終活は人生の後半を楽しく過ごすための準備活動!将来の不安を解消し愛する家族に送る感謝のメッセージ

閲覧回数 : 3,106 views

人生にはいつか終わりがやって来ます。

人生の終焉は我々全ての人間が平等に迎えるもので、「生まれて」「成長して」「年老いて」そして「亡くなる」ことを避けることはできません。

近年「終活」との言葉が流行していますが、これは「終わりを迎える前の活動(準備)」と略せばよいのでしょうか?
まるで「就活(就職活動)」みたいにも聞こえますが、その内容には深い重みを感じさせます。

私たちファイナンシャルプランナーにも終活に関する相談は少なくありません。
その内容も軽い内容から、深い悩みが混じったものまで様々です。

しかしながら終活を避けることは後々のトラブルの原因となり、将来残された遺族に大きな負担を与えてしまうかもしれません。

また終活を済ませることで、人生の後半を安心して有意義に楽しむこともできるでしょう。

私は終活が後ろ向きのものではなく、前向きに行う人生後半の行事の一つだと考えるべきだと思っています。
人生後半を心配なく楽しめるようにする終活…さっそく終活とは何かを探ってみましょう。

スポンサーリンク

目次

終活を行う前にこれまでの人生をしっかり振り返ることが大切

終活の内容に触れる前にぜひやって頂きたいことがあります。

それは「今までの人生をしっかりと振り返る」こと…。

終活はこれから「残された人生をどのように生きるか?」を考える作業です。
家族に対して自分の意志(決断)や感謝を告げることにもなるでしょう。

そこで重要なのがこれまで歩んできた人生を振り返り、悔いが残ることがないかをしっかりと考えることです。
またこれからどのように過ごしていけば、今までの人生の問題を解決できるかを考えるきっかけにもなります。

終活はある意味で実務的な作業になりがちですが、その結果として「安心」などの精神的な負担軽減を得るなどの効果もあり、単なる事前準備だと考えてはいけません。

せっかく終活を行うのなら今までの人生をしっかりと振り返って、これから残された時間を大切に使うための有意義な終活にしたいですね。

終活に活用されているエンディングノートとは?

近年では終活を行う高齢者が増加しており、様々なセミナーや終活講座が開かれています。
その中で活用されているのが「エンディングノート」と呼ばれるノート。

エンディングノートとは自分の終活状況をまとめたノートのこと。

エンディングノートには専用の市販品もありますが、実際には形式に拘る必要はなく普通のノートで十分です。
記載する項目も特に規定はなく何でも記載してよいのですが、エンディングノートを遺言書として代用することは法律上できません。
あくまでエンディングノートは終活の結果をまとめたノートであり、法律で規定されている文書の代わりには使用できないことをしっかりと理解しましょう。

エンディングノートに記載したい主な項目を参考として紹介します。

■ 自分のプロフィール
■ 家族構成
■ 病歴と現在かかっている病院などの医療機関
■ 将来の病気における治療方針(希望する治療)
■ 介護状態になった場合の対処
■ 死亡した場合の葬儀の方法
■ 埋葬と供養について
■ 契約に関すること
■ 形見分けや遺産に関すること
■ 相続について(遺贈の有無)
■ 生命保険や損害保険について
■ 遺言書の有無
■ 家族に対するメッセージ
■ その他

まずエンディングノートには自分のプロフィールを記載することが大切です。
いつどこで生まれてどこで育ち、どのような人生歩んだかを年毎に記載します。

ある意味で「自分史」にもなりますが、詳細に記載することで今までの人生を細かく振り返ることができます。

  昭和〇〇年〇〇月〇〇日  東京都足立区で生まれる
  昭和〇〇年〇〇月〇〇日  足立小学校入学 えみちゃんと仲良しだった。
               鉄棒が大好きでいつも遊んでいた。
      :
      :
  昭和〇〇年〇〇月〇〇日  お父さんと出会う。
               第一印象は「変な顔だった(笑)」
      :
  昭和〇〇年〇〇月〇〇日  お父さんと結婚。結婚式は○○神社。
               披露宴には沢山の友達が来てくれた。
               ありがとう。
  
  昭和〇〇年〇〇月〇〇日  長女誕生。
               あの時の感動は忘れない。
               一生大事にしようと心に誓った。
               名前の由来は~。

エンディングノートのプロフィールにはこのように、自分の人生を細かく記載してその出来事の感想を書くのがよいでしょう。
(日付は正確でなくても大丈夫)
こうすることでその時に感情や、これからも大切にしなくてはならない何かに気が付くことに繋がります。

次に家族構成を記載することをオススメします。
エンディングノートは最終的に遺族が読むべきノートで、その対象を指名することにも利用できます。
例えばこのように記載する方法があります。

【私の家族】
夫 田中太郎(たなかたろう)昭和○○年○○月〇〇日生まれ 呼び名「お父さん」
長女 山田良子(やまだよしこ)昭和○○年○○月〇〇日生まれ 呼び名「よっちゃん」
長男 田中二郎(たなかじろう)昭和○○年○○月〇〇日生まれ 呼び名「じろう」

このように家族の名前と生年月日、呼び名などを記載します。
記載対象は配偶者、子、孫、兄弟姉妹などが対象ですが、一般的には相続人となりうる人を記載するのがポイントです。

また家族以外にもエンディングノートