歯みがきせずに寝落ちするということの恐怖…
我が家の2歳になる娘の仕上げ磨き担当は母である私です。
毎晩21時になる前には、お風呂上がりの娘の頭を膝にのせ、上の歯・下の歯・前側・裏側…しっかりと歯みがきをさせていただいております。
たまには泣いたり、嫌がったりすることがあっても、容赦なし!
寝る前の歯みがきは絶対に怠りません!
「うわっ!さっき晩ごはんに食べたハンバーグさんのバイ菌が歯に隠れとったよ!むし歯になったら歯が痛くなって、グラグラして抜けてしまうよ…あぁ、怖い怖い!バイ菌さようなら、ちゃんとしとこうなぁ」
と娘を脅したりなだめたりしながら、隅々まで磨いているつもりです。
そのあと、彼女を寝かしつけするのは原則として毎晩夫の役目となっているのですが、「寝てしまったら起こしてよ」と言うにも関わらず、ほぼ80%の確率で寝落ち…。
さらに睡魔という恐ろしい魔物には完全な敗北を喫し、寝落ちしたもんなら朝までストレートに寝てしまうこと必至なのです。
何が言いたいかというと、寝かしつけが終わったら起き出してきて、テレビを見たり仕事をしたりするつもりでいるわけですから、歯みがきをしていない状態のままで爆睡してしまう…。
…ということは、そうなのです!就寝前の歯みがきという、超重要事項をスキップしたまま、夫は朝を迎えるという恐ろしいことが、かなりの確率で行われているわけであります
(ちなみに、私も寝かしつけ担当をするときは、同じようにほとんど寝落ちし、寝落ち確率は90%、数時間ののちに起き出して行動する確率は約50%です)!
小さい頃から、歯医者さんでは
「ちゃんと歯みがきするようにしてくださいね。朝の歯みがきと夜の歯みがきが大事です。特に、夜の歯みがきの方が大事だから、絶対に夜寝る前には歯みがきするんですよ!でないと、すぐにむし歯になっちゃうんだから…約束ね!」
と言われていたことが、いまでも強迫観念のように私の頭にはこびりついているのです。
なので、今でも歯みがきせずに寝落ちしてしまうような日が続くと(特に冬場のコタツほどそれを促すものはない…)、「ヤバい…近日中に歯医者さんに行ってむし歯になってないか確かめてもらわねば…」と思うぐらいビビってしまうのであります。
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就寝前の歯みがきの重要性
先にも同じようなことを書きましたが、ある歯医者さんが言っていたことで子ども心にも衝撃を受けたことがあります。
その歯科医は「別に朝は歯みがきしなくてもたいしたことない」と言い切って、「けど…夜寝る前に歯みがきしなかったら…絶対むし歯になるからね」と続けました。
それはある意味脅迫にも思えるほどのインパクトで私の心に突き刺さったのです。
でも、これは子どもを怖がらせるための作り話でも脅しでもなく、歴然たる事実。
睡眠中は分泌される唾液の量が激減してしまう=細菌が繁殖しやすい口内環境になってしまうため、寝る前に歯みがきをしなければ、むし歯になるリスクが上がるのは当然ですね。
しかも、1日に2回(朝と晩)の歯みがきしかしない人を例にとってみると、朝の歯みがき以降の食べカスが全部歯のすき間にはさまったまま、細菌大繁殖の状況に突入するということになります…。
歯みがきしていても細菌は繁殖するんでしょうけれど、食べカスを残したまま就寝するということは細菌の繁殖をかなり加速させてしまうことになることは言わずもがな。
夜の歯みがきを怠った口内の細菌たちは、「今日は上客がたくさんご滞在だぜ!」と大喜びしていることでしょう…。
うう…考えただけでも戦慄を覚えます…。
ちなみに、もっと恐ろしい事実をお伝えすると…、実は口の中には、お●りの穴よりも多い数(!)のウイルスや細菌でいっぱいなのだそうです!!
