債券投資入門!個人向け国債と社債の基礎をわかりやすく解説

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預金の利息があまりに低すぎて不満を抱えている方は決して珍しくありません。
ゼロ金利時代からマイナス金利時代へと移行し、頑張ってこつこつお金を貯めても利息なんて雀の涙です。
雀の涙ほどの利息からさらに税金が引かれてしまうわけですから、涙すらほとんど残らないという嘆きも耳にします。
こんな時代だからこそ「預けたらもっとお金が増える方法があればいいのに…」と思ってしまいますね。

「預金利息に不満!何か良い預け先はありませんか?」

そんな方に朗報です。
ぜひ、知っておいていただきたい「銀行以外の運用先」があるのです。
今日からはじめたい資産運用。
数ある資産運用方法の中から、「お金の初心者」や「定期預金よりちょっと良い利息が欲しい」「なるべく安全な方法でお金を貯めたいな」という方に注目していただきたい『債券投資』についてお話します。

「名前だけは聞いたことがあるけれど、生憎と投資の話は難しそうで苦手」という方にも簡単かつ具体例でわかっていただけるようにお話します。
「難しくて無理!」と首を振らずに、ちょっとだけお付き合いください。
知っていて損のないお金の知識です。

「債券」と「債権」は違います!債券投資ってなに?


「さいけん」と言われて真っ先に思い浮かぶのは「債権」という漢字ではないでしょうか。
確かにこの二つは読み方が同じです。
「資産運用なのにお金の貸し借りなの」「法律の問題?」と首を傾げてしまうかもしれません。
そこで”債権”などの似た言葉や他投資法との違いをはっきりさせつつ、資産運用の一つの方法である「債券投資」のついて明確にしておきましょう。

まずは覚えよう!「債券」とはどんな投資方法か

債券投資とは「会社や国、団体などにお金を貸し付けることにより資産運用する方法」です。
お金を貸すだけなら、そもそも運用法として成立しまいのではないかと思うかもしれません。
家族に100円貸して100円返してもらったら、プラスマイナスゼロです。
そこに利益はありません。
元手が増えなければ資産運用ではありません。
では、債券はまったく利益のないただのボランティアなのかというと、そうでもありません。

お金の貸し借りには「利子」が付きものです。
債券の本質は「100円貸したらお金を返すと約束した日(償還日)に100円+利子を受け取ることができる」ということです。
そう、この100円にプラスしてもらった「利子」によって元手を増やす投資方法が債券投資なのです。

債券投資の初心者さんが債券投資を理解するために真っ先に覚えて欲しいのは次の二点。

1, 債券は「お金の貸し借り」なので、100円貸したら償還日に100円返してもらえる
2, 100円には利子を付してもらえる。だから元手が増える(資産運用になる)

ということです。
いかがでしょうか?債券という運用方法について、何となくわかっていただけたのではないでしょうか。

初心者さんは、まずはここまでの理解で十分です。
他の運用方法と比較しながら債券投資についてさらに理解を深めて行きましょう。
知れば知るほど、マイナス金利時代に利用したい運用方法であると思っていただけるはずです。

債券と似ている「債権」!この二つの違いは?

最初にはっきりさせておきたいことがあります。
それは「債券」と「債権」の違いです。
どちらも読みは「さいけん」で紛らわしいです。
しかし、覚えてしまえば間違うことはありません。
「なぜいきなり資産運用の話で読みの話?」と思うでしょうが、この後の話に繋がる大切な知識です。

同じ読みの二つには、大きな意味の違いがあります。

債券・・・お金を貸して貸した額+利子を受け取る資産運用方法。債券投資の券のことも債券と呼ぶ
債権・・・お金を返してもらう権利。お金を借り側がのことを「お金を返してもらう権利を持つ人(債権者)」と呼ぶ

以上の違いがあります。
資産運用の債券の話は、主に証券会社が窓口になります。
もちろん運用のアドバイスもしてくれます。
対して債権は法律の権利のお話です。
「お金を返してもらえる権利があるのに返してもらえない」などの債権問題(借金問題)は弁護士や司法書士に相談することになります。

