iDeCo(イデコ)は専業主婦やパート主婦でもおトクな制度なのか?主婦目線で見るイデコのメリット・デメリットとは

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日本社会の高齢化が止まりません。

日本は超高齢化社会に突入しており、総人口に対する高齢者(65歳以上)の割合が増加しています。
このように説明してもなかなかピンと感じることはないと思いますが、厚生労働省の人口区分試算をみると超高齢化社会の現実が理解できるでしょう。

厚生労働省の人口区分では2015年に高齢者の割合は総人口の26.7%で、3.5人に1名の割合で高齢者が含まれます。
しかし2060年の推定では39.9%が高齢者であり、なんと2.5人に1人の割合に増加します。

「えっそれじゃ40年後には高齢者1人を1.5人で支えるの?」

…その通り。

2060年の日本は1人の高齢者を1.5人で支える社会がやって来るのです。
(実際には1.5人の中に非生産世代である子供も含まれるのでもっと厳しくなる)

2060年を「遠い未来と考える」か「近い現実と考える」かは各々の感じ方ですが、現在28歳であれば68歳になる年であることから遠い未来の話と片付けるには無理がありますね。

そこで注目したいのが「年金」。

日本では公的年金が整備されており、「国民年金」「厚生年金」「共済年金」などいくつかの年金制度があります。
しかし公的年金は貯金ではないことから、将来的な破綻を予想している人も少なくありません。



そしてこれから加速する超高齢者社会の中で、ぜひ考えてもらいたいのが「私的年金」です。

中でも近年注目されている「iDeCo(イデコ)」は国が推進する私的年金制度で、税制上の優遇措置を受けられる優れもの。
数年前までサラリーマンや主婦は利用できなかったiDeCoですが、2018年の改正により門扉が開き利用できるようになりました。

そこで専業主婦やパート主婦がiDeCoを利用する際のポイントや制度内容を紹介します。
ちなみにauのiDeCoなら、auユーザーはもちろん、他のキャリアを使っている人でもスマホでカンタンに年金管理をすることが可能。
手軽にチャレンジしたい方は、こちらも覗いてみてくださいね。
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なぜ若い世代こそ私的年金が必要なのか考えてみよう




先ほども説明した通り日本は超高齢化社会を迎えており、40年後には人口の40%程度が非生産世代(働けない世代)に該当します。
また残りの60%には約10%の子供が含まれ、実質50%で40%を支えるいびつな社会構造が誕生します。

「年金があるから大丈夫でしょう?」
「支えてもらわなくても年金を払っているから問題ありません」

若い世代にはこのように考える人も多いと思いますが、このように考えている人は年金の仕組みを理解していない人です。

大きく間違えているのは「年金は貯金ではない」こと。

年金を貯金のように考える人がいまだに大勢いますが、私たちが支払っている年金は貯金ではなく現在の高齢者を支えるための資金に利用されています。

つまり現在支払っている年金は現在の高齢者を支える資金であり、決して自分たちの年金を貯金しているのではありません。

「えっそれでは将来の私の年金はどうなるの?」

それはその時代の若者が支払う年金でまかなう計画です。

「30歳の私が年金を受取るのは35年後だから2054年」
「その時代に支えてくれる若者はいるの?」

そう…そうなんです。

それが一番の問題で「年金が破綻するかもしれない」との根拠はここから来ています。

つまり今の若い世代はせっせと高齢者を支えていますが、自分たちが高齢者になった時代には支えてくれる若者が少なくなっていることが想定できますね。
そうなると40年後の社会では以下のような問題が発生するかもしれません。

■ 年金の受給額が減少する
■ 年金の受給開始年齢が遅くなる
■ 若者の年金負担が増加する
■ 年金制度が崩壊する

このような問題が想定されることから、国はまず「年金の受給年齢を引き上げる」ことを検討しています。
つまり現在65歳から受給できる年金を70歳程度まで引き上げるのですね。
また年金受給額を減らすことも考えているようです。

しかし考えてください。
国は企業の定年を60歳から65歳に引き上げて年金の受給開始を70歳に遅らせることを検討していますが、65歳まで元気に働く自信がない人も多いはず。
そして年金がもらえなくなることで生活ができなくなり、生活保護を申請する人が増加する可能性もあります。

