度と言われています。

2008年にスタートしたふるさと納税は開始当初、自己負担額も5,000円と現在の倍以上でした。
あまりメリットもなく人気はいまひとつでしたが、その後2,000円まで引き下げられ、さらに控除上限額が倍に引き上げられたことで人気が上昇。
各自治体も多くの寄附を集めようとお得過ぎる返礼品を提供するようになりました。

本来は寄附額の3割以下という規定がありますが、総務省の通達を無視する自治体もたくさんありましたね。

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5割以上の返礼品や地場産品以外の返礼品を提供する自治体もたくさん増え、その結果返礼品競争が起こってしまいました。

2019年6月からは返礼品を3割以下にする見直し案もスタート。
お得感が減ってしまい残念な制度となってしまいましたが、本来あるべき姿になったのではないかなという意見もたくさんあります。

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そんな問題の中、注目され始めたのが「GCF(ガバメントクラウドファンディング)」という方法。
返礼品目的ではなく、寄附金の使い道で寄附先を決める方法です。

GCFは大手ポータルサイト「ふるさとチョイス」から寄附が可能です。
こちらで詳しく説明しているので、ぜひチェックしてみて下さいね。
ふるさと納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」を徹底調査してみました

GCFってなに?

ふるさと納税ポータルサイトの中でもNo,1の規模を誇る「ふるさとチョイス」
返礼品を目的とする従来のふるさと納税のほかに、GCFと呼ばれるふるさと納税も運営しています。

GCFはふるさと納税制度を通して行うクラウドファンディングのこと。

■ G ・・・ Government(政府)
■ C ・・・ Crowd(群衆)
■ F ・・・ Funding(資金調達)

地方自治体が課題を抱えた時、広域でプロジェクトを行えば政府のように大きな課題解決ができる・・・と考えて付けられました。

GCFは関心のあるプロジェクトに直接支援ができるので、納税者の意思を反映させやすいというのもポイントのひとつ。
自治体の課題に踏み込んで関わることができる、いままでにない制度になります。

GCFの仕組みは基本的にふるさと納税と同じですが、異なる点が2つあるので詳しく紹介しましょう。

寄附した資金の使い方が明確

従来のふるさと納税の場合も、寄附する金額の使途を決めることができます。
しかし「文化財の保護」や「子育て支援」など、目的がふんわりしていてあいまい。
どんなことにどう使ってほしいのか、など使途を細かく指定することはできません。

GCFでは従来のふるさと納税以上に資金使途が明確。
例えば殺処分をゼロにする活動費用に充ててもらったり、廃校寸前の学校を守る費用に充ててもらったりと使い道がはっきりしています。

目標金額を設定している

GCFは各プロジェクトごとに目標金額を設定しています。
数百万円~数億円まで、金額もプロジェクトによってさまざま。
目標金額の明示から支援人数・達成率などプロジェクトの状況をGCFページにて細かくチェックすることができるため、寄附金をしっかり反映してもらうことができます。

本来の目的はGCFにあった

2019年2月23日に発売された東洋経済に、ふるさとチョイスの生みの親である「トラストバンク」の特集が掲載されていました。

その中でトラストバンクの代表である須永さんは「ふるさと納税という制度を知った時、これはクラウドファンディングだと思った」と発言しています。

しかし当時はクラウドファンディングについての認知度も低く、今のような盛り上がりもありませんでした。
そのためまずは「ふるさと納税」というお得感の大きい制度を全面に出し、「ふるさと納税」自体の知名度を上げてからクラウドファンディングを盛り上げようといった作戦があったそうです。

ふるさと納税の本来の目的は”クラウドファンディング”にあった、ということになりますね。

ただ、この須永さんの言葉の裏には「自治体を煽って返礼品競争を加熱させたのはトラストバンクなのに、総務省の顔色をうかがっていきなり手のひらを返された」と泉佐野市長から名指しで批判を受けたことに対する言い訳が多分に含まれているんじゃじゃないかな、と私は勘ぐったりもしていますが…。

たとえばどんなプロジェクトがあるの?