片方の「さいけん(債券)」資産運用の話。
もう一つの「さいけん(債権)」は権利のお話です。
どうしてこの単語の違いを最初に明確にしたのかは、続きを読んでいただければ少しずつわかっていただけることでしょう。
使い分けについても、この記事を読み終わる頃には二つの単語の違いや債券と債権の関係がはっきり整理できるはずです。

代表的な運用法「株式」と「債券」の違いとは


代表的な運用方法である「株式投資」は債券運用とどんなところが違うのでしょうか。
別々の名前がついているのですから、もちろんこの二つの資産運用方法は異なります。

1, 債券は募集している団体や会社にお金を貸し付け、返還日に貸した金額+利子を返してもらう。
基本的に価格変動はない。
なぜなら、100円貸したのなら、返してもらう額も100円だからだ

2, 株式は株を買い付け、配当金や株主優待を受け取る。
価格変動あり。
安く買い付けて値上がりしたら売却すれば譲渡益が手に入って黒字。
対して高く買って安く売れば赤字。
赤字が出ても株式発行会社から「返してもらえない」というポイントがある

株式運用と債券運用の比較と具体例

例えば、Aという会社が新しい事業をはじめたいと考えたとします。
しかしA会社は新しい事業をスタートするための資金が心もとありません。
新しい事業のための資金集め方法の一つとしては「株式で集める」という方法があります。
株式を発行し、株を買ってもらうことにより資金を集めるのです。
もう一つの方法としては「債券を発行する」という方法があります。
債券を発行し、多くの人にお金を借りることによりお金を集めるのです。

株式も債券も「お金を集める」という意味でまったく同じようの感じることでしょう。
しかし二つの結論は同じですが、投資方法としてはまったくの別物です。
ここで「A会社の株を買ったBさん」と「A会社の債券を買ったCさん」の二人を例として、株式と債券の違いをはっきりさせましょう。
なお、わかりやすくするため手数料は取り入れていません。
単純計算で把握してください。

① A会社の株式を買ったBさん

A社の株式を1株100円で1,000株購入しました。総額で10万円の投資です。
購入後にBさんは1株につき配当金を1円受け取りました。
暫らくA社株を所持していたある日、A社株が1株110円になりました。
価格が変動し、購入した時より高くなったのです。
これは売り時と思ったBさんは1,000株全てを売却しました。
利益は11万円です。
加えて、配当として受け取った1,000円があるので、総利益は11万千円でした。
Bさんは「安く仕入れて高く売る」商売人になった気分でした。

ある日、BさんはA社株式が1株99円になっているところを発見しました。
これはチャンスとばかりに、1株99円1,000株買い付けました。
総額で9万9千円です。
Bさんはまた高値になったら売却して利益を出そうと張り切っていました。
しかし、売却する時にA社株式は90円になってしまいました。
利益は9万円です。
9千円のマイナスになってしまいました。
株式は赤字を出しても差額を保証してくれる制度はありません。
マイナスはBさん自身が背負わなければいけないのです。

② A会社の債券を買ったCさん

A社の10万円の債券を買いました(10万円のお金を貸しました)。
その時点でCさんはA会社の債券所有者であり債権者(お金を返してもらう権利のある人)になりました。
Cさんとの関係でA社はお金を借りた側(お金を返す義務のある側)ですから、債務者となります。

A社債券は「3年後の〇月〇日に返還。
それまで年1回1パーセントの利子を支払う」という条件でした。
Cさんは毎年1,000円の利息を受け取りました。
〇月〇日(返還日)に貸した10万円を返してもらい、総額は10万3千円です。
債券運用の利益は利子として受け取った3,000円です。

株式運用と債券運用を比較するポイント

BさんとCさんの事例比較では、Bさんが損失を出した時にBさん自身が損失を背負っているところがポイントになります。
債券は「貸した額と同じ額を返してもらう」権利があります。
しかし、株式の場合は損失が出ても出資した額だけ返してもらう権利はありません。
この違いは二つの運用方法における大きな違いです。

「預金」と「債券」の違いは?有名ドラマで考えればわかりやすい!