そんな状態のまま放置して、唾液の分泌も少ないままぐっすり睡眠をとってしまったときには…、お口の中がトラブルだらけになることは想像に難くありません。
子どものころに、私を脅してでもその大切さを教えてくれた歯医者さん、ありがとうございます!
最近になってわかってきた、歯周病菌の恐ろしさ…
歯みがき=むし歯を防ぐ、というイメージが強いと思いますが、最近は歯周病菌が原因で重病を引き起こすということも、テレビなどでよく取り上げられるようになってきました。
はじめてそれを聞いたときは、「え~~~っ!?」と衝撃を受けたことを覚えています。
まさか口の中の菌が、体の中を巡り巡っていろんな悪影響をおよぼすなんて、一昔前には想像もできなかったことではないでしょうか。
歯周病菌が影響するという病気をいくつか挙げてみると…
■ 心臓血管系疾患…動脈硬化や心臓疾患の原因の1つとして、歯周病菌が作る毒素が血流にのって血管に作用することが挙げられる。
⇒ もう、これ直接的に命にかかわることじゃないですか!
■ 脳静脈瘤血栓…歯周病菌が血管に到達することで起こる。脳から心臓へ血液が戻る血管で起こり、急速に脳がむくみ、脳梗塞・脳出血を引き起こす。死亡率は30%で、一命をとりとめたとしても予後も思わしくない。
⇒ まさかの脳梗塞や脳出血まで引き起こすなんて…。単なるむし歯が、まさかの命を狙う刺客だとは思いもよりません!
■ 呼吸器官系疾患…高齢者や寝たきりの人に多く見られる肺炎。その原因は誤嚥によって歯周病菌が肺に入ることで起こることがあるのだとか。
⇒ 肺炎の原因にもなって命を脅かすとは!心臓にも脳にも、そして肺にも…人としての重要なところに忍び寄る悪魔のような存在です…。
■ 糖尿病…相互に悪影響を与えあうのが、糖尿病と歯周病。抵抗力が低くなる糖尿病が歯周病を発症させ、進行も進むことがある。また逆に、歯周病菌が作る毒素が糖尿病を悪化させることがあるため、どちらも密接に関係している。
⇒ まさか、糖尿病と歯周病が互いに関係しあうことを誰が想像したでしょうか!
■ 消化器系疾患…胃炎や胃潰瘍、胃がんのリスクにもなると言われるピロリ菌。それと共通するさまざまな抗原を持っている歯周病菌は、腹痛、嘔吐、下痢といった症状を引き起こすことがある。
⇒ おなかの病気の大元となる原因が歯周病かもしれないなんて…普通は考えもしませんよね…。
■ 低体重児出産・早産…口内に歯周病やむし歯がない妊婦にくらべ、歯周病のある妊婦がもつ低体重児出産や早産のリスクはなんと約7倍。歯周病になると生成される物質が胎盤に作用し、子宮収縮などを引き起こすことが原因と考えられる。
⇒ まさかの!妊娠中のリスクにもかかわるなんて初耳!しかもこれ…喫煙やアルコール、高齢出産よりもかなり高い数字なのだとか!
もともと、動脈硬化の原因としては、食生活や運動不足、ストレスが関係しているということは、みなさんご存じかと思いますが、そこにもう1つ、歯周病菌による細菌感染も原因の1つとして挙げられるようになっているんですね。
ほかにも、1日2回の歯みがきをする人は、1回だけしかしない人に比べ、がんになる危険性が29%低くなるというデータもあるということです…。
それは、発がん物質のアセトアルデヒドを作る口や喉に生息している細菌のカンジダ・アルビカンスが発がん物質のアセトアルデヒドを作るのだそうで、夜の歯みがきを怠れば、この細菌が繁殖し、がん発生のリスクが高まるという原理だとか。
もはや、歯周病=万病のもと!と言っても過言ではなさそうですね。
歯みがきをすることで、むし歯はもちろん、歯周病を予防するということが重要であることは、まぎれもない事実のようです。
さて、そんな歯の治療代は…実際どれぐらいかかっているのか?
