自分の老後資金を、どう貯めていこうかと考えたときの選択肢
老後破産についていろいろと調べてみたり、自分がもらえる予定の年金の額に愕然としたりと自分の20年後、30年後を憂うしかない今日この頃。
40歳を目前にして、いよいよ老後には自分で備えるしかないという現実に向き合い始めました(遅すぎる…)。
資金を貯めていく方法は多々ありますが、現在はとにかく低金利の時代。
銀行の定期預金に預けていても、金利がゼロに近いため、金利でがっぽり儲かるなんてことは望めません。
今の一般的な定期預金の金利だと、実際に金利分がどれくらいになるか、ちょっと計算してみましょうか…。
年0.01%の金利で1年ものの定期預金に預けてみることにして、たとえば100万円預けても、金利分として返ってくるのは、じ…じゅ…10円…。
ということは、1億円あずけたとしても、年間1,000円にしかならないってことですか!?
改めて計算してみたところ、愕然とするしかない結果に…。
1億円預けたとしても、小学校低学年レベルの毎月のお小遣いにしかならないだなんて…。
というわけで、今回は少しでも貯蓄することにプラスアルファのメリットを見出すという観点から生命保険で死亡保障をつけながらも貯蓄ができるという貯蓄型保険について考えてみることにしましょう!
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万が一に備えながら、貯蓄もできる保険とは…?
私の場合、成人して働くようになった時なんとなくではありましたが「生命保険に入らなきゃ…」とあまり根拠もなく考えていました。
とにかく「万が一のときに備えておこう」という意識が漠然とあったのだと思いますが、そんな考え方は特別なものでもなく、深く考えることもなく「とりあえず」という意識で生命保険や医療保険に加入する人は多いのではと思います。
自分に子どもやパートナーがいなければ「自分が死んで死亡保険金が出てもどうしようもないや…」と死亡保険のことは考えたりしないかもしれません。
ですが、例えば病気になって手術が必要になったり、事故にあって入院しなければならなくなったり…ということを考えれば医療保険については少なくとも考える人も多いはず…。
どうせ保険をかけるならメリットがあるものを…と検討するのは当然!
そこで、まずは「貯蓄型」として代表的な生命保険について考察です!
「貯蓄型」には代表的なものとして『養老保険』と『終身保険』があるけれど…
養老保険も終身保険も貯蓄性の高い保険となっていて、解約返戻金が貯まっていく仕組みになっています。
どちらも保険料支払い期間が終了するころには、それまでに支払った保険料の額よりも解約返戻金の額の方がプラスになるのですが「じゃあ、何が違うの?」というと…
1, 養老保険は満期があるが、終身保険は一生涯保障が続くため満期はない。
2, 養老保険は満期になると死亡保険金と同額の満額保険金がおりる
3, 終身保険は満期がないが、保険が必要なくなったときに解約して解約返戻金を受け取る
4, 毎月の支払額は養老保険>終身保険
例えば…30歳の人が60歳で満期を迎える死亡保障1,000万円の養老保険に加入したときと、同じ30歳の人が60歳で支払を終了する死亡保障1,000万円の終身保険に加入したとき、月額保険料を比較すると、養老保険がだいたい2万5,000円、終身保険がだいたい1万8,000円ぐらいと考えてください(ざっくりとした感覚的な違いで説明します)。
● 養老保険:
月額2万5,000円×12カ月×30年=900万円の支払いに対し、満期で1,000万円(死亡保障金と同額)を受け取ることができる
● 終身保険:
月額1万8,000円×12カ月×30年=648万の支払いに対し、返戻率に応じた返戻金(100%を超える)を受け取ることができる。
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終身保険の返戻金って、ぶっちゃけどうなの?
上記で養老保険と終身保険の支払額についての比較をしてみましたが、結局終身保険の「返戻率に応じた返戻金ってどんなもんや?」と思われた方が多いかと思います。
そこで、私自身が掛けている低解約返戻金型の終身保険を引き合いに計算してみましょう。
マネーリテラシーが低い私がなぜこの終身保険を掛けていたかというと、私の友人がファイナンシャルプランナー(通称、FP)になったときに私の保険を見直してくれ、この保険を勧めてくれていたからなのです。
契約年齢:35歳(2013年10月契約)
保険料払込期間:60歳まで(2038年9月まで)
死亡保障:1,000万円
月額保険料:1万8630円 → 年間で支払う保険料合計:22万3,560円
● 10年目の解約返戻金額152万4,173円―支払った保険料223万5,600円→返戻率は約68%で71万円損
● 20年目の解約返戻金額345万2,892円―支払った保険料447万1,200円→返戻率は約77%で101万円損
私の場合プラスに転じるのは24年目です。
● 24年目の解約返戻金額575万5円―支払った保険料536万5,440円→返戻率は約107%で38万円得
● 25年目の解約返戻金額652万6,292円―支払った保険料558万9,000円→返戻率は約117%で93万円得
※積立利率1.85%が保険期間中一定でそのまま推移したと仮定して計算した数値
というわけで…支払った&これから支払う保険料を無駄にしないためにはかなり長丁場ですが、24年間は支払い続けなければならないのです!