銀行融資をテーマに盛り込んだ有名ドラマには『半沢直樹』『陸王』などがあります。
特に『陸王』は絶賛放映中の人気ドラマです。
足袋を作る老舗メーカーが陸上用のスニーカーに挑戦しようと奮闘するも、新事業への銀行融資が下りず、やきもきさせられました。
思わず老舗メーカーに「頑張って!」と声をかけたくなるドラマです。
どうして急にドラマの話を持ち出したのかというと、それはドラマでよく見かける銀行融資を知っていると預金と債券の違いがわかりやすいからです。
融資と預金は切っても切れない関係なのです。
そして融資と債券は会社の資金調達方法という点で似ています。

1, 預金は銀行にお金を預ける運用方法。
預けたお金は銀行側が企業などに融資というかたちで貸付し金利を得る。
その金利を預金者にも還元する。
「貸付先は銀行が選ぶ」というポイントがある。
もちろん銀行が集めた預金で貸付をするから、企業などから利息が預金者に直接渡されることはない。
銀行が窓口になる。
預金者は預金するだけ。
債権者は銀行で、債務者は企業など。
債務者が「お金を返せません」となって金融機関が大打撃を受けても、預金保険機構が「1金融機関1預金者につき元金1千万円と破綻日までの利息が保護」される。

2, 債券はお金を出す人が自分で選んだ先にお金を貸し付ける。
だからこそ、債権者は債券投資者で債務者はお金を借りた企業など。
金利と貸したお金は投資者が直接受け取る。
ただし、借りた側と貸す側とのやり取りが基本であるため債務者が「お金を返せません」となったら、債権者である運用者が直接大打撃を受けるためとても困る。

・預金と債券運用の比較と具体例

預金と債券の違いも、二人の女性の具体例を見て確認しましょう。
簡単ですので、具体例を見ればすぐにわかっていただけるはずです。
特に預金は身近なもの。
最も身近なお金の管理方法である預金も、他の運用方法と比較すればさらに知識が深まります。
特に運用初心者は、このように具体例で感覚を掴んでいくことも資産運用の練習として重要になります。

① 預金を活用しているBさん

Bさんは常日頃から預金を活用してお金を管理しています。
預金は100万円預けても雀の涙程度しか付きません。
しかし、ATMで預けて、必要になったら引き出すという便利さが気に入っています。
他に必要な手続きなどほとんどないわけですし・・・。
あるとすれば、定期預金の解約で窓口に足を運ぶことくらいでしょうか。

普通預金は普通預金、定期預金は定期預金です。
銀行を選ぶ程度の問題で、一つの銀行に何百種類もの定期預金や普通預金があって選ばなければならないという手間もありません。
「預けて、引き出す」が基本です。

② 債券運用を活用しているCさん

Cさんは常日頃から債券を活用してお金を運用しています。
先日、A社に貸し付けていた10万円が返還されました。
今度はその10万円を別の債券で運用しようと考えています。
運用先は「自分で探して決める」ことが債券運用の基本なのです。

Cさんは国債や社債のチラシを参考にして、今度はJ社の社債を申し込むことを決めました。
もちろん手続きも自分でしなければいけません。
「募集している借り手の中から自分で探して、自分で手続き」が基本です。

預金と債券運用を比較するポイント

預金と債券の大きな違いは「貸付先を誰が選ぶか」です。
預金は、預金者がお金を銀行や信用金庫に預けるだけです。
どこに融資するかは金融機関側が決めます。
ドラマでも金融機関内部で融資を実行するか、何度も行員たちが話し合うシーンが出てきますね。
あのような感じで、金融機関側が融資として貸し付ける先を選ぶのです。
預金者の手間はありません。
あるとすれば、預金をすることや預金に関する手続きといった、ちょっとした手間だけです。
債権関係の手間は金融機関が背負ってくれます。
金融機関が債権者です。

