毎日の食費をいかに抑えるか?
ということは節約を考える上で大きなポイントになります。
少しでも安い食材を買うために遠くのスーパーまで特売品を買いに行く、なんて人がよくテレビなどで紹介されていますし、節約生活を送っていく上でスーパーとの付き合い方というのはとても大きなウェイトを占めます。
ですが、スーパーでの買い物基準をとにかく安さだけで決めてしまうのは非常に危険なのです。
タイムセールで安い商品や夕方以降に半額になる惣菜など、スーパーで安く売られている食品を買って賢く食費を節約することは誰もが普通にやっていることですが、もしかしたらその刺身やお惣菜は昨日の売れ残りを使い回しているものかもしれません。
え?使い回し?そんなことしてるわけないじゃん!って思いますよね?
私もそう思っていました、一冊の本を読むまでは。
スーパーの裏側―安全でおいしい食品を選ぶために
この本では食の現場に25年も携わっている著者が、スーパーに並ぶ食品がどのような過程を経て販売されているか、その裏側が事細かに記されています。
私も知らないことばかりで驚きましたが、ここでは節約を重視するあまり「安物買いの銭失い」になってしまわないよう、この本に書かれているスーパーの裏側について少しだけ紹介します。
買っても良い安売り品と手を出してはいけない安売り品を見極める目を養いましょう。
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賞味期限の裏側
スーパーに並んでいる商品で特に注意して見るポイントといえば賞味期限ですよね。
いくら特売で安売りされているとはいえ、賞味期限が今日までの商品はなかなか手を出しづらかったりしますから。
ところが、この賞味期限にはカラクリがあることを知っておかなければなりません。
例えばとあるスーパーにカットされたショートケーキが特売、半額で並んでいるとします。
そのケーキには「製造日」と「賞味(消費)期限」が表示されたラベルが貼ってありますよね。
ケーキが半額で並んでいるのを見つけたあなたは早速ラベルをチェックします。
すると製造日は昨日の日付、消費期限は3日後になっています。
なるほど、製造が昨日だから特売になっているのかと安心してあなたはそのケーキを買ってしまうかもしれませんね。
しかし!実はこの「製造日」という表記がクセモノなのです。
食品衛生法では製造日とは最終加工のことであると定義されています。
加工とは製造とは直接関わらないものも含みます。
例えばパック詰めする工程であっても加工とみなされます。
冷凍された商品を仕入れて解凍することも加工なのです。
さあ、もう何が言いたいかおわかりですよね?
3ヶ月前に製造されて冷凍されたケーキを今日解凍してお店に並べれば、そのケーキの製造日は今日の日付になるのです。
実際にクリスマスケーキなどは数カ月前から製造して冷凍保存したものを解凍して販売するのが一般的だそうです。
クリスマス1日に全国で売れるケーキの量を、当日作った分だけで捌ききれるわけがないのはちょっと考えてみれば至極当然のことで納得なのですが、この話を知ったときはショックでした…。
毎年楽しみに食べていたクリスマスケーキが数カ月前に作られた冷凍品だったなんて…。
ただ、冷凍品を解凍して云々の話程度であればどこでも普通に行われていることです。
魚の切り身や肉などの生鮮食品であれば、解凍してパック詰めがされた日時が製造日として記載されていることはなんとなくわかるでしょう。
さすがにモロッコ産のタコの加工日の日付が今日だったとしても、これが今日捕れたタコだとは誰も思わないはずです。
しかし、この生鮮食品やお惣菜の製造日にもカラクリがあることを知り、私はさらなるショックを受けてしまうのです。
お惣菜・生鮮食品のの裏側
スーパーのお惣菜は忙しい主婦やサラリーマンにも人気の商品です。
お皿に並べるだけでおかずが一品増えますし、独身サラリーマンはご飯だけ炊いておかずはスーパーの惣菜とサラダだけ、なんて方も多いようです。
しかし、このお惣菜も製造日の表記には注意が必要なのです。
スーパーに並んでいるサラダや惣菜は、大半が工場で作られたものをお店でパックして販売しています。
昨日工場で作られた惣菜でも、今日お店でパックするという「加工」をすれば今日の日付で販売することができるからです。
揚げ物以外の惣菜の場合、調理はほぼ工場で終わっていて、パックに盛りつけるだけだったり温めるだけということがほとんどだと思って間違いありません。
コロッケ、唐揚げ、とんかつなどの揚げ物の場合も揚げる前の工程まで全て工場で行い、衣までついた状態でお店に届くので、店では前日作られたコロッケやとんかつをただ揚げて販売します。
先ほどと同様に、昨日作られたコロッケを揚げたてとして販売しているのです。
揚げたては揚げたてなのですが、なんかちょっと騙されているような気がしなくもないですよね…。
次にサラダです。
サラダも工場で袋詰めされたカット野菜を容器に移すだけで加工終了です。
ここで問題なのは、サラダの場合工場での加工からパックまでの日にちが空いてしまうために強めの殺菌剤にさらしてあるため、旨味も抜けてしまっていますし、なにより洗ってあるとはいえ薬剤の影響が心配です。