とある歯科医院のデータでは、痛いときだけ治療に通うという人で、80歳までにだいたい435万円かかるということが分かっているそうです。
ちなみに、これは保険適用の額。
30代くらいから治療費を使うようになり、40代、50代と年齢を重ねるごとに高額になっていくというのは、なんとなく想像ができます。
歯を失って、インプラントを入れるとなると、1本あたり15~50万円の治療費がかかり、場合によってはインプラントを「入れる」ための手術が必要になる可能性もあるとも言われています。
かつ、インプラント治療はクリニックによってかなり開きがあるということも事実。
私の夫も、実は数年前にインプラントを2本入れることになり、費用は数十万円だったと聞いて私はひっくり返りそうになりました…。
また、ある女性は、30歳で3本の歯を抜歯。
インプラントを選択しものの、その際にかかった治療費は270万円だったそう…。
どひゃー。ちょっといい車が1台買える金額ですね…。
当然入れ歯やブリッジなんかよりは割高になりますが、インプラント自体の強度は半永久的と言いますし、費用対効果で考えるとインプラントを選ぶ人も近頃は多いのかもしれません。
でも…私の父は抜かざるをえなくなった歯の代わりとしてインプラントを希望したものの、その歯の土台の骨が歯周病の影響でインプラントに耐えられる状態ではないと言われ、泣く泣くブリッジを選ぶしかなかったのだとか…。
歯を大事にするかしないかで生まれる生涯医療費の差、なんと1600万円!
ちなみに、歯の治療費だけではなく生涯医療費全体でみると、日本人の平均は2600万円を超えるのだそうです。
だいたい50代から使われる費用がこの額だというから驚き!
ただ、高齢になっても自分の歯で噛める人は、しっかり咀嚼することでちゃんと食べ物から栄養がとれ、噛むことが脳にもよい刺激となり認知症のリスクを下げられる、イコール寝たきりも防ぐことができるということから、生涯医療費を平均1,000万円ぐらいに抑えられるという調査結果もあるとのこと。
保険適用でできる程度の歯のチェックとクリーニングを定期的に受けている人は、なんと1600万円も節約できるということになるわけです!
…もはや、節約というよりも、ジャンボ宝くじの2等の賞金よりも高額な差が生まれるぐらいですから、歯があることと健康寿命はかなり密接に関係しているのは間違いなさそうです。
かかりつけ歯科医との相性や関係も大事だとしみじみ思う。
ちなみに、私は3~4カ月に1回、クリーニング&むし歯や歯周病がないかのチェックのために歯科に定期的に通っています。
むし歯などが特になくてクリーニングをするだけだと、2回(上の歯のクリーニングに1回、下の歯のクリーニングに1回)通って、支払う費用は3,000円以内。
ですから、年間3回通うとしても、1万円で済んでいるわけです。
もう40代が目前となっていますが、今のところ、親知らず以外に抜歯した歯はありませんし、今後も抜歯はしたくないな…と、当然のことですが思っています。
それでも、やっぱりむし歯になってしまうこともあります…。
数か月前、甘いものを食べるとなんだかちょっとしみるんだよなぁ…と思って、歯医者さんに診てもらっても「特にむし歯は見当たらないんですけれど…」と言われ、一旦は「気のせいなのか…」と思ったけれど、やっぱりその後も痛いような気がする。
そこで、痛むのがかなり前に詰め物をしている歯なので、「その詰め物を取ってみてください!」とお願いして、フタを開けてみると…少しむし歯になってしまっていました…(涙)。
詰め物も一生モノではないことを痛感…。
でも、その歯医者さんは、すぐに「神経取っちゃいましょう」とは言わず、むし歯になってしまっていた部分を削って「今後歯を失わないためには、できるだけ神経を温存したほうがいいです。