対して債券は債券運用をする人が自分で貸付先を選び、手続きをします。
債券を発行している先はたくさんあります。
国・企業・団体、さまざまです(詳しくは後述の「国債と社債の違いは?債券にも種類がある」を参照してください)。
その中から債券運用者が自分で選び、自分が債権者になるという違いがあります。
預金として金融機関に預けてしまうより、ほんの少し手間が多いと考えておく必要があります。

また、お金に打撃を受けた時に、預金保護の対象になるかどうかという違いもあります。

「投資信託」と「債券」はどこが違うの?定食で考えよう


投資信託とは、運用のプロ(運用会社)が「リターンが多い定食」「株式が多く色々な株に投資できる定食」「リスク少な目定食」といったように、運用の目的に合わせて色々な資産運用方法を少しずつ組み合わせた、資産運用界の定食メニュー的な金融商品です。

例えば株式がステーキ、債券がサラダだったとします。
もちろんレストランでは単品で申し込むこともできます。
しかし、栄養バランスを考えるならどちらもセットのメニューがあったら嬉しいですよね。
「ステーキが食べたいけれどサラダも欲しい」「サラダとステーキで栄養バランスを取る」・・・そんな定食のようなメニューが投資信託なのです。

債券や株式がサラダやステーキといった単品メニューであることに対し、投資信託は色々な単品メニューを組み合わせた定食メニューなのです。
各運用会社は「うちの会社はサラダ(債券)中心の定食メニューを作っているからね」「牛、豚、鶏と、色々な肉のステーキを組み合わせて定食にするのがうちの会社の売りだからね」という感じで、特徴を出した定食をたくさん出しています。

1, 投資信託は運用会社が作った定食である。
株式や債券などの色々な金融商品が少しずつ含まれている。
色々な国・団体・企業の債券だけをバランスよく組み合わせた投資信託や、国内の株式だけを組み合わせた投資信託など種類は多数。
ただ、投資信託で損失を出してもお金は返ってこない。
「貸したら返す」という約束がないからだ。
また、色々な金融商品が組み合わされているため、投資信託に組み込まれる一つの金融商品が利益を出しても、他の金融商品が値下がりすることによりマイナスを出すことがある。値が上下することが基本。

2, 債券は単品メニューである。
貸したら返すという約束をしているので、100万円貸したら100万円が返ってくる。
利子も付く。

投資信託と債券運用の比較と具体例

投資信託で運用したいという方は、どんな定食が出ていて、どんな定食が食べたいのかを考えるところから運用がスタートすると言っても過言ではありません。
BさんとCさんの具体例で、二つの運用方法の違いをさらに詳しく見て行きましょう。

① 色々な金融商品で資産運用をしたいBさん

資産運用に興味があります。ただ、どの運用法にするか迷っています。「債券も面白そうだし、株式もよさそう。どうしよう?」と考えています。
そこで、債券と株式がどちらも入っているM投資信託で運用することにしました。
M投資信託は1口1万円だったので、10口分10万円を投資しました。

投資してから少し経つと、M投資信託は1口9,900円に値下がりしていました。
金融機関で相談してみると、株式が全体的に安くなっているためその影響ではないだろうかということでした。
10万円投資したはずなのに現在は9万9千円になっています。

しかし翌日、M投資信託は1口11,000円になっていました。
10万円の投資が11万円になりました。
金融機関の窓口で相談すると、株を含め全体的に金融商品が値上がりしているようだという話でした。
色々な金融商品が定食のようになっている投資信託だからこそ、投資信託を構成している金融商品の値の上下に影響されてしまうのです。

② 債券で資産運用したいCさん

新聞を読むと、「株式が値下がりしている」というニュースが報じられていました。
投資信託で運用している友人のBさんは、1口1万円の投資信託が1口9,900円になってしまったと嘆いていました。
しかしCさんが運用しているのは債券です。
CさんはV社に10万円投資しました。
株価が下がっても債券は別物なので、10万円は10万円です。

