「生活保護」
誰しもが一度は耳にしたことがあると思いますが、あなたは生活保護がどんな制度であるかきちんと知っていますか?
生活保護は
・病気やケガで仕事ができなくなってしまった
・母子家庭で収入が少ない
・貯金がない
など、何らかの事情で生活が困難な人に「最低限の生活を保障」するための制度。
「生活保護費」を支給することで生活を立て直してもらい、将来的に自立した生活が送れるように手助けをしてくれます。
実はこの生活保護を受給する人が年々増えているというのをご存知ですか?
2017年11月に発表された厚生労働省のデータによると、その数は160万世帯を超えたんだとか!
7か月連続の最多更新という状況らしく、そのうち9割以上が単身世帯となっているようです。
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生活保護を受けることができる人
生活保護を受けるためには、4つの条件があります。
援助を受けることができない
例えば一緒に住んでいる家族がいて、その人が働くことができれば生活保護を受けることができません。
家族や身内など、誰からも援助を受けることができない場合、受給対象となります。
資産を持っていない
土地や家・車など…
自分の資産を持っている場合、生活保護を受けることができません。
ただし賃貸物件などは自分の所有している家ではないので、受給が可能。
車の場合は「仕事を探すため」や「病院に行くため」といったやむを得ない理由がある場合のみ、保持が認められます。
働くことができない
仕事ができる状態の人は、生活保護を受けることができません。
病気やケガなどで働くことができない場合、受給が可能。
ただし例外もあります(4を参照)
月の収入が最低生活費を下回っている
・仕事をしている
・年金を受給している
・児童扶養手当を受給している
これらを満たしていても厚生労働省が認めた最低生活費の基準額を下回っている場合、生活保護を受給することができます
いったいどのくらいの金額をもらうことができるの?
保護費は、年金や児童手当などの収入から厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費を差し引いた不足分が支給されますが、基準となる最低生活費は年齢や家族構成、居住地などで違います。
支給される保護費=(厚生労働大臣が定める)最低生活費-年金、児童扶養手当等の収入
例えば、家族が多ければそのぶん生活費がかかりますし、物価が高ければ最低生活費は高くなります。
正確な金額を知りたければ、住んでいる場所の福祉事務所や市町村役場の「生活保護課」に問い合わせてみて下さい。
そして、生活保護制度では次に挙げる8つの扶助を受けることができます。
生活保護で受けられる8つの扶助
生活扶助
日常生活を送る上で必要となる費用として使うことができます。
生活扶助は1種と2種に分類されており、使い方も決められています。
【1種】
食費など、個人的費用にかける費用
【2種】
水道光熱費など、世帯で共通して使う費用
これらの費用を生活扶助として支給されます。
住宅補助
賃貸アパートに入居する際の敷金礼金・更新費用・修繕費用、また毎月の家賃に充てるための費用として支給されます。
教育扶助
義務教育中の子供がいる場合、学校給食や修学旅行の費用・学用品日などに充てるための費用として支給されます。
医療扶助
これはお金ではなく「医療券」として発行してもらえます。
医療券を見せることで、診察や治療にかかる費用、病院までの交通費、治療に必要な材料などを免除してもらうことができます。
介護扶助
生活保護を受給していて、さらに「要介護」「要支援」の基準を満たしている方は介護扶助認定通知が送られます。
指定の住居介護支援業者によってさまざまな介護制度を受けることができます。
出産扶助
生活保護を受けている方出産する場合、出産扶助を受けることができます。
生業扶助
就労で必要な技能や資格などにかかる費用として支給されます。
葬祭扶助
生活保護を受けている世帯で亡くなった方が出た場合、死亡確認の費用やご遺体の運搬・仮想費用・納骨費用として支給されます。
このようにさまざまな費用を支給・または免除してもらうことができます。
こんな場合は支給される?
1、働いていたら生活保護はもらえない?
働いていても生活保護を受けられる場合があります。
それは1ヶ月の収入が最低生活費を下回った場合です。
その居住地の最低生活費ラインが9万円と定められていた場合、6万円しかならない
ときは差額の3万円を生活保護費として受取ることができます。
2、シングルマザーで短時間しか働けない場合は?
その場合でも生活保護を受けることができます。
また、シングルマザーの場合は子どもの数に応じて最低生活費が加算される「母子加算」という優遇措置があります。
3、現在59歳、働く意欲があるが年齢的に仕事が見つからない
就職活動の内容や現在の生活状況を聞いた上で、福祉事務所が判断します。
一度相談に行ってみましょう。
4、税金の支払いを滞納していた場合
税金や年金の滞納を理由に生活保護の申請が却下されることはありません。
受給開始とともに、年金保険料、国民健康保険、住民税、所得税は免除になります。
5、生活保護が再び必要になったとき再申請することはできる?
保護なしで生活ができるようになり保護を返上しても、再び生活に困った場合は再申請することができます。
生活保護の申請に必要な書類
・印鑑
・運転免許証
・保険証(社会保険証または国民健康保険証)
・持っている通帳全て(当日まで記帳済みのもの)
・給与明細
・保護申請書
・家賃証明書
・資産証明書
・生命保険証
必要書類は、その人がおかれている生活の状況によって異りますので、窓口で確認が必要です。
まとめ
生活保護制度に関する条件や保護内容をお伝えしましたが、例えば東京都に住む4人家族で生活保護を受けた場合25万円以上にもなるため「真面目に働くより生活保護の方がトク」「年金をもらうよりもトク」と考える人も多く、生活保護に関するさまざまな問題も起こっています。
記憶に新しいところでは有名芸人の不正受給報道や、つい最近では生活保護費をパチンコに費やす受給者の支給を一時停止をしてきた大分県別府市・中津市が、国と県から「不適切」と指摘を受け来年度から停止を断念するといった報道もありました。
ただ納税者からは手厚過ぎるその内容に現物支給にすべきだとの声も多く、制度そのものを問題視する風潮も。
今後は段階を経て見直されていくことでしょう。
とはいっても、社会に貢献してきた私たちにも万が一の時は「生活保護」を受ける権利があります。
頑張って節約して切りつめても限界がありますので、本当に困った時は躊躇せずこの制度を利用しましょう。
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