自治体の問題を解決えきるプロジェクトといっても内容はさまざま。
GCFにはどんなプロジェクトがあるのか紹介したいと思います。

■1型糖尿病を根絶し子供たちに明るい未来を!ふるさと納税の寄附でできる不治の病を治すための支援プロジェクトとは

糖尿用には1型と2型の2つの種類があり、「1型糖尿病」は子供や若い人が多く発症すると言われています。

発症するとインスリン注射を毎日必ず補給しなければならず、子供たちは全身あざだらけ。
この負担を何とかしたい佐賀県NPO支援は、予防の活動や治療の活動のためにGCFを使い資金を募ることにしました。

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■【ふるさと納税で犬の命を救おう】殺処分ゼロを目指す広島県神石高原町のプロジェクト「ピースワンコ・ジャパン」とは

犬猫の札処分数が全国ワーストだった広島県。
「広島の犬の札処分ゼロ1000日計画」に沿って、2016年4月以降の札処分対象犬の全頭引き取りを開始しました。

その結果、犬の殺処分ゼロを実現しましたが…そのためには多くの資金が必要。
そこで、GCFを使い殺処分ゼロを維持するための資金を集めることにしたのです。

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■ふるさと納税で花粉症を根絶!広島県神石高原町へ寄附をして花粉症患者を悩ませるスギ・ヒノキを減らすプロジェクトを手助けしましょう

春になると多くの人を悩ます花粉。
一度発症すると一生付き合わなければならない、なんて言われるほど厄介な病気になりました。

広島にある神石高原町は町の約8割が森林。
さらにその約1/3がスギやヒノキといった針葉樹であり、広島を中心に日本中に花粉が飛散していると言われています。

「花粉症患者の症状を少しでも和らげたい!」と広島県神石高原町は針葉樹の伐採を決意。
そのための資金としてGCFを使い寄附金を募ることにしました。

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■ふるさと納税で貧困をサポート!返礼品をもらわず寄附金で命を繋ぐ佐賀県NPO支援のプロジェクト「こども宅食」とは?

こどもがいる生活の厳しい家庭に定期的に食品をとどけるための取り組み「こども宅食」
支援ももちろんですが、宅配をきっかけに外部と繋がりをもち孤立化しないようにといった目的があります。

実はこのプロジェクト、あの堀江貴文さんも支持。
もちろん集めた資金は各家庭の食品代や配送代に使われます。

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実際にスタッフも体験しました

節約大全にも、実際にGCFで寄附をした人がいます。

編集部スタッフのこまち@h_emon_)は、2016年12月に岡山県吉備中央町にある引退したサラブレッドのリトレーニング専門団体が設立した「サンクスホースプロジェクト」に寄附をしたひとり。

これは年間7,000頭前後のサラブレットの引退後の運命をサポートするために設立されたプロジェクトです。
早く走るために特別な環境で育成・調教された競走馬は、乗用馬やセラピー馬として第二の馬生を歩むために必ず再調教が必要になります。
しかし、再調教には飼育費用だけでなく人手や経済的な負担が大きいのが問題。
そこでGCFふるさと納税で資金を募るためにプロジェクトが設立されました。

2016年夏にスタートしましたが、2018年3月までに50頭以上のサラブレットをセカンドキャリアに繋げることができました。
2019年3月現在、吉備中央町の「サンクスホースプロジェクト」は受付を終了をしていますが、定期的に再開され寄附を募っています。

こういった寄附の使途から自治体を選べるというのもGCFの大きなポイントになりますね。
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GCFの成功例をピックアップ

さて、今までに440以上のプロジェクトが発足されているGCF。
今までの応募寄附総額はなんと40億円以上といわれています。

過去にどんなプロジェクトが目標額を達成したのか、一部紹介します。

命をつなぐ「こども宅食」で、1,000世帯の家族の未来を変えたい

東京都文京区と5つの非営利団体が共同で運営している「こども宅食」
生活の厳しいひとり親家庭などを始めとした、1,000世帯以上の家庭に1~2か月に一度食品を届け、それをきっかけに子供の貧困問題を解決するプロジェクトになります。