翌日、Bさんの投資しているM投資信託が1口11,000円になっていることを知りました。
もちろんBさんは大喜びです。
しかし、Cさんの投資している債券は投資信託のような色々な金融商品を混ぜたものではありません。
10万円投資したのですから10万円返ってきて利子も付きます。

投資信託と債券運用を比較するポイント

債券が単品メニューであることに対し、投資信託はセットメニューです。

債券は運用をしたいと考える人がどこにお金を貸し付けるか決めることができます。
しかし投資信託は定食であるため、定食を出す会社(運用会社)が決めた定食メニュー以外を自由にオーダーすることはできません。
あくまで最初から提示されている定食メニューの中から選ぶのであって、メニューが気に食わなくても「この株式をA社債券に換えてください」とカスタマイズすることはできません。
自分の好きな会社にのみお金を貸し付けたい場合は単品メニューである債券で運用することになります。

また、債券と投資信託には、NISAが使えるかどうかという違いもあります。
NISAについてはこちらの記事を参照してください。



どの方法が一番かではなく「自分のお金の考え方に合っているか」が重要

債券と他の資産運用方法を比較・具体例を出しながら解説しました。
債券がどんな運用法なのか、他の運用法とどんなところが違っているのか、そして似たような言葉である債権がどんなポイントで登場しどんな関わりを持つか、わかっていただけたのではないでしょうか。

資産運用はどの方法が一番優れているかを考える必要はありません。
「自分にはどれが合っているのか」「リターンとリスクを理解して、どの方法で自分のお金を働かせたいと考えるか」を決めることが大切なのです。
なぜなら資産状況やお金の価値観、性格によってどの資産運用方法が自分にとって一番なのかが異なってくるからです。

ここまでの解説で債券運用に興味を持った方のために、次の章では債券運用の方法等を解説します。
明日からすぐに債券投資がはじめられるよう、知識を深めるためのお話をします。

債券投資のはじめ方は簡単!基本の4ステップ


ここからは「債券投資をする」と決めた方に向けた、知っておきたい実学です。
前章までは他の投資方法と比較して債券の内容を知っていただくように努めましたが、ここからは債券運用とはどんな運用方法かを既に簡単にでも把握しているという前提で話を進めさせていただきます。

まず、債券投資のはじめ方ですが・・・とても簡単です。
債券を扱っている金融機関(証券会社や銀行、信用金庫)に行って申し込めばいいだけです。
しかし「債券で運用したいのですが」と申し出ても、お金をすぐに用意できる段階にしておかないと即座に債券投資することは難しい可能性があります。
なぜなら、債券投資の中にはとても人気があって即座にお金を用意して手続きを完了させなければ申し込み終了になってしまう債券もあるからです。
人気があるということは「多くの方がその債券を評価している=申し込みたい人が多い」ということなのです。

年中、色々な債券が出ています。
ただ、人気のある債券はすぐに品切れになってしまいますので、次の4つのステップで準備しておくようにしましょう。

1, 金融機関の口座開設をしておく
2, 口座に自分の債券投資用の予算を用意しておく
3, 債券を選ぶ
4, 目論見書(債券の説明書)を受け取り申し込みする

狙っている債券が配布終了しないうちに申し込めるかが鍵になります。
債券投資に慣れている方はあらかじめ口座に債券投資用の資金をプールしておいて、狙っている債券が出たら即座に申し込むという方法をとることがあります。
申し込みは簡単ですが、人気債券は競争率が高いため、時間勝負という側面があるのです。

どの時期にどんな債券が出るかも窓口に確認しておくのがいいですね。
債券の取り扱い種類は証券会社が多いです。
迷っているなら、証券会社の窓口に相談するのも一つの方法です。
また、債券ごとに予算が変わってきますので、債券投資をすると決めたらまずは相談し資金の用意を進め気に入った債券が出るまで待つのもいいでしょう。