スーパーで売られているサラダには、水道水のカルキどころではない強さの塩素が含まれていると考えて間違いなさそうです。
工場での加工から販売までの期間が長いため、コンビニのサラダよりも強い薬剤を使っているそうです。
独身サラリーマンが野菜不足になるからとわざわざ買って食べるサラダをで余計に健康被害が懸念されるなんて、笑い話にもなりませんがこれがスーパーのサラダの実態なのです。
そして、最も恐ろしい使い回しの話をしておきましょう。
すでに述べてきたように、現行の法律では最終加工を施した日を製造日と記載できることになっているため、スーパーでは食材の使い回しが日常茶飯事なのだそうです。
前日まで鮮魚として売られていた魚を煮付けにして惣菜コーナーで販売したり、売れ残ったコロッケやとんかつを丼に再加工して「できたての弁当」にしたり、まぐろやイカ、サーモンのサクを刺身の盛り合わせに再加工する程度のことはもはや当たり前。
売れ残った高級肉はドリップ(時間が経つと肉から染み出してくる赤い汁・これが旨味)を取り除いて再パック販売、古くなった果物は悪い部分だけを切り捨ててカットフルーツに再加工、いちごやプチトマトなどは悪くなった粒だけ捨て、残ったものを集めて再パックする、結果製造日が新しくなった古い生鮮食品が売り場に並べられているようなことが実際に行われているのだとか。
さらにタチが悪いことに、再加工される商品は単価の高いものが多いということ。
高級牛肉やうなぎの蒲焼きをそのまま廃棄してしまうのはスーパー側も勇気のいることみたいで、高いものほど使い回されるという負の連鎖も起きています。
使い回し後も値段が高く販売されるため、お客さんも安心して買ってしまうのです。
そりゃそうです。
製造日が今日の高級和牛がちょっと高めの値段で売られていれば、当然それはパックしたてだと思いますよね。
そんな顧客心理を逆手に取った信じられない手口で使い回しを行うスーパーも数多いのだそうです。
良いスーパーを見極めるコツ
これだけの悪どい手口で賞味期限のごまかしや使い回しが行われているとなると、スーパーの安売り品なんて怖くて買えないですよね。
安売りというかスーパーそのものが怖くなってしまいますが、ここまで紹介してきたスーパーはあくまでも全体で見れば少数派。
そんな悪どい手口を使っている儲け主義のスーパーもあるので注意しましょうねというお話です。
でも、私がいつも使っているスーパーは大丈夫かしら?と不安になってしまったあなたのために、『スーパーの裏側』には良いスーパーを見極めるためのポイントも記載されていましたので、いくつかかいつまんで紹介しますね。
お米の精米日とビールの賞味期限をチェックする
刺身や惣菜を再加工して使い回すようなスーパーでは総じて賞味期限のチェックがずさんなことが多いようです。
そのため、賞味期限が長く設定されているビールの期限切れがあったり、精米後2週間以上経つと味が落ちていってしまう米を精米から数ヶ月経っているようなものが平気で売られていたりするそうです。
魚売り場をチェックする
一尾丸ごとで魚が置いてあり、職人が直接2枚や3枚におろしてくれるお店がベストです。
店頭に並んでいる魚がよく冷えているかも大切。
サンマやアジなどが氷水に漬けられている場合、しっかりと全身が漬かっているかを見るのもポイントで、半分以上身が漬かっていないと鮮度が落ちてしまうそうです。
・そして産地の記載はしっかりとあるか?
・刺身の場合「加工時間」の記載があるか?
・夕方から閉店までの時間にはちゃんと値引き販売されているか?
というのも大きなチェックポイントで、閉店間際でも刺身の値引きをしない場合、翌日に使い回しをするつもりかもしれません。
肉売り場をチェックする
鶏肉は食肉加工がされた日付が明示されていること、豚肉や牛肉はお店でスライスが行われているかどうか?がポイントです。
スライスされたものを入荷して売っているスーパーの肉はどうしても鮮度が落ちているということになります。
見極め方は「加工者」欄を見ます。
加工者の住所がスーパーと同じならその肉はその場でスライスされているということです。
惣菜売り場をチェックする
惣菜売り場は近くに厨房があるため、周辺の衛生状態を確認すること。
厨房のドアやマットが油でギトギトに汚れているようなスーパーがたまにありますが、そんなところは中の衛生状態も悪いと思ってまちがいなしでしょう。
そして使い回し疑惑を回避するためにはやはり「加工時間」が記載されているかを確認することと、加工時間に応じた値引きがちゃんとされているか?ということを見極めてください。
と、最低限これくらいのポイントをチェックするようにすれば、そのスーパーがお客さん目線で営業しているか、使い回しなども辞さない利益至上主義の拝金営業スタイルなのかが見えてくると思います。
その他、スーパーの外や商品陳列方法、ここで紹介していない売り場で見るべきポイントや、著者が実際に目撃したスーパーの裏側、その悪事の実態がこれでもか!と詳細に解説されていますので、興味がある方はぜひ『スーパーの裏側』のご一読をおすすめします。
私のようにスーパーに対する見方が変わること間違いなしですし、ちょっと裏側を知ってるぞ的な優越感に浸ることもできるかも、です。
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