それでもこのような対策を実施しないと公的年期制度が崩壊してしまう…うーん、難問ですね。

現実的には人口が減少し高齢者が増える未来では、今まで通りの年金を維持するのは難しいかもしれません。
公的年金制度が崩壊することはないと信じたいのですが、崩壊すると貯金ではないので今まで支払った掛け金は「0(ゼロ)」です。

「ゼロって…ひぇ~」

だから…今の若い世代こそ私的年金が重要で、今回紹介するiDeCoを検討してもらいたいのですね。

iDeCoは任意で加入する個人型確定拠出年金だ




公的年金は将来的な不安が残ることから、それだけに未来を託すのではなく私的年金を考える必要があります。

そこで注目なのが「個人型確定拠出年金(iDeCo)」。

これは「個人で加入でき支払額(拠出)が決まっている(確定)年金」のことで、簡単に説明すると「毎月一定額を積み立てる私的年金」と思ってくださいね。

私的年金は加入している年数が長いほど老後に受給できる金額も増加します。

その意味では早く始めた方が将来の年金が増え、老後の生活を豊かにするでしょう。
あくまで私的年金は任意加入が原則ですが、公的年金に不安が残る現代にこそ真剣に検討すべきものだと思います。

iDeCoは自分で考えて自分で投資する自分専用の年金

iDeCoは通常の年金と違い自分で運用することで資金を増やす年金です。
その意味では投資と同じであり、たくさんの金融商品の中から自分で商品を選択して長期的な運用を行います。

iDeCoで運用する金融商品は元本が保証される「元本確保型」、元本が保証されない「元本変動型」の2種類に分けられます。

元本確保型の商品は「定期預金」や「保険商品」ですが、元本が保証されていることから利率はスズメの涙と言ったところ。
反対に元本変動型は「投資信託」がメインで、大きなリターンを狙える代わりに元本が減ってしまうリスクが生じます。

■ 元本確保型:定期預金や保険など元本が減らない金融商品。(リスク、リターン小)
■ 元本変動型:投資信託など元本が増減する金融商品。(リスク、リターン中~大)

しかし元本変動型であってもリスクの少ない商品もありますので、そこはリスク配分を考えて選択するようにしたいですね。

iDeCoは自分で投資する新しい年金の形ですが、選択する商品により将来受け取る年金額に大きな違いが出てきます。

「安全だと利益が出ないし…」
「リターンを狙うと元本割れのリスクが…」

このような悩みが出てきますので、将来設計を考えて選択したいですね。

専業主婦やパート主婦に私的年金が必要な理由とは?




日本の国民年金制度では被保険者を3つの区分に分けています。

■ 第1号被保険者:自営業、農業、漁業、学生、無職、それらの配偶者
■ 第2号被保険者:サラリーマン、公務員など厚生年金加入者
■ 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養されている配偶者

国民年金制度では上記のように1号から3号まで3つの区分に分類していますが、各々に年齢条件や収入条件なども規定されています。

この中で専業主婦が該当するのは「第1号被保険者」と「第3号被保険者」。

例えば配偶者が自営業で妻が専業主婦の場合は夫婦ともに「第1号被保険者」で、配偶者がサラリーマンの専業主婦は扶養家族となり「第3号被保険者」です。

■ 配偶者(夫)自営業    => 妻(専業主婦)第1号被保険者
■ 配偶者(夫)サラリーマン => 妻(専業主婦)第3号被保険者

上記の通り専業主婦は配偶者(夫)の仕事により自動的に加入する国民年金の区分がきまります。

またパート主婦の場合はどうでしょうか?

■ 配偶者(夫)自営業    => 妻(パート年収130万円未満)第1号被保険者
■ 配偶者(夫)自営業    => 妻(パート年収130万円以上)第2号被保険者
■ 配偶者(夫)サラリーマン => 妻(パート年収130万円未満)第3号被保険者
■ 配偶者(夫)サラリーマン => 妻(パート年収130万円以上)第2号被保険者

パート主婦のケースでは自身の年収により加入する年金区分に違いが出ます。
例えば夫が自営業で妻のパート年収が130万円未満の場合は、妻も夫と同じ「第1号被保険者」です。
しかしパートによる収入が130万円を超えると、パート先の会社の厚生年金に加入する必要があることから「第2号被保険者」に変更されます。(パート先が厚生年金に加入していない場合は第1号被保険者)