途中で解約すると、かなりの元本割れ…。
私みたいなケチ人間には100万円も損しちゃうなんて言語道断なので「なにがなんでも24年間支払い続けなければ…」と思うところ。
それまでにはあと20年少々という、少し気の遠くなる時間が…。
要するに終身保険に加入する際は、今後の収入に少しでも不安があるような人にはオススメできないかな…と思いました。
改めて計算してみて少し白目になりかけたのは事実ですが、そもそも私がこの保険に加入したのは「万が一に備える」というよりは「60歳になるまでにちょっと無理してでもある程度のお金を貯める」というのが目的だったのでこれでいいのです。
あくまでも死亡保障はおまけで「コツコツちゃんと貯金をする」という私のような人にはアリの商品ではないかなと思っています。
ちなみに、掛け捨ての定期保険を引き合いに出してみると死亡保障を同じ1,000万円として月々の保険料は3,000円程度。
毎月の負担はぐ~んと低いのは確かですが、25年間支払い続けて保険料の総合計90万円が水の泡になるというのは「そもそも家族のための保障を…」という考えが皆無(笑)の私にとっては無駄な出費と考えます。
ただし、それは60歳になったときも私が元気でいることが大前提なんですけれどね。
というわけで、考えられるデメリットとして一度加入をしてしまうと上記の元本割れのことを考えたときに解約がしづらく、保険の見直しがしにくいというのは事実です。
あと、可能性がゼロではないのが加入している保険会社が倒産するということも…。
生命保険契約者保護機構によって保障されるのですが、全額保障されるわけではないとのことですので、もしかしたら…ということもあることをお忘れなきよう…。
(これはこの終身保険に関わらず、積立型の商品にはすべて共通するリスクとは言えると思いますが…)
あともう1点付け加えるとすると、保険での積み立ては「インフレに弱い」と言われることもあります。
保険を掛け始めたときの利率が固定となることがその理由ですが、ちゃんと景気が上がって金利が上がればそれが反映される『利率変動型』のものもあり、金利の最低保障もあるため、そういった条件のものを選ぶとよいと思います。
リターンボーナスつき終身医療保険とは?
死亡保障だけの終身保険ではなく、終身医療保険で貯蓄に近い機能をもった保険もあります。
これなら私みたいに死亡保障金については執着がないけれど、自分が入院したり病気になったりしたときには何かしらの保障が必要だと思うような人にはうってつけ。
かつ、少々高い保険料を支払っても生存していれば使わなかった保険料がリターンボーナス(生存還付給付金)として帰ってくるということで貯蓄の意味もあるのがポイントです。
例えば、メットライフ生命の「リターンボーナスつき終身医療保険」という商品。
実は私、この保険にも10年ほど前に保険会社のエージェントに勧められて入ってました。
今回ちゃんと自分で保険証券を見直しつつ違いなどを比較することで分かったのですが、この生存還付給付金付医療保険もてっきり貯蓄型の終身保険だと勘違いしていたんです(恥)。
というのも、私の中では考え方が一緒で「どうせ保険をかけるなら、最終的には自分が支払った保険料がそのまま貯蓄したことになるのがいい!」ということで商品を選んでたからですね。
つまり、「保障内容はあまり気にせず100%以上お金が貯められるかどうか」ということしか見ていなかったわけです…。
契約年齢:29歳(2007年11月契約)
保険料払込期間:60歳まで(2038年10月まで)
死亡保険金:70万円/病気による日額入院給付金:7,000円/災害による日額入院給付金:1万4,000円/手術給付金:7万円/健康祝金:7万円を5年ごとに
月額保険料:1万451円 → 年間で支払う保険料合計:12万5,412円
ちなみに、こちらの保険の解約返戻金はあってないようなもので、保険料払込期間が終了する直前となる30年目でも67万7,000円程度となります…。
支払った保険料376万2,360円に対し、解約返戻金は67万円ということは、祝い金の7万円を6回もらって42万円を差し引いても270万円弱のお金が戻ってこないことになりますから途中解約する場合はほぼ掛け捨てだったと言ってもいいですよね。
掛け捨てにしてしまうにはもったいない額を支払っていますから、これも先に説明した終身保険以上に最後まで支払い続けなければ…!という一心になるのであります。
頑張って最後まで保険料を払い込んだ場合は、払い込んだ保険料から、健康祝金と入院や手術給付金を差し引いた額がリターンボーナスとして支払われることになるのもしも入院したり手術をしたりしていても、そこで給付された額を差し引いた金額はちゃんと戻ってくるので安心!
