ふるさと納税特集
by 節約大全

本当にお得なの?ふるさと納税で受けられる控除額の確認方法や減税効果とは


CMでも見かけるようになった「ふるさと納税制度」。
所得税や住民税を節約し地域の特産品がもらえることから人気の制度対策となり、現在では専用のポータルサイトまで登場しています。

しかし実際にふるさと納税制度を利用した人の中には、若干の不安を感じることがあるようです。

「本当に税金が控除されるのかなぁ?」
「どうやって確認すればいいのだろう?」
「控除されていない場合にはどうすればいいのだろう?」

ネットで簡単にふるさと納税を利用できることから、反対にこのような心配をされている人も少なくないようです。

確かにふるさと納税は魅力的な制度ですが、「やりっぱなし」ではお得にならない可能性だって否定できませんよね。

そこで今回はふるさと納税によって受けられる控除の確認方法と、問題が発生した場合の対応について考えてみたいと思います。

ふるさと納税の効果

ふるさと納税の効果と言えば「所得税」「住民税」の税額控除を受けながら、地域の特産品がもらえることですよね。

簡単に説明するとふるさと納税制度を利用して任意の自治体へ寄附をすると、自己負担分から2,000円を除いた寄附金控除額が税額控除され、さらに地域の特産品が自宅へ送られてきます。

例えばふるさと納税で30,000円の寄附をしたケースでは、2,000円を差し引いた28,000円が税額控除され、さらに寄附金額の30%程度(9,000円相当)の特産品をお礼として送られてきました。

以前は高額な特産品を提供することもあり、中には寄附金の50%程度の品物をもらえることもありましたが、2019年6月より適用された規制により30%を超える返礼品はすべて禁止となったのです。
さらに返礼品は地場産品に限るという内容になったためお得感が薄れてしまった制度という印象もついてしまっています。

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控除額でトラブル発生

このようにふるさと納税は任意の自治体へ寄附することで税額控除と特産品がもらえる制度ですが、さまざまなトラブルが発生することがあります。

トラブルの中でも最も注意しなくてはならないのが、「税額控除ミス」。
これは寄附をしたにもかかわらず税額控除されていない状況で、ふるさと納税の意味がなくなっている状態です。

例えば30,000円の寄附をした場合では、所得税、住民税が28,000円分少なくなるはずですが、なんらかの理由で控除額が0円で控除が行われていません。

「それじゃふるさと納税の意味がないじゃないか!」

その通りです。

この自治体のお礼の特産品が30%だとしたら、9,000円分の特産品を30,000円で購入するのと同じことになるので21,000円の損をした結果になってしまいますね。

現実に岐阜県岐阜市や東京都渋谷区では、自治体のミスで控除をしていない事案が発生しています。

このようなトラブルを招かないようにするためにも、寄附のやりっぱなしではなく自分で確認することが大切です。

自分の控除方法を理解する

ふるさと納税制度では税金の控除を受けるために2つの方法があります。
まず自分がどの方法を使用しているかを理解することが大切です。

■ 確定申告により控除を受ける
■ ワンストップ特例を利用する

特にサラリーマンは普段から税金が天引きなので、確定申告などの納税実務を知らないことが多いようです。
ふるさと納税を始める人は日本の納税制度をあらかじめ確認することも大切だと思います。

日本では自営業やフリーランスの人は、毎年3月になると確定申告により納税しなくてはなりません。
確定申告とは前年1年間の所得を確定する作業で、経費を差し引いた所得に対して累進課税により税額を計算した後に納税します。

確定申告は年間所得が2,000万円未満のサラリーマン(源泉徴収あり)は必要ありませんが、医療控除や住宅ローン控除を受ける場合にはサラリーマンであっても必要な手続き。

【確定申告によりふるさと納税控除を受ける場合】

■ 任意の自治体へ寄附する
■ 寄附先より「寄附金受領証明書」が郵送される
■ 翌年3月の確定申告で「寄附金控除」を申告
■ 寄附金控除額が引かれた後に所得税が計算される(所得控除)
■ 住民税額から所得控除額を除く寄附金控除額が引かれる

確定申告を利用した場合には、このように所得税と住民税の減税効果があります。

【ワンストップ特例を利用した場合】

■ 任意の自治体へ寄附する
■ 寄附時にワンストップ特例を申し込む
■ 寄附先へワンストップ特例の申請書を郵送
■ 住民税が減税される

ワンストップ特例は年間5つの自治体まで利用できる特例制度で、確定申告をしなくても税額控除が利用できます。
適用されるのは住民税のみで所得税の控除はできませんが、控除される金額は確定申告の場合と変わりません。

