2019年10月1日より、消費税が10%引上げされることが決定しました。
節約を心がける者にとっては痛いニュースですよね。
今回の増税では、「軽減税率」と呼ばれる制度が導入されます。
海外ではおなじみとなっているこの制度、日本人にとっては初めてでわからないことだらけですが、カンタンに説明すると特定の商品に対する消費税率を低くするというものです。
軽減税率は“低所得者のために、経済的な配慮を行う”という目的で実施されることが決まりましたが、それよりも制度のややこしさや「本当に有効的な制度なのか?」といった疑問点もたくさんあるようです。
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いよいよ増税が決定!導入される軽減税率とは?
軽減税率とは消費税の引き上げによって大きくなる低所得者の税負担を軽くしようとする制度です。
対象となる品目はおもに食料品など生活必需品で、酒類と外食を除いた「生鮮食品」と「加工食品」。
雑誌や書籍はまだ検討中のようですが「新聞(条件あり)」も対象になります。
ただしトイレットペーパーや洗剤などの衛生用品は対象外。
さらに介護用品やおむつ・生理用品も対象外となるため、ネットを中心に怒りの声も上がっています。
ネット環境が充実している今、どうして新聞が対象項目で必需品となるトイレットペーパーや洗剤が対象外なのか・・・
このような辛口意見が出ても仕方がありませんよね。
ちなみにニューヨーク州やフロリダ州は、生理用品にかかる税金を一切廃止しています。
「日本は性別や年齢を踏まえて平等に考えられていない!」という声も多いですが、世界的に見れば今回の軽減税率はあまりにもざっくり決められているので、そう思って当たり前なのではないでしょうか。
生活消耗品を対象にするべきだとの声も多いようですが、あなたはどう思われますか?
ちなみに海外ではヨーロッパ各国のほとんどがこの軽減税率を導入しています。
- イギリスでは標準税率20%に対して食料品の税率は0%
- フランスでは標準税率20%に対して食料品の税率は5%
- その他ではカナダが標準税率5%に対して食料品の税率は0%
- 中国では標準税率17%に対して食料品の税率は13%
外食は軽減税率の対象外
2019年10月1日から実地される消費税の軽減税率制度において外食の定義が明らかになりました。
外食とならない飲食
牛丼やハンバーガーのテイクアウト/そば屋の出前/ピザ屋の宅配/屋台での軽食/寿司屋のお土産/コンビニ弁当など
外食となる飲食
牛丼やハンバーガー店での店内飲食/そば屋の店内飲食/ピザ屋の店内飲食/フードコートでの飲食/寿司屋での店内飲食/コンビニなどのイートインコーナーでの飲食
※財務省発表資料「消費税の軽減税率制度」より引用
飲食設備のある場合、消費者に対し、飲食設備内での飲食か持ち帰りの意思確認をすることで軽減税率の対象にするかしないかが判断されます。
一方で軽減税率の対象外となり、10%に引き上げとなるのは外食/酒類です。
外食にはファミリーレストラン、内部でイートインスペースがある店舗では買い方によって軽減税率の対象または対象外となります。
例えば牛丼屋の場合、持ち帰りもしくは店内での飲食を選ぶことができますよね。
この時「持ち帰り」であれば8%(対象)になりますが、「店内での飲食」であれば10%(対象外)となります。
※あくまで一例です。
デメリットが多い軽減税率
軽減税率のメリットは先に述べたとおり「低所得者の税負担が減ること」ですが、実はこれだけしかありません。
実際は軽減税率の効果は薄く、デメリットの方が多いと懸念されているのです。
対象品目をどう線引きするのか難しい
線引きが曖昧だと指摘されているのは対象から外れた外食についてです。
わかりやすいのは、ピザやそば屋などの出前。
「店内で食べない、持って帰って自宅で食べる」ものなので、軽減税率が適用されます。
惣菜などテイクアウトできる加工食品もOK。
ですが、ケータリングや出張料理は対象外になります。
イートインスペースがあるお店はどうなる?
複雑なのはコンビニやケーキ屋にあるイートインスペースを設けてあるお店。
テイクアウトが可能な状態の惣菜(弁当など)をその場で食べた場合「加工食品」に分類されるので8%の軽減税率が適用されますが、トレイに載せられて運ばれてきたり、返却が必要な食器に載せられて出された場合は「その場での飲食を前提に提供される」に分類されるので10%の税率が適用されるのです。
販売店の負担が重くなる
商品によって税率が変わるため事務処理が複雑になったり、間違いも起こりやすくなり販売店の負担が重くなるのは必至。
また事業者が使用する税率や税額を記載する請求書「インボイス」の導入義務など、面倒だという不満の声が多いのも事実です。
不公平感が出る
実はイギリスやドイツでは商品の線引きで訴訟問題が起こったこともあるくらいどの国でも軽減税率の線引きは難しいようです。
「どうしてうちの商品は対象外なんだ?」などの不公平感がこの国でも起こり得るのです。
このように問題が山積みの軽減税率制度。
消費者だけでなく事業者の混乱や不満を未然に防ぐ明確な線引きが早急に必要です。
もちろんメリットもあるが…
低所得者の負担を軽減させることができる
生活必需品と呼ばれる食料品は8%のまま売られることになります。
エンゲル係数の高い傾向にある低所得者層の負担を減らす目的が軽減税率には隠されているのです。
※エンゲル係数:1世帯ごとの家計の消費支出に占める飲食費の割合のこと
ただ、冒頭で紹介したツイートにあるように、生理用品や介護用品は生活必需品ではないのかといった問題点などが今後の課題として挙げられます。
■ 商品によって税率をコントロールすることができる
景気や消費動向など、政府が世の中の動きに合わせた消費税を設定できるようになります。
メリットはこのくらいでしょうか…
どうしてもデメリットの方が目立ってしまうのが現状です。
軽減税率は対象項目が食費に関するものがメインなだけに軽減税率が3%とか5%ぐらいにならない限り恩恵を感じることはないかもしれません。
増税後の買い物はどうするのがお得?
普段から節約を心がけているとはいえ、2019年10月から主に食品の税率が8%から10%に上がれば家計大きく圧迫します。
だからといって買い物をしないわけにもいきませんよね。
それならポイント還元率のよいスマホ決済を使って買い物をしましょう。
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食材宅配サービスを活用するのもあり!
すでに決められた献立をもとに食材を購入したり、スーパーなどに行かなくても注文するだけで買うことができる食材宅配サービスも軽減税率の対象。
10月から行われる消費税増税後はさらに需要が高まるのではないかと予想されるので、今の内から利用してみるのもいいかもしれません。
買い出しに行く手間も時間も省くことができる食材宅配サービスにはレシピ付きで野菜までカット済みのミールキットも販売しているので、料理の時短にもつながりますよ。
まとめ
さまざまな問題がある軽減税率。
このままでは弱者にばかりしわ寄せが行ってしまいそうで不安が募りますね。