次にサラリーマンの妻の場合は年収130万円未満では扶養配偶者なので「第3号被保険者」ですが、130万円を超えると扶養から外れパート先の厚生年金に加入することから「第2号被保険者」です。(パート先が厚生年金に加入していない場合は第1号被保険者)

パートで年収130万円を超える収入のある人は原則としてパート先の厚生年金に加入することから、原則サラリーマン扱いとなり国民年金と厚生年金の2階建ての年金に加入します。

しかし専業主婦や年収130万円未満のパート主婦は、第1号被保険者か第3号被保険者にしか加入できないことから国民年金のみの加入です。
国民年金の満額の受給額は年間で約78万円、月に換算するとたった65,000円程度。

この数字はあくまで満額を支払った場合に受給できる年金であり、滞納や未納があるケースではもっと少ない年金になるでしょう。

「夫の年金と合わせると大丈夫だわ。」
「貯金があるから問題なく生活できると思う。」

でもよく考えてくださいね。

例えば夫が自営業なら夫婦合わせても毎月13万円の年金で、夫が亡くなると年金は半分に減額されます。
また夫がサラリーマンのケースでは夫が亡くなることで夫の国民年金分と、厚生年金分の1/3程度が減額されます。

また離婚のリスクもありますよね。

女性は男性よりも平均寿命が長いことから夫を先に亡くすことは珍しくありません。
そうなると年金が突然少なくなる事態になり、生活に支障が出ることも考える必要がありますね。

特に第1号被保険者と第3号被保険者に該当する専業主婦や年収が130万円未満のパート主婦は、自身の年金が少ないので配偶者の年金に依存しなくては生活できないことが予想されます。

そうならないためには若い間に自身の年金を考えて、老後の生活設計をおこなわなくてはなりません。

私的年金であるiDeCoは国が推進する新しい年金の形。
特に厚生年金に加入していない専業主婦やパート主婦にとって老後の資金づくりをサポートしてくれます。

専業主婦やパート主婦(年収130万円未満)は自身の年金が少ないことを自覚して、将来の不安を解消するためにも私的年金を考えなくてはならないのですね。

iDeCoの加入条件が緩和され専業主婦も加入できることに

平成13年に施行されたiDeCoですが当初は自営業に限定された制度で、サラリーマン(第2号被保険者)や扶養されている専業主婦(第3号被保険者)は加入できませんでした。
しかし平成29年からその条件が緩和され、満20歳以上60歳未満の人は誰でも加入できるように改正されたのです。

【iDeCoに加入できる人】
■ 第1号被保険者(自営業、学生)
■ 第2号被保険者(サラリーマン、公務員、共済加入者等)
■ 第3号被保険者(第2号被保険者に扶養されている専業主婦、パート主婦)

専業主婦やパート主婦でもおトクに私的年金を始められるiDeCoですが、大きなおトクポイントとして3つの税制優遇が上げられます。

1. 年金の掛け金がすべて所得控除される
2. 年金を運用することで得られる運用益が非課税
3. 年金を受給する際に控除が適用される

このポイントを紹介する前にまずiDeCoで利用できる毎月の利用限度額を説明します。

iDeCoの掛け金は加入者ごとに限度額が設定されている

iDeCoは毎月一定額の掛け金を拠出する私的年金ですが、加入者ごとに限度額が設定されています。

【加入者ごとの掛け金限度額】
■ 第1号被保険者:毎月68,000円(年間816,000円)まで
■ 第2号被保険者(サラリーマン):毎月20,000円(年間240,000円)まで
■ 第2号被保険者(公務員、共済加入者):毎月12,000円(年間144,000円)まで
■ 第3号被保険者:毎月23,000円(年間276,000円)まで

このように厚生年金に加入できない第1号被保険者は毎月68,000円まで加入できますが、2階建て年金のサラリーマンは20,000円が上限です。
これは厚生年金で守られているサラリーマンに対して、自営業は国民年金のみなので手厚く優遇されているのが理由でしょう。

またサラリーマンの妻である専業主婦(第3号被保険者)も毎月23,000円まで加入できるので、夫よりも優遇されていますね。
このことからも国としてはサラリーマンの夫より、専業主婦に利用してもらいたい制度だと考えていることが分かります。