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このようにふるさと納税で税額控除を受けるには、確定申告とワンストップ特例を利用するかを選択する必要があります。
ふるさと納税でトラブルを起こさないためには、自分が選択する方法を正確に理解することが大切です。

所得税控除の確認方法

ふるさと納税には所得税と住民税の減税効果がありますが、まずは所得税の確認方法を紹介します。
先ほども紹介した通り所得税の減税はあくまで確定申告を利用した場合のみであり、所得が2,000万円未満のサラリーマンでワンストップ特定制度を利用した人は関係ありません。

つまり確定申告をしていない人は所得税の減税はないのですから、「所得税の還付がない!」とあわてている人はワンストップ特例を利用していないかを最初に確認してみましょう。

確定申告した人の中で前年に源泉徴収で所得税を支払っているサラリーマンや「所得税の予定納税」を利用している自営業者は、国に対して所得税を前払いしている状態です。
このような人は確定申告の終了から1ヵ月~1ヵ月半程度で、申告書に指定した銀行口座に還付金が振り込まれます。

この場合は自分が行った「ふるさと納税の金額」と「還付金の額」が一致しているかを確認することで、正しい控除を判断できます。

【ふるさと納税における所得税の還付金目安】

■ 195万円以下:5%
■ 195万円~330円以下:10%
■ 330万円~695万円:20%
■ 695万円~900万円以下:23%
■ 以降省略(最高45%まで)

最初に自分の所得に対する所得税率を把握する必要があります。
日本の所得税の税率は5%~45%で、所得が増えることにより税率が高くなる「累進課税」を採用しています。

例えば所得が300万円の人であれば所得税の税率は10%。
ふるさと納税として10,000円を寄附した場合、以下の計算により所得税の還付額が算出されます。(簡易計算)

■ 800円(還付金)= 10,000円(寄附金)- 2,000円(自己負担額)× 10%(税率)

同じく所得が500万円の人が50,000円のふるさと納税をした場合を見てみましょう。

■ 9,600円(還付金)= 50,000円(寄附金)- 2,000円(自己負担額)× 20%(税率)

年間所得が500万円の場合の所得税率は20%です。
そうなると寄附金から自己負担額を引いた額の20%が還付されるので、還付金は9,600円ですね。

ふるさと納税における所得税の減税を確認するには、このように自分で計算することで還付金の額を算出し、実際に自分の口座に還付された金額と比べると簡単にできます。

住民税控除の計算

住民税の控除には「確定申告による住民税の控除」「ワンストップ特例の利用による住民税の控除」の2種類があります。

確定申告で控除する場合には、所得税の控除と住民税の控除が発生します。
所得税の控除の計算方法は先に説明しましたので、住民税の控除額の計算方法を紹介します。

【確定申告による住民税の控除】

住民税控除額(基本分)=( 寄附金 - 2,000円 )× 10%

住民税控除額(特例分)=( 寄附金 - 2,000円)×( 90% - 所得税率 )
住民税控除額の合計 = 住民税控除額(基本分)+ 住民税控除額(特例分)

例えば所得が300万円の人がふるさと納税として10,000円を寄附した場合、以下の計算により住民税の控除(基本分)が算出されます。

■ 800円 = ( 10,000円 - 2,000円 ) × 10%

この計算では800円が住民税の控除(基本分)と算出されました。

次に住民税(特例分)の控除額を算出します。
所得が300万円の人の所得税率は10%なので、以下の計算で特例分を計算します。

■ 6,400円 = (10,000円 - 2,000円) × (90%-10%)

この計算で住民税(特例分)は6,400円と算出されました。
最後に住民税の控除(基本分)と住民税の控除(特例分)を合算して、住民税の控除額を確定させます。

■ 7,200円 = 800円 + 6,400円

この例では合計7,200円が住民税の控除として算出されました。

【ワンストップ特例の利用による住民税控除】

ワンストップ特例を利用した場合には、所得税の控除が受けられないことから寄附金から自己負担金を除いた金額が控除額です。

■ 住民税控除額= 寄附金 - 2,000円

同じく所得が300万円の人が10,000円のふるさと納税した場合の計算は以下の通りです。

■ 8,000円 = 10,000円 - 2,000円

ワンストップ特例を利用した場合では、寄附金額から自己負担金を引いた金額が住民税から税額控除されます。
この例では8,000円が住民税から控除されることがわかります。