ちょっと炎症を抑える薬を入れてセメントで固めて、しばらく様子をみてみましょう」とおっしゃってくれ、結局、痛みがひどくなることはなかったので、神経をとらずに再度詰め物をすることにしました。
このむし歯の治療には、歯の型を取ったときが2,000円強、詰め物を入れたときが3500円程度で、詰め物を入れるまでに数回経過観察に通ったときは、都度1,000円程度でした。
ですので、治療にはだいたい1万円かかったということになります。
その費用以上に、この治療の際にその歯医者さんがおっしゃっていたことが、私の心に沁みたんです。
「神経を取るのは抜歯の前の最終手段で、いつでもできますからね。もうじっとしていても痛いというレベルになってしまったら神経を取るしか方法はなくなりますけれど、神経を取ってしまった歯は、ゆくゆく抜歯しないといけなくなる確率がとても高いので、あまりしたくないんです…。」
できるだけ自身の歯を残すことの大切さを説いてくれ、自分の歯を死ぬまで大事にしたいという私自身の意図も汲んでくれたがゆえの発言だったと思います。
上でも述べた、健康寿命のことも見越したうえでの判断だったとは思いますが、もしかすると別の歯医者さんでは迷わず神経を取る処置をされていたかもしれません…。
何が言いたかったかというと、自身が信頼して治療やメンテナンス、チェックをまかせられる歯科医院との出会いも大切で、それも生涯医療費や健康寿命に関わってくるのかもしれない…と、今回のむし歯の治療を通して感じました。
予防することで、節約もできれば、健康寿命も延ばせる! それは「投資」だ!
ここ数年で「審美歯科」というボキャブラリーも浸透してきて、ホワイトニングをクリニックや自宅でする人も増えてきていると思います。
失った歯の代わりとして用いるのは、入れ歯やブリッジだけではなく、インプラントという画期的な方法も今ではスタンダードになってきました。
ただ、インプラントに関していえば、その機構自体は半永久的な強度を持つのかもしれませんが、入れたらそれだけで一生安心!というわけではありません。
結局、デンタルケアをおろそかにして歯周病になってしまったら、せっかく入れたインプラントもダメになってしまうでしょう…。
現在テレビ番組のレギュラーを複数抱える某有名タレントでご意見番的存在の方が、「歯が抜けていてもそのままにしちゃってる人って、民度がすごく低いんだなって…残念に思う」という意味合いのことをコメントしていたのを以前に耳にしたとき、私もその言葉に納得しました。
確かに治療にはお金がかかるかもしれませんが、まずは美意識という観点からしてもいかがなものかと思いますし、今のご時世、歯周病と重病の関連性も指摘されているなか、歯のケアをおろそかにしていることは、自分の命を大切にしていないということと同じだとも言えます。
かつ、自身の歯で噛むことが、いかに健康寿命を延ばすことになるのか、も上記に述べたとおりです。
だとしたら、歯が痛んだら歯科医院に行く、のではなく、定期的に歯科医に歯をチェックしてもらってクリーニングを施し、自宅でもしっかり歯みがきや歯間ブラシ・フロスなどのデンタルケアを行って自身の歯を大切にすることが、費用の面からも健康の面からも非常に大切なことは、もはやまぎれもない事実です。
予防のために支払うお金は、「支出」ではなく、未来への「投資」!
その一言に尽きると言ってもいいでしょう!
いまはイヤイヤながらも歯みがきをしている娘には、歯の大切さをこれからもずっと説いていき、大人になっても自身の歯を大切にするステキな大人に育ってほしいと切に願う私なのでした。
そして、私も今まで以上に、自身の歯を生涯のパートナーとして「愛して」いきたいと思います(もしかしたら、夫よりも大事にするかも…)!