また掛け金は最低5,000円/月からなので、実際には少額で始めることができます。
限度額にこだわる必要はないので、無理のない運用を心がけたいですね。

それではiDeCoの3つのおトクポイントを詳しく説明しましょう。

扶養されている主婦には効果がない所得控除

iDeCoの優遇措置の中でも所得税や住民税が安くなる「所得控除」は最も節約効果が出やすいものですが、残念ながら専業主婦やパート主婦(扶養)が加入するケースでは利用できません。

iDeCoの制度では掛け金が全額「所得控除」になるため、1年間の掛け金の合計を所得から差し引くことができます。

例えば毎月2万円の掛け金を支払っている場合、年間で24万円をiDeCo に支出しています。(2万円×12ヵ月)
24万円を所得控除きるので300万円の年間所得がある人は、276万円(300万円-24万円)が合計所得です。
所得税が10%、住民税が10%と仮定すると、それだけで約5万円の税金が軽減され、実質24万円の積み立てに対して5万円が返金される効果が生まれます。

ただしこの所得控除は本人のみが適用される優遇措置であり、残念ながら配偶者の支出では適用されません。
簡単に言いますと「夫の収入で専業主婦の妻のiDeCoを払っても夫の所得からは控除できない」のです。

「え~それじゃ専業主婦では意味がないでしょう?」

と考えるのは無理もありませんが、まだ2つのおトクポイントが残っています。
所得控除は本人しか利用できないのですが、残りの優遇措置は専業主婦でも利用できます。

運用益が非課税…だから再投資で大きくふくらむ

例えば株式を保有している人が配当金を受取った場合、20.315%の税金が引かれます。
また株価が上がり売却益が出た場合も、同じく20.315%が利益から差し引かれます。(源泉課税の場合)
このような課税は株式だけではなく銀行預金の利息に対しても行われ、大部分の投資で得た利益の約20%は税金として支払わなくてはなりません。

しかしiDeCoは運用益が非課税なので利益が出ても20.315%の税金を支払う必要がありません。
そうなると他の投資と違い2割も多く再投資に回せることから、どんどんと利益がふくらみ老後には大きな年金として受取ることが夢ではありません。

【金融商品の税金】
■ 銀行預金(定期預金、普通預金):利息の20.315%
■ 株式の配当:配当金の20.135%
■ 株式売却:売却益の20.315%(売却損の場合は非課税)
■ 投資信託の配当:配当金の20.315%
■ 投資信託の売却益:売却益の20.315%(売却損の場合は非課税)
■ iDeCoの運用益:0.0%
(主に源泉課税の場合)

このようにiDeCoは運用益が出ても税金は非課税です。
長期間の運用を前提としたiDeCoですから、運用益が非課税なのは資産を大きく増やす効果が絶大。
 
【通常の運用】
金融商品100円購入

30%値上がりで130円に 

130円で売却(税金6円)

124円で新たな金融商品を購入

繰り返し

(再投資の度に利益の20%が課税される)

【iDeCoの運用】
金融商品100円購入

30%値上がりで130円に

130円で売却(税金0円)

130円で新たな金融商品を購入

繰り返し

(課税されないので多く再投資できる)

これは専業主婦でも見逃せない優遇措置ですよ。

老後にiDeCoを受取る時にも大きな控除が受けられる




それでは老後にiDeCoを受給する場合の税金はどうなるのでしょうか?

iDeCoは年金なので受給方法は以下の3通りから選択できます。

1. 一時金として一括で受け取る
2. 年金として分割で受け取る
3. 一括と分割を併用する

【一時金として一括で受け取る】
iDeCoを一時金で受取る場合は「退職所得控除」が適用されます。
退職所得控除はサラリーマンが退職金を受け取る際に使う控除で、勤続年数により控除額が変動します

計算方法は勤続20年以下と20年超に分かれ、勤続20年以下では「40万円×勤続年数」、勤続20年超では「70万円×(続年数-20年)+800万円」。

つまり勤続18年の人は720万円で、勤続30年の人は1,500万円が退職所得控除額ですね。

■ 40万円×18年=720万円
■ 70万円×(30年-20年)+800万円=1,500万円

iDeCoを一時金で受け取る場合は「掛け金を支払っていた期間」が勤続年数と計算されるので、18年間支払っていた人は720万円、30年支払っていた人は1,500万円まで非課税扱いです。

専業主婦では毎月の掛け金が23,000円までなので、30歳でiDeCoを始めると60歳までに828万円を拠出します。
(23,000円×12ヵ月×30年)

30年年間の退職所得控除額は1,500万円なので、運用益が30%出たと仮定しても1,076万円なので非課税ですね。

また拠出額は同じで15年間加入したケースでは同じく合計414万円を拠出しますが、退職所得控除が600万円なのでこの場合も30%の運用益があっても540万円でやはり非課税ですね。

このようにiDeCoを一時金で受け取る場合は、3割から4割程度の運用益が出ても税金を支払う必要はありません。
つまり運用中も非課税、受け取る時も非課税だと思ってください。

【年金として分割で受け取る】
「iDeCoは年金だから一時金ではなく分割で受け取りたい!」と考えている人は、分割で受け取ることができます。
iDeCoを分割で受け取る場合には退職所得控除ではなく、「公的年金等控除」が適用されます。

公的年金等控除は年齢が65歳未満の人は年間70万円、65歳以上の人は120万円まで非課税になる控除。
ただし公的年金控除はあくまで公的年金の受給に対する控除なので、iDeCoも公的年金に加算されてから差し引きされます。

例えば70歳の人が国民年金として60万円、iDeCoで50万円の年間合計110万円を受け取った場合では、「110万円-120万円」となり非課税です。
しかし公的年金が150万円、iDeCoが70万円のケースでは、合計で220万円なので100万円が雑所得として課税されます。

このように分割でiDeCoを受給する際には、公的年金等控除を超えると雑所得として課税されるので、十分に注意したいところです。

【一括と分割を併用する】
iDeCoの受給では一括と分割の併用もできます。
併用受給では公的年金控除を考慮して、課税されない金額のみを分割にして残りを一括受給する方法がよいでしょう。

例えばiDeCoで500万円たまった場合では、一時金として200万円、分割受給として300万円を10年間で受け取ります。
分割受給の目安は年間30万円程度なので、公的年金を90万円まで受給しても非課税です。

併用受給は自分の公的年金を計算して、一時金の額を決めるのがポイントですね。

iDeCoは何歳になったらもらうことができるの?

「iDeCoが有利な年金なのは解ったけど…何歳になったらもらえるの?」

iDeCoは20歳~60歳までの国民が加入できる私的年金ですが、受給開始年齢は加入期間により違いがあります。

【加入期間による受給開始年齢】
■ 10年以上:60歳から受給可能
■ 8年~10年未満:61歳から受給可能
■ 6年~8年未満:62歳から受給可能
■ 4年~6年未満:63歳から受給可能
■ 2年~4年未満:64歳から受給可能
■ 1年~2年未満:65歳から受給可能

60歳からiDeCoを受け取るためには10年以上の加入期間が必要で、最低でも50歳には加入しなくてはなりません。

またiDeCoは原則として受給権が発生する年齢にならないと掛け金を引き出すことができず、さらに特別な条件がない限り一時解約もできません。
あくまで余裕資金で運用するようにしましょう。

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iDeCoは運営管理機関を選ぶことから始まる




iDeCoを始めるには「運営管理機関」と呼ばれる金融機関に専用口座を開設しなくてはなりません。
1人につき1社の運営管理機関を選択することができ、この選択によって運用の結果にも違いが出ることから十分な検討を行う必要があります。

運用管理機関は「銀行」「証券会社」「保険会社」「投資信託会社」などで、会社により取り扱い商品や手数料に違いがあります。

運用管理機関の一例を紹介します。

■ みずほ銀行(都市銀行)
■ 三井住友銀行(都市銀行)
■ みつびしUFJ銀行(都市銀行)
■ ゆうちょ銀行(その他の銀行)
■ 北海道銀行(地方銀行)
■ 横浜銀行(地方銀行)
■ 野村証券(証券会社)
■ 楽天証券(ネット証券会社)
■ SBI証券(ネット証券会社)
■ 住友生命保険(保険会社)
■ ソニー生命保険(保険会社)
■ 東京海上日動火災保険(保険会社)
■ お金のデザイン(投資信託会社)
■ さわかみ投信(投資信託会社)
■ その他多数

このように多くの銀行、証券会社、保険会社でiDeCoを扱っており、含まれる金融商品も多岐にわたります。

また各運営管理機関により管理料や手数料に違いが出ることから、選択する際には費用を確認してなるべく安い金融機関を選択する方が有利です。

運営管理機関を選ぶ基準を考えてみよう

運営管理機関を選択する際には3種類の条件を比べることが大切。

1.信託報酬が安い金融機関
2.金融商品のラインナップが豊富な金融機関
3.口座の管理手数料が低い金融機関

【信託報酬が安い金融機関】
信託報酬とは投資信託など金融商品の手数料で、毎年0.2%~2.0%が経費として徴収されます。
例えば50万円の投資信託なら年間で1,000円~10,000円の信託報酬がかかるので、なるべく信託報酬の少ない商品を選択した方が運用成績は高まるでしょう。
せっかく税金が優遇されても信託報酬が高いのでは意味がなくなります。
運営管理機関を選ぶポイントとしては、同程度の内容の金融商品を比較して信託報酬の安い会社を選びましょう。

【金融商品のラインナップが豊富な金融機関】
iDeCoでは運営管理機関ごとに利用できる金融商品が決められており、その中から選択しなくてはなりません。
つまり商品数が多い運営管理機関の方が選択する幅が多く、長期的な運用にも対応しやすい特徴がでます。

先ほど紹介した運営管理機関の中から一部の会社の商品数を比較して見ましょう。

■ みずほ銀行:11商品
■ 楽天証券:31商品
■ お金のデザイン:5商品

楽天証券のラインナップは31商品ですが、お金のデザインは5商品と1/6程度です。
やはり商品数が多い方が選択する幅も広がりますので、なるべく商品数の多い運営管理機関を選びたいですね。

【口座の管理手数料が低い金融機関】
iDeCoを行うには運営管理機関との口座契約が必要ですが、契約時には「国民年金基金連合会」への加入金として2,777円が必要です。
1回だけ支払う加入金は運営管理機関に関係なく必要なので、特に金額の差はありません。
またiDeCoを始めると月の管理料として、国民年金基金連合会の「事務費用」が103円、iDeCoを運用する信託銀行の「資金管理手数料」が64円の合計167円を毎月支払わなくてはなりません。

【iDeCoを始める際に必要な費用】
■ 加入金:2,777円(加入時に1回のみ)
■ 国民年金基金の事務費用:103円(毎月)
■ 信託銀行の資金管理手数料:64円(毎月)
■ 運営管理機関の口座手数料:各会社により無料~600円程度

どこの運営管理機関を利用しても毎月167円は費用として必要で、さらに運営管理機関によっては別途口座手数料がかかる会社もあります。
口座手数料は「無料~600円程度」まで幅があるので、167円と合計すると「167円~767円」を毎月支払います。

口座手数料を年間で考えると「2,004円~9,204円」なので、決して無視できる金額ではありませんよね。
例えばiDeCoの残高が50万円とした場合、年間2,004円の費用なら0.4%の経費負担です。
しかし9,204円なら1.8%もの負担。

信託報酬と合算すると3.0%を超えることも考えられるので、いくら税金が安くなっても現実的な運用にはなりません。

運営管理機関を選択する際には毎月かかる費用を十分にチェックして、費用を抑えるよう工夫しましょう。

iDeCoで運用する金融商品を選択するにはどうすればよいの?

運用管理機関も決まり口座を開設したら、いよいよiDeCoで運用する金融商品を選ぶ必要があります。
iDeCoはあくまで自分で運用先を決める年金なので、お金を入れるだけでは誰も運用してくれません。
そこで主婦でも簡単にできる金融商品の選び方を紹介しましょう。

前述したiDeCoで運用できる金融商品は大きく分けると以下の2種類。

■ 元本確保型
■ 元本変動型(投資信託)

「元本確保型」は投資したお金(元本)が保証された金融商品で、一定の金利が付加されるものです。
「定期預金」や「保険商品」が元本確保型ですが、低金利でほとんど運用にはならないのが現状です。

「投資信託」はiDeCoで集めた資金を株式や債券に投資することで運用する商品。
実際の運用は投資信託ごとの運用方針にそって、投資のプロ(ファンドマネージャー)が行います。

【投資信託の種類】
■ 国内株式型
■ 外国株式型
■ 国内債券型
■ 外国債券型
■ 日本不動産投資信託型(REIT)
■ 海外不動産投資信託(海外REIT)
■ バランス型
■ その他

元本確保型は低金利で運用的には適さない状況ですが、元本変動型の投資信託は世界の株式や債券市場が活況であることから一定の利益を得ることが可能です。
つまりiDeCoで一定の運用益を狙うのなら投資信託を選ばなくてはなりません。

「投資信託には元本が減るリスクがあるのでは?」

その通りですが投資信託にもリスクの大小があり、投資先を見極めることでリスクを少なくさせることが可能です。

例えば債券型は株式型よりもリスクは少なく、外国型の商品には値動きだけでなく為替リスクも出てきます。

上記した投資信託の種別を見ると最もリスクが少ないのが「国内債券型」で、リスクが高いのが「外国株式型」だと思います。
ただしリスクが高いと利益も出やすいので、大きく増やす目的なら「外国株式型」を選択するのもよいでしょう。

また外国型の商品は円高局面では損失が出ることも覚えておきたいですね。
それでは各商品のリスク度を見てみましょう。

【リスクが高い順】

海外REIT、外国株式 > 国内株式、REIT > 外国債券、バランス > 国内債券

このようにリスク度が商品ごとにありますが、反対に考えるとリスクが高い商品はリターン(利益)も出やすいので積極的な運用を行っていることが分かります。

また、投資信託には「アクティブ型」と「パッシブ型(インデックス型)」と呼ばれる商品があります。

【アクティブ型】
積極的な運用で市場の平均以上の利益を狙う金融商品です。
市場が上向きの状況では大きな利益が出ますが、下向きの場合は大きな損失が出ることがあります。

【パッシブ型(インデックス型)】
「日経平均株価」「TOPIX」などの指標に合わせて運用する投資信託です。
つまり日経平均株価に連動した商品は、東京株式市場の平均株価が上昇すると利益が出て下がると損失が出ます。
初心者でもわかりやすい投資信託ですね。

iDeCoを開始するための流れをまとめてみよう

今までiDeCoの仕組みを説明してきましたが、実際に開始するにはどのような手続きが必要なのでしょうか?

1. パンフレットやインターネットのホームページで運用管理機関(金融機関)を調べて、自分にあった会社を見つける。
2. 運用管理機関の店舗やカスタマセンターでiDeCoの説明を受けて、気に入れば申込み書類を入手する。
3. 申込み書類を記載して提出(郵送)する。(基礎年金番号が必要)
4. 国民年基金連合会で審査を行い「個人型年金加入確認通知書」が送られてくる。
5. 申込みを行った運用管理機関からiDeCo口座の開設の案内が送られてくる。
6. iDeCoで運用する金融商品を選択する。(後から変更も可能)
7. iDeCoがスタート

国の制度なので手続きが少し多い印象を受けますが、多くの運用管理機関ではさまざまなサポートを行っています。
iDeCoの制度に疑問があったり、金融商品が理解できなかったりする時はカスタマセンターに連絡して十分な説明を受けることが大切です。

専業主婦やパート主婦が元本確保型を選んではならない理由

「家庭をあずかる主婦ですから…安全が一番ですわ」

と考えて元本確保型の金融商品でiDeCoを始めようと考えた貴女は、もう一度今までの話を考えてみましょう。
まずiDeCoには毎月の費用が最低でも167円かかりますよね。
年間では2,004円の費用が発生するのですから、それ以上の運用を行わなくては年金を作るどころか資産を減らしてしまうでしょう。

しかし現状の元本確保型商品の金利は0.02%程度。
つまり50万円の運用では年間に100円しか利益が出ない計算です。

「えっ…それじゃ”2,004-167円”で1904円の損失が出ることに…。」

そうなんです。

元本確保型の商品では大金を積み立てない限り元本割れしてしまう可能性が高くなります。
初めに説明したとおり専業主婦やパート主婦(収入130万円未満)は毎月23,000円までしかiDeCoを利用できないので、元本確保型商品を選択すると増えるどころか元本割れするでしょう。

恐ろしい話ですがiDeCoの制度上、毎月の費用が必要なのでこのような問題が発生するのです。
元本確保型商品は元本が確保されない恐れがあることをよく理解して下さいね。

NISAとiDeCoの違いと比べてみよう

おトクに投資ができる制度はiDeCo以外に「NISA(ニーサ)」がありますよね。

「投資を始めるならNISAがおトクって聞いたのだけど…」

このような話を耳にします。

NISAもiDeCoと同様に投資における税金を少なくしてくれる制度で、現在では3種類の中から選ぶことができます。

■ NISA
■ つみたてNISA
■ ジュニアNISA

2014年からスタートしたNISAは株式や投資信託の配当益や売却益を非課税にする制度。
当初は1年間に100万円までの購入が適用されていましたが、現在では120万円に拡大されています。(ジュニアNISAは年間80万円まで)
またNISAは5年間の非課税期間が設けられており、期間を過ぎると以降は課税対象です。(ただし期間内に生じた利益は非課税)

そして2018年からスタートした新しいNISAが「つみたてNISA」。
つみたてNISAは長期的な積み立て運用を目的とした制度で、毎年40万円を上限に非課税で積み立てを行うことが可能です。
非課税期間は最長20年間なので、その間に得た配当や利益に税金はかかりません。
つまり40万円を20年間ですから、最大で800万円の非課税枠を利用できる制度だと思ってください。

例えばつみたてNISAで毎月3万円を支払うと、年間で36万円ですよね。
その年間36万円が非課税で20年間運用できます。
10年で360万円、20年で720万円を積み立てることができるので、つみたてNISAも私的年金としての利用価値は高い制度です。

それではiDeCoとつみたてNISAでは、どちらが私的年金としてベストなのでしょうか?

【iDeCoとつみたてNISAの比較(専業主婦、パート主婦)】

 iDeCoつみたてNISA
所得控除あり
(専業主婦は利用不可)
なし
年間の限度額27.6万円40万円
期限20歳~60歳
最長40年
20年間
購入商品投資信託
元本確保型商品
投資信託
ETFのみ
換金性原則60歳まで不可いつでも換金できる
税額控除利益に対して非課税利益に対して非課税
受け取り各種控除利用20年以内で解約の場合非課税
最大拠出額1,104万円
(40年間)
800万円
(20年間)
              

専業主婦やパート主婦ではつみたてNISAも検討しよう

上記した通りiDeCoとつみたてNISAはよく似た特徴を持った制度で、大きな違いは「所得控除」の有無と運用年数です。
しかし専業主婦やパート主婦(年収130万円未満)では、配偶者の扶養に入っていることからiDeCoの所得控除は利用できません。
その意味ではiDeCoの最大のメリットが利用できないのです。

しかしiDeCoは60歳まで加入できるので、最大で40年間の積み立てが可能。
その意味では20年間しか利用できないつみたてNISAよりも優れていると思います。

iDeCoとつみたてNISAで悩んだ場合には、加入時の年齢を考えて40歳未満ならiDeCo、41歳以上ならつみたてNISAと考える方法もよいでしょう。
また月々の拠出額を大きく設定したい場合は、つみたてNISAの方が有利ですね。

しかしここで注意ポイントがあります。

実はiDeCoとつみたてNISAは併用して利用できる制度で、両方利用することも可能。
例えば資金を分散して「絶対に60歳までは利用しない資金」と「いざとなったら解約したい資金」に分けて、iDeCoとつみたてNISAに入れるのもよい方法です。

専業主婦の場合は所得控除が利用できないので、つみたてNISAが合っている可能性もあります。
制度を理解して上手に利用しましょうね。

NISAについてもっと詳しく知りたい方はこちらのページをどうぞ

専業主婦だからこそ私的年金を準備しよう

配偶者に扶養されている専業主婦やパート主婦は自分用の年金として国民年金に加入していますが、年金金額はわずかな金額にしかなりません。
制度的には配偶者の年金と合算して生活レベルになるのですから、トラブルが生じた場合にはそれだけでは生活できない事態を引き起こすでしょう。

また日本の年金制度は超高齢者社会により、将来的な不安も払しょくされていません。
そのような問題を解決する方法として「預金」「節約」は効果的な方法ですが、大きなリターンを期待できず年金を補うまでにはならないこともあるでしょう。

さらに日本の超低金利状態では物価上昇に金利が追い付かずに、銀行にお金を預けることで損をする事態まで起こっています。

iDeCoは税金を控除することで大きく年金を増やす可能性を持った制度。
さまざまな制約はありますが、上手に利用することで将来を安心にしてくれるでしょう。

そのためには若い間からiDeCoを始めるのが効果的。
特に自分の厚生年金を持たない30歳~40歳代の専業主婦やパート主婦には、ぜひiDeCoを検討して不安のない老後を目指してもらいたいですね。

スマホではじめる未来づくり【auのiDeCo】はこちら

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この記事を書いた人
moose

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会社経営を経て夢のセミリタイヤを45歳で実現し、のんびりするはずが性格なのかファイナンシャルプランナーとして独立するはめに(泣)…成人した子供よりもポメ2匹を溺愛しています。のんびり書きたいライターです。
さがす