計算は簡単なので理屈だけは覚えておきましょう。

住民税控除は住民税決定通知で

住民税の控除額を算出したら実際に正しい控除が行われているかを確認しなくてはなりません。
住民税は毎年6月スタートで前年の所得に対して課税されます。

そこで各自治体では「住民税決定通知書」を6月の納付日(第1回)の前までに、会社(サラリーマン)や自宅(自営業、フリーランス)に送付します。
通常源泉徴収をしている企業に対しては5月中、自営業やフリーランスに対しては6月上旬に送られてくると思ってください。

自営業やフリーランスは自宅へ郵送されるので特に問題ありません。
サラリーマンの場合は会社が受け取るので、実際に配布されるのは郵送された次の給与支給日であることが多いようです。
もし6月以降最初の給与支給日に住民税決定通知書が配られない時には、会社の経理担当者に尋ねるようにしましょう。

ふるさと納税の住民税控除を確認するには住民税決定通知書が必要ですから、必ず受け取るようにしてくださいね。

住民税控除の確認方法

住民税決定通知書を手に入れたら確認する場所は「寄附金税額控除(寄附金控除額)」か「税額控除額」と記載された項目です。
住民税決定通知書は大きく左面と右面がありますが、基本的に控除額の記載は決定通知書の右面に記載されています。(自治体により違いがあるので分かりにくい場合には担当課に確認してください)

寄附金税額控除の項目がある場合は、前年中にふるさと納税以外の寄附行為をしていなければ【 寄附金税額控除 = 住民税控除額 】です。
ふるさと納税の控除額と違いがないかを確認してください。

次に寄附金税額控除ではなく税額控除の項目しかない場合は少し注意が必要です。
寄附金税額控除の場合は寄附行為を利用した場合の項目なので、基本的にはふるさと納税用の項目と考えても過言ではありません。

しかし税額控除は「住宅ローン控除」などの合計が記載されるので、そのままの金額では比較できません。
特に近年では銀行の低金利から住宅ローンを利用する人が多く、住宅ローン減税の適用者も増加しています。

■ 税額控除 = 住民税税額控除 + 住宅ローン減税控除額 + その他控除額

つまり他の控除を利用している場合は、税額控除欄に記載された数字をそのまま比較しても合致しません。
自分に適用されている他の控除額を差し引いて比較するようにしてください。

もし控除の内訳や住民税決定通知書の見方に不明点がある場合は、各自治体の担当課に確認することをオススメします。

控除されていない場合の対策

ふるさと納税における所得税額控除と住民税額控除の確認をした結果、「どうも控除が正しく行われていないようだ」と感じた時はどうしたらよいのでしょうか?

控除されていない場合、やみくもに税務署や地自体にクレームを出す人がいますが、原則的にふるさと納税で行った手続きには控えがあるはずです。
まずは他人を疑う前に自分の手続きを再確認し、間違いがないかを確認しましょう。

確定申告の再確認

確定申告を利用した場合は控えがあるので、確定申告書の寄付金控除が正しく記載されているかを確認します。
またふるさと納税をした自治体から送られた「寄付金受領証明書」をすべて添付したかも重要なポイントです。

もし申告書に記載した場合でも寄付金受領証明書の添付ミスがある場合、添付していない寄付金は控除の対象なりません。

「家に寄付金受領証明書を置いたままだった」
「寄付金受領証明書は添付したけど、申告書に書いてなかった」

などのケースでは5年間の間に限り「還付申告」が認められています。
つまり気が付いた時点で5年以内であれば、もう一度やり直しができます。
寄付金受領証明書を紛失した場合は、寄付先の自治体で再発行も受け付けてくれるのでまずは相談しましょう。

確定申告書は一定期間の保管義務がある書類。
申告が終わったからと言って廃棄するのではなく、正しく保管するようにしましょう。

ワンストップ特定が適用されない

ワンストップ特例は年収2,000万円未満の給与所得者(サラリーマンなど)が利用できる制度で、確定申告をすることなく減税効果を得られます。

とても簡単で手軽に効果を得られる方法ですが、手続きがまったくない訳ではないことを覚えておきましょう。

【申請書を出さないことで控除されない】
ワンストップ特例が適用されるためには、寄付先の自治体から送られてくる「ワンストップ特例の申請書」を、期限までに寄付先の自治体へ送付する必要があります。
送られてきた申請書に必要事項を記入し「マイナンバー」、「本人確認書類」などの添付書類と一緒に返送する形です。

ワンストップ特例の申請書は寄付する際に申請して送られてくる書類であり、それを忘れると送付されません。
インターネットのふるさと納税サイトでは、寄付する際に申請書の必要有無をチェックする箇所がありますので忘れないようにしましょう。