国債と社債の違いは?債券選びで知っておくべき「あいうえお」


前述した1~4の流れの中で最も難しいのは3の「債券選び」になります。
債券にはさまざまな種類があるため、初心者が真っ先につまずきやすいのは「どの債券に投資するか」を選ぶことなのです。
いきなり「じゃあ選んでください」と言われても、ちんぷんかんぷんですよね。

証券会社に「債券で資産運用したいのですが」と相談すると、たくさんの債券を紹介されてびっくりすることでしょう。
「世の中こんなにたくさんの企業や団体がお金の貸し手を募集しているものなの?」と不安に感じるかもしれません。
国に団体、企業と、たくさんのところが「投資してくれる人を受け付け中です!」と、債券を発行しています。
「この中から選ぶの!?」とびっくりなさる投資初心者の方はとても多いという現実があります。

会社や団体から直接的に債券を引き受けるという方法もあります。
ただ、基本は「証券会社や銀行などにお願いしてチラシ配りや宣伝をしてもらい、債券投資を望んでいる多くの人に呼びかける」という方法で債券の募集をしています。
なぜなら、その方がより多くの資産運用に興味のある人に自分の会社が債券を出す(または既に出している)ことを知ってもらえるからです。
たくさんの人に債券の存在を知ってもらえれば、その分だけ投資したいという人が集まる可能性が高いですよね。
金融機関のフォローだって期待できます。

債券は次から次への新しいものが出てきます。
最初はどんな債券を選べばいいか迷ってしまうはずです。
そんな時は証券会社や銀行窓口で自分の予算や投資への考え方を伝え、よさそうな債券を紹介してもらうのもお勧めの方法です。

自分で債券を選びたいという方は、「債券の種類」と自分に債券投資のための「あいうえお」を覚えておきましょう。

・債券にも「種類」がある!国債や社債の違いは〇〇の違い

債券には種類があります。
たくさんの種類の「お金を貸し付けて返してもらう約束の日に貸した金額を返してもらう+利子をもらう」という性質の金融商品をまとめて「債券」と呼んでいます。

名前は発行する団体によって異なります。
例えば日本といった国が発行する債券は「国債」と呼ばれます。
外国の国が発行する債券は「外国債(外債)」といいます。
国債にも金額や貸付期間によって色々な名前がついています。
短期国債、中期国債、長期国債、超長期国債、利付国債、割引国債などなどたくさんです。
手軽で低額からできると評判になっている「個人向け国債」も国債の一つです。

会社が発行する債券は「社債」と呼ばれます。
地方自治体が発行する債券は「地方債」と呼ばれます。
最初に全て覚えようとせず、はじめやすい債券に投資して、少しずつ種類を覚えて行くといいでしょう。

お勧めは、個人向け国債や社債などです。
金融機関で申し込みやすく、特に個人向け国債は低額から気軽にはじめられるため、はじめての債券投資にぴったりです。
社債は身近な企業に投資できるという点ではじめやすいと感じるのではないでしょうか。

(あ)安全性はどう?リスクとリターンは比例する

債券は種類以外にも、債券の内容が一つ一つ違っています。
同じAという団体が発行している債券でも、発行した時期や年度によって基本的に債券の内容が異なってきます。
2015年発行の債券は3年後の償還で利子3パーセントであることに対し、2016年発行の債券は5年後に償還で利子2パーセントといったかたちで、同じ団体が発行した債券でもかなり条件が違ってくるのです。
だからこそ大切なのは、より条件の良い債券を見つけて申し込むことなのです。

債券の条件として見るべきポイントの一つとしては「利子」です。
やはりお金を貸す以上、どれだけのリターンがあるかは気になるところではないでしょうか。
しかし、利子ばかりに注目するのは困りもの。
なぜなら、債券投資では「リターンが大きいものはリスクが大きい」という原則があるからです。

例えば、お金が必要になって、誰かに借りようと考えたとします。
A国とB国が同時に債券の告知をしたとします。
同じ年1パーセントの利子で募集をかけました。
A国は経済状況も安定しており、貸した額が償還日にきっちり返還される可能性が非常に高い国です。
対してB国は経済状況が不安定で、償還日には国が破綻しているかもしれません。
つまり、お金が返ってこない可能性が高い国です。
自分がお金を貸すとしたらどちらに貸しますか。
多くの方はA国に貸そうと考えるのではないでしょうか。

B国は同じ利子だとどうしてもお金を貸してくれる人が集まらなかったため、A国よりも高い5パーセントの利子で募集しました。
すると、どんどんお金を貸してくれる人が集まるではありませんか!