募った寄附は食品の調達や配送費・倉庫整備費や子育ての相談・支援関連費に使われる予定。
2019年2月現在、達成率は132.5%となっていますが現在も寄附をすることは可能です。

こども宅食の詳しいプロジェクト内容はこちら
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年間8,000頭以上が殺されています~日本で殺処分される犬を”ゼロ”に~

広島県神石高原町が運営している犬猫の殺処分をゼロにする活動「ピースワンコ・ジャパン」
殺処分対象となった犬の全頭引取りを2016年からスタートし、現在も殺処分ゼロを維持するために活動しています。

募った寄附は約2,500頭分の医療費や100人近いスタッフの人件費・犬舎やシェルターの建設費用・その他消耗品や水道光熱費などに当てられます。
2018年の一年間で約5億円以上の寄附が集まりましたが、現在また新たに寄附の募集をスタート。
2019年2月現在、達成率が68%となっています。

ピースワンコジャパンの詳しいプロジェクト内容はこちら
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難病の1型糖尿病の子どもたちを”治す”研究のために

佐賀県のNPO支援が運営している、子供の1型糖尿病を治すためのプロジェクト
膵臓の機能の一部が突然働かなくなる難病「1型糖尿病」の機能をバイオ技術で復活させるための研究費用の支援として寄附金を募っています。

2015年に設立されたプロジェクトでは、目標金額30,000,000円に対して104.2%の達成率がありました。
2019年2月現在も新たに寄附をスタート、25,000,000円を目標にプロジェクトが開始されています。

1型糖尿病の詳しいプロジェクト内容はこちら
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白馬の将来を担う人材育成!-白馬高校の留学支援

長野県白馬村が運営している留学支援プロジェクト。
村内唯一の長野県白馬高等学校では、国際的な視野を持ち活動ができる人材育成を目指しています。
そこで、地域の将来を担う高校生の夢を叶えるべくふるさと納税をスタート。
結果、2018年3月には4,000,000円の目標額も達成し、集まった寄附金は現在も短期語学留学のための渡航費や滞在費として使われているようです。

新日本フィル「音楽の力で人とまちを元気に」プロジェクト

東京都墨田区が運営している新日本フィルプロジェクト。
音楽の街と言われている墨田区が新日本フィルとフランチャイズ契約を結び、音楽で街を盛り上げようとスタートさせました。
本物のフル・オーケストラは敷居が高く気軽に聴けるものではありません。
音楽との出会いの場を生み出すためのこのプロジェクトでは、普段音楽に触れる機会のない方に演奏会のチケットをプレゼントするための資金を募っていました。

2018年12月の時点で目標金額25,000,000円に125.2%の寄附金が集まりました。
現在も資金をもとにさまざまな場所でコンサートを開催しているようですよ。

GCFの疑問点

自治体の手助けができるGCF
疑問点もいくつか上がっているので、紹介したいと思います。

目標達成しなかった場合、集まった資金はどうなるの?

通常のクラウドファンディングの場合、成功時実施型が多いため目標金額に達成しなければお金をもらうことができません。

ですがGCFの場合は事業費として集めているため、目標金額を達成できなくても金額はすべて事業に充てられます。
寄附金をプロジェクトにしっかり活用してもらえるので寄附が無駄になることもありません。

GCFでも返礼品ってもらえるの?

GCFは手助けをするための寄附になるので、基本的に返礼品をもらうことができません。
しかし中には返礼品を用意している自治体(プロジェクト)もあります。

たとえばプロジェクト成功例でピックアップした「ピースワンコジャパン」を運営している広島県神石高原町では寄附金額に応じて特産物やワインセット・ピースワンコツアー(1泊2日)などを用意。
50万円以上の寄附になるとピースワンコジャパンにお名前プレートも掲示されます。

「1型糖尿病」を治すためのプロジェクトを運営している佐賀県NPO支援では、寄附金額に応じた糖尿病患者向けのお礼品や産物・工芸品など100以上用意。
寄附金とはいえ返礼品を選べるのは嬉しいですね。

過去実績は?