【すべての自治体に申請書を提出する】
ワンストップ特例を利用するには寄付をした自治体すべてに、ワンストップ特例の申請書を提出しなくてはなりません。
つまり3か所なら3自治体、5か所なら5自治体に提出が必要です。
申請書の提出を忘れた自治体がないかを確認するようにしましょう。

【ワンストップ特例では所得税の還付はない】
ワンストップ特例は確定申告がいらないふるさと納税制度であり、所得税の控除はありません。
あくまで所得税の控除には確定申告が必要なので、勘違いしないように注意しましょう。

【ワンストップ特例の利用限度を超えている】
ワンストップ特例を利用できるのは5つの自治体までと定められています。
例えば10,000円の寄付を5か所に行うことは問題ありませんが、6か所になるとワンストップ減税が適用されず確定申告が必要です。
たとえ6か所の自治体すべてにワンストップ特例の申請書を送付していても無効なので、特産品欲しさに上限を超える寄付には注意してください。

控除が合わない場合には自分が寄付をした自治体の数を、もう一度確認するようにしましょう。

【ふるさと納税の限度額がオーバーした】
ふるさと納税の上限は「収入」「家族構成」により決められており、年収が300万円の独身者では28,000円がふるさと納税の限度額です。
また年収が450万円の夫婦と子供がいる世帯では、32,000円が限度額に設定されています。

自分が実際に行ったふるさと納税の寄付金総額が限度額をオーバーした場合、超過分は控除されないので注意が必要です。

【年収が上がった場合と下がった場合】
ふるさと納税の計算は寄付した年の所得で計算されるので、限度額は年々変化する可能性があります。
例えば独身者で昨年の年収が400万円あった人が、限度額を43,000円と判断して寄付しましたが、会社が倒産して年収が300万円になってしまった場合を考えてみましょう。
このケースではふるさと減税の上限が43,000円ではなく28,000円になってしまうので、実際の控除は26,000円(28,000円-2,000円)です。
年収が400万円あれば41,000円(43,000円-2,000円)の控除が受けられますが、収入が削減してしまうと上限も少なくなります。
これはワンストップ特定だけでなく確定申告でも同じなので、ふるさと納税をする年の収入の変化を予想して限度額を確認することも大切です。

控除上限額シミュレーターはこちら

実はよくあるクレカ問題

最近はふるさと納税が簡単にできるようになりました。
その理由として考えられるのが「ふるさと納税専用サイト」の利用です。

ふるさと納税専用サイトの中では「さとふる」や「ふるさとチョイス」、「ふるなび」、「楽天ふるさと納税」が有名で、インターネットから簡単にふるさと納税ができます。
これらのサイトの特筆すべき点は、クレジットカードで寄付金を支払える点です。

カードを使って便利に寄附ができますが、この支払い方法で大きなトラブルが発生していることを知っていますか?

ここで注意したいのがクレカの名義人の問題。
ふるさと納税で税額控除を受けるためには、控除を受けたい人名義のクレカを使用しなくてはなりません。
例えば夫婦世帯で奥さんが自分のクレカを利用して、ふるさと納税をしても夫の税金の控除は行われません。

つまり原則としてクレカを使用する場合は、控除を受ける人の名義でなくてはならないのです。

また「さとふる」や「ふるさとチョイス」でも、手続き完了後のキャンセルや支払いの訂正は受けてつけていないことがサイトに明記されています。
ふるさと納税専用サイトでは一度決済した寄付を修正したり、キャンセルしたりする行為は一切受け付けていません。

ただし間違いに気が付いた時点で寄付先の自治体へ連絡することで対応してもらえるケースが多いことから、間違いに気が付いたらサイトの運営者ではなく寄付先の自治体へ連絡するようにしましょう。

申請書の提出を忘れた場合

ワンストップ特例制度を利用するためには、翌年の1月10日までにワンストップ特例の申請書を提出しなくてはなりません。
前述しましたが申請書の提出をしなかった場合は、ワンストップ特例を利用できません。

自治体の中には数日程度であれば対応してくれるところもあるかもしれませんが、原則的にはアウトだと理解しましょう。(とりあえず確認することが大切)
申請書を提出していない場合は、確定申告をしない限りは控除を受けられません。

税額が確定した時点で申請の出し忘れに気が付く人も少なくありません。

忘れないためにはふるさと納税を利用したら、すぐに申請するように心がけましょう。

住宅ローン控除との関係を知る

先ほども少し触れましたが税額控除はふるさと納税以外にも「住宅ローン控除」や「医療費控除」などがあります。
中でも住宅ローン控除はふるさと納税との折り合いもあり、場合によっては控除額が少なくなる弊害も発生します。