債券投資において「利子が高い」ということは、「破綻リスク」が高いということでもあります。
これは、社債であれ、国債であれ、変わらない原則です。

債券は100万円貸したら返還日に100万円をきっちり返してもらうことのできる、投資法の中では安全性の高いものの一つです。
個人向け国債などは安全性が高いからこそ定期預金の代わりに利用されるくらいです。
しかし「どんな債券にも破綻してお金が返ってこないリスク」と「高リターンを求めるとその分だけリスクが上がる」という原則が隠れていることを知っておきましょう。

リスクを知る必要の方法として、会社や国といった投資先の格付けをチェックするという方法があります。
格付けはその会社や国の安全度を計る物差しのようなものです。
格付けが高いほど安全性が高いと判断されます。

格付けが低いほど貸付先としてリスクが高いと判断され、一般的にその分だけ利子(リターン)が高くなります。
前述したように、リターンが高くないと、安全性の低いところにお金を貸してくれる人がいないからです。
リターンが高い場合は、慎重な投資が求められるのです。

(い)いくらから買えるの?実は1万円からでもOK

債券投資というと、高額のお金を投資しなければならないものと想像する人が多いようです。
これは債券だけでなく、株式や投資信託にも同じことが言えます。
「資産運用って、まとまったお金が必要なのでしょ?」という印象を持っている人の多いこと多いこと!

ご安心を。
決してそんなことはありません。
債券投資は1万円という手軽な金額ではじめることができるのです。

債券によってもっと高額の資金が必要なものも、もちろんあります。
しかし、初心者でもはじめやすい「個人向け国債」は最低1万円から1万円単位ではじめることのできる債券です。
年12回(毎月)発行されているため申し込みがしやすく、発行後1年経過すれば何時でも換金することができます。
換金のためには「直近2回分の利子(税引前)相当額×0.79685」が差し引かれるというデメリットもありますが、気をつけさえすれば定期預金のように使うことも可能です。

債券であっても低額からはじめることのできる「個人向け国債」のような債券もあります。
へそくりとしても使える、投資しやすくはじめやすい債券です。
身近な企業が発行する社債は、10万円以上を見ておきましょう。
社債によって額は異なりますが、個人向け国債より相場額は少々お高くなります。

(う)売ることも?債券には中古市場あり!途中換金という方法

個人向け国債は途中換金できることをお話しました。
しかし、中には途中で解約することが難しい債券もあります。

「どうしても急な事情でお金が必要になった!」と運用者が債券の発行もとに申し入れたとしても、発行元だって「借りたお金は償還日まで返さなくていいという約束だったじゃないか!」という言い分があります。
考えてみると、お金の貸し借りとはそういうものではないでしょうか。

ただ、償還日までまったくお金を用立てることができないわけではありません。
解約が難しいなら、債券を売却してしまえばいいのです。

債券には中古市場があります。
理由があって途中換金が必要になった場合は中古市場に売却し、お金に換えてしまうことができます。
ただし、この方法には欠点があります。

欠点とは、満額で債券を換金することは非常に難しいということです。
本やCDの中古買取を想像してください。
中古買取を業者にお願いすると、新品時の価格より安く引き取りになります。
3,000円で購入したCDアルバムが600円といった感じです。
債券も同じで、途中換金した場合は新品価格より低く買取が行われます。
価格は債券や市場の状況により変わるため、一概にいくらとは言えません。
例としては、100万円の債券が95万円という感じです。
償還日まで待てば満額の100万円が返ってきたことと比較してください。