過去に参加した自治体は400以上。
集まった寄附金の総額はなんと40億円以上になります。

受付終了した後も「ふるさとチョイス」のGCFページで進捗情報が確認できるので、寄附をしたプロジェクトのその後を追ってみてはいかがでしょうか?

本来のふるさと納税の意味を今一度考えよう

現在は返礼品のお得さばかりが目立つふるさと納税。
どれだけお得に寄附ができるか、といったことばかりが目立っており本来の意味が消えつつあります。

2019年2月にキャンペーンをスタートさせた大阪府泉佐野市も返礼品+寄附額の最大20%分のAmazonギフト券がもらえるということもあり、お得さで他の自治体と差別化を図りました。
結果的に寄附額も増え、2018年度のふるさと納税による寄附額も360億円を上回る見込みと明らかにしました。

もちろんこのように返礼品やAmazonギフト券をぶら下げて寄附を募れば、寄附金は集まります。
「せっかく寄附するんだから少しでもお得に寄附がしたい!」と寄附する側も思っているので、還元率が高ければ高いほど寄附も集まります。

しかしふるさと納税の本来の目的は、地域産業の発展に寄与するということ。
高額な返礼品ばかり提供していては、せっかく寄附を集めても地域産業の発展には使えません。

また総務省の通達にもあったように返礼品を寄附額の3割以下に抑えることに賛同している自治体がたくさんありますが、通達を無視し高価な返礼品を出し続ける自治体があるため、結果寄附者の取り合いとなっている部分もあります。

その点、GCFであれば寄附を募る目的が明確なためこういった自治体間のバトルもありません。
寄附をする側もプロジェクトをしっかり理解して寄附ができますし、募る側の自治体も使途が明確なので資金が集めやすいといったメリットがあります。

本来のふるさと納税のあるべき姿になる、ということになりますね。

GCFに対する私の考えや想い

この記事を書いている私も、2018年にふるさと納税を行いました。
寄附をしたのは北海道白糠町と静岡県小山市。
なぜこの自治体に寄附をしたかというと、実質2,000円で高還元率の返礼品がもらえるからでした。

私のように返礼品目的でふるさと納税をする人はたくさんいると思います。
もちろんふるさと納税も返礼品のお得さをアピールしているので、間違ってはいません。

ですがふるさと納税の本来の目的は地域産業の発展に寄与すること。
また人口の多い都市部と少ない地方部の税収の差を減らすことでもあります。
お得な返礼品を返すことで、地域産業が発展できなくなってしまえば制度の意味がありません。

今回私もこの記事を書くにあたり、GCFやふるさと納税の本来のあり方を改めて考え直すことができました。
どのように寄附したお金を使ってもらうか、という資金使途で寄附する自治体を決められるのもふるさと納税の魅力のひとつ。
そのような考えで今後はふるさと納税を行っていきたいと思います。

まとめ

2019年6月以降、返礼品は寄附額の3割以下に制限され、3割を超える返礼品を提供する自治体はふるさと納税制度を利用できなくなっています。
「還元率が悪くなる」「あまり魅力を感じなくなりそう」
なんて声もたくさん聞かれますが、還元率がインフレしてしまったことによって、トータルの税収が減ってしまうという問題(返礼品とポータルサイトへの広告費で結局自治体の実入りは寄付額の4割程度となってしまう)を解決するためには一定の線を引くことは必要だと思います。

新たにGCFが主流となるふるさと納税になれば、本来あるべきふるさと納税の姿に近づくのではないでしょうか・・・?

GCFは大手ポータルサイト「ふるさとチョイス」から寄附が可能。
こちらで詳しく説明しているので、ぜひチェックしてみて下さいね。
ふるさと納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」を徹底調査してみました
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この記事を書いた人
ゆかにゃん

ゆかにゃん

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