住宅ローン控除とふるさと納税の関係を理解して、控除額のトラブルが起きないように注意しましょう。

【住宅ローン控除とは?】
住宅ローン控除は「特定増改築等住宅借入金等特別控除」のことで、マイホームの新築や購入、増改築で住宅ローンを利用した際に所得税の税額控除が受けられる制度のこと。
原則的には年末の住宅ローン残高の1%が所得税から税額控除され、減税期間は10年間と定められています。
また最高4,000万円(認定住宅は5,000万円)までの住宅ローンが控除の対象です。

例えば年末に住宅ローンの残高が3,500万円ある場合には、35万円(3500万円×1.0%)が所得税額から控除されます。
住宅ローン減税を利用するには確定申告が必要ですが、サラリーマンの場合は適用を受ける初年のみ確定申告が必要で以降は年末調整で対応できます。(自営業、フリーランスは毎年の確定申告で行う)

住宅ローン控除は所得税額を控除しますが、その年の所得税が住宅ローン控除よりも少ない場合には、特例として残りの控除額を住民税に充てることもできます。

そしてふるさと納税と住宅ローン控除を併用した場合に注意しなくてはならないのが、この住民税で住宅ローン控除が行われたケースです。

住宅ローン控除における注意点

住宅ローン控除が所得税額を超過し住民税から控除する場合には、住民税控除の上限に注意しなくてはなりません。
ここで住宅ローン控除とふるさと納税を併用している人の確定申告を利用した控除の流れを説明します。

■ 各種控除を引いた所得からふるさと納税の【寄付額-2,000円】を控除する
■ ふるさと納税控除後の所得が決定する
■ 所得が確定すると所得税率により所得税を計算する
■ 住宅ローン控除額を計算する
■ 所得税から住宅ローン控除額を控除する
■ 所得税で控除しきれない住宅ローン控除額を住民税から控除する
■ 残りの住民税からふるさと納税控除の住民税分を控除する

ふるさと納税を利用した所得税の計算では所得控除が利用されるので、まず所得から寄付金(-2000円)が控除されます。
そしてその金額で所得税が計算されるので、所得税が低くなりますよね。

住民税の控除を適用するにはいくつかの条件があり、特にふるさと納税と併用した場合には控除が適用されないこともあります。

ワンストップ特例と住宅ローン

次に住宅ローン控除とふるさと納税のワンストップ特例を利用する場合について説明します。
ワンスストップ特例を利用した場合には、確定申告が必要ない代わりに所得税の控除は行われません。

つまり所得税額から直接住宅ローン控除額が差し引かれて、残りがすべて住民税の控除に充てられます。
ただし136,500円の上限は変わらないので、それを超えた部分はやはり無効です。

それではふるさと納税の意味がなくなるかと言えばそうではなく、ワンストップ特例の場合では所得控除がないのでそのまま寄付金額(-2,000円)を住民税から控除できます。

確定申告では所得税の減税と住民税の減税に分けられるので、住宅ローン控除の額によっては(所得税額 < 住宅ローン控除額)所得税の減税効果が出ない場合があります。
しかしワンストップ特例は所得税に関係ないことから、寄付金額(-2,000円)をそのまま住民税から差し引く計算で問題ありません。

住宅ローン控除を利用しているサラリーマンは、ワンストップ特例を利用した方がおトクなことがわかりますね。

ただし住宅ローン控除を利用する場合には、初年だけ確定申告をしなくてはなりません。
その場合は住宅ローン控除を計算して、ふるさと納税を無駄にしないように注意してください。

やりっぱなしは危険なふるさと納税

減税効果と特産品がもらえることから大人気のふるさと納税ですが、制度を理解しないと自治体のミスで損をしてしまうこともあります。

今回紹介した確認方法を参考にふるさと納税の控除が適正に行われているのかを判断して、間違っている場合は即時に対応してください。

おトクだと思って利用しても、実際には損していた…このようなことがないようにしたいですね。
実質2,000円でできなければ高い特産品になってしまいますので、しっかり気を付けましょう!

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この記事を書いた人
moose

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会社経営を経て夢のセミリタイヤを45歳で実現し、のんびりするはずが性格なのかファイナンシャルプランナーとして独立するはめに(泣)…成人した子供よりもポメ2匹を溺愛しています。のんびり書きたいライターです。
さがす