なお、償還日前に手放された債券を購入することもできます。
中古のCDや本に掘り出し物が隠れているように、債券の中古市場にも掘り出し債券が隠れていることがあります。
債券は新発ものを申し込むだけでなく、中古債券を狙って投資するのも一つの方法です。

途中で手放された債券に投資を希望する場合は、証券会社の担当などに相談すれば条件に合う債券を探してもらうことができます。
最も、必ず希望する債券が見つかるわけではないのですが・・・。

(え)得た債券の利子からは基本的に税金が引かれる

債券の利子からは基本的に税金が引かれます。税率は約20パーセントになります。
利子が100円なら、単純計算で20円が税金額になります。
利子は基本的に満額投資者のものになるわけではなく、税引き後の額が利益になると覚えておくといいでしょう。
債券の譲渡所得に関しても、同じく基本的に課税対象になります。

ただし、マル優や特別マル優の対象になる場合があります。
個人の事情により課税状況が変わってくることがあります。
債券の税金について疑問がある場合は、取引先の金融機関や税務署に確認することをお勧めします。

(お)大きなリスクを軽減すべく分散投資の検討を

債券だけでなく、どんな投資法を選択する場合にも重要なのは「分散投資」です。

A社の社債にだけ資産を全て投資すれば、A社が破綻して貸したお金を返してもらえなくなれば、資産がすっかりかんになってしまいます。
しかし、A社、B国、個人向け国債といったかたちで、たくさんの債券に分散投資しておいたらどうでしょうか。
A社が破綻して債券ぶんの資産を失ってしまったとしても、そのリスクはA社の社債だけに投資した時より軽減されます。

A社債、B株式、預金、投資信託というかたちで投資をしたと考えてみてください。
投資信託が大幅に値下がりし、損失を出してしまいました。
しかし、債券は貸した額を返還してもらえる投資法ですし、預金は預けた金額が基本的に変動することはありません。
株式が大幅に値上がりして投資信託のマイナスを打ち消すことができていれば、資産全体を見ればプラスになることもあります。

債券は預金よりリターン面で恵まれていることが多いです。
しかし、「債券だけ」「一つの債券だけ」「一つの金融商品にだけ」投資することにはリスクがあります。
リスク軽減のためにも、投資する時は分散投資を心がけましょう。

最後に

債券投資の初心者向けに、他の運用方法と比較しながら債券投資について解説しました。
合わせて、債券投資のはじめ方と、知っておくべき投資上の知識についてもお話しました。

債券投資を一言で言ってしまうと「お金の貸し借りで運用する方法」です。貸し借りというとあまりよい印象がないかもしれません。
しかし、決してそうではありません。

新規事業をはじめたい企業がいきなり大きな金額を用立てることは、簡単なことではありません。
ドラマでも融資を渋られるシーンがよく描かれます。
そんな時に大切な助っ人になるのが「債券」なのです。
銀行が貸してくれなくても、個人が「貸しますよ」と手を差し伸べれば、新規事業をスタートすることができるかもしれません。

国の中の経済を循環させるためにも、債券は重要な役割を担っています。
債券投資は「資産運用でありながら、運用に留まらない役割を持っている」のです。
「お金の貸し借り」という面で債券運用に戸惑いを感じている方は、「お金の貸し借りも大切な経済の一部」「時に人助けになる」という側面も知って、運用について考えてみてはいかがでしょう。

債券投資には、「貸したものは返してもらう権利がある(債権)」という特徴があります。
運用初心者だからこそ債券は検討したい資産運用方法です。

まずは金融機関でどんな債券を扱っているか確認してみてください。
気になる債券があったら一歩踏み込み、債券投資から資産運用をスタートしていただければと思います。

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たつた

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酒と肴があればご機嫌な元証券マン・銀行マン。お金については日々研究中。クレカから金融サービスまでまずは自分で試してみる主義です。

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