しかも、保険料の払込期間が終了しても保障自体は生涯続くのも嬉しいところです。
まだまだ保険料の払込完了までは長い道のりではありますが、年を取ってから医療保険に入ろうとすると入れないことがあったり保険料も高くなってしまったりすることもあると思うと、まあ早いうちから入っておいてよかったかなと思っています。
学資保険に低解約返戻金型終身保険も使える
我が家には2歳の娘がいるのですが、娘が生まれる前に最低限の学費を別枠で貯めようと学資保険の相談を友人のファイナンシャルプランナーにしたところ彼が提案してきたのはなんと私自身も契約している低解約返戻金型終身保険だったんです。
「え? 学資保険じゃないの!?」と一瞬疑ったのですが、結局考え方としては「期限を決めてそこまでにお金をコツコツ貯める」ということが大事で「いつまでにいくら貯めるか」ということを設定した上で利率も高いこの商品を勧めてくれたというわけでした。
我が家の場合、17年目で返戻率が106%になる設定で国公立大学に入学したとして必要になる学費とプラスアルファ分が貯まるぐらいの計算で支払っています(すまぬ、娘よ…私立には行かせられぬ…)。
プラスアルファと言ってもほんのちょっとの額なので、もし娘が遠方の大学に行って下宿するなんてことになったらタイヘンですし私立でしかも理系を選んでその願いを叶えてやるなんてことになったらそのとき老後破産まっしぐらになるはずです…(涙)。
ある程度のお膳立てをすることは親の義務として努力するけれども、その頃には全額給付型の奨学金が主流になっていて、娘が自力でも資金GETできることを祈る…(全然話が貯蓄のことじゃなくなってすいません)。
とにかく子どもの学資保険の選択肢としてはこういう低解約返戻金型終身保険という選択もあるということで、返戻率が高いものを選ぶと学資保険よりも条件がいいものになるかもしれないということをお伝えしておきます。
大学へ進学するための「奨学金」は子供が初めておこなう借金行為だと理解していますか?
奨学金の仕組みを知らないで利用すると、将来たいへんなことになるかも…。
ほかにも『個人年金保険』や『外貨建保険』、『変額保険』なども
基本的に老後の貯蓄をするための商品としては『個人年金保険』もあります。
これも途中で解約すると損をするところは低解約返戻金型終身保険と同じですが、メリットとしてもう1つ挙げられるのは、税金メリット。
『一般生命保険料控除』や『介護医療保険料控除』と『個人年金保険料控除』の3つが、現在の生命保険保険料控除の対象となっていて保険料に応じて一定金額がその年の所得から差し引かれることで、所得税や住民税の負担が減るのですが一般生命保険にくわえて個人年金保険も掛けていればその分控除額も増えるということになるわけですね。
保険機能はほとんどないのですが、リスクが少ない分コツコツ貯めるにはよい商品と言えます。
ほかにも保険料の支払いや保険金の受取をドルやユーロといった外貨で行う『外貨建保険』は、利率が高いのでうまくいけば増えるわけですが、当然為替の変動によっては元本割れすることも考えられます。
金利は高くその分保険料も安いですし契約時よりも保険金を受け取るときに円安に動いていれば当然得をしますが、円高になったときは損になりますし、両替するときに手数料がかかるというようなデメリットもあります。
なので、貯蓄目的で考える場合はリスクのことを考えると余裕のある場合に運用するという風に考えるのがよいのではないでしょうか。
また、運用によって受取額が変わる『変額保険』は投資信託に似ている商品ですが、『外貨建保険』と同じようにリスクがあります。
こちらも保険料は一般的な保険よりも割安に設定されていることと、死亡保険金は最低保証されるということに加え、運用が好調であれば保険金は増えるということもメリットですが、当然ながら、運用が不調のときには減らされてしまうというリスクも。
投資信託に比べると手数料も高いという点もあるので、「死亡保障が必要なんだけれど、それにプラスアルファして、運用で増えたらラッキーかも…」という人にはいいかもしれませんが、単純にお金の運用を考えるなら、保険機能を考えずに投資信託という選択肢も見えてくるでしょうね。
自分には何が合っているのか、いろいろと比較してみよう!
私の場合、かつてファイナンシャルプランナーに勧められるがままに契約していた商品が「見直してみても自分の考えや目標に合っているな」と改めて思えたのでよかったのですが、とにかく保険にもいろんな商品があって、それぞれにメリット・デメリットがあります。
保険のエージェントやファイナンシャルプランナーの言うとおりに契約するのではなく、ある程度は自分で商品の特徴を調べたり、ほかの商品にはどういうものがあるのか探してみたりするなど、少し時間と手間をかけてリサーチすることも大切だと思います。
また、商品を比較するときには、保障内容や特約の付加などに注意して、同じ条件で比較するということも基本中の基本です。
20年、30年後を見通せ、と言われてもなかなか難しいのは誰でも同じことではありますが、無理のない範囲でどこまでできるか、を考えて、身の丈に合った積み立てや貯蓄を選ぶよう心がけましょう。
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老後に備えてお金の知識を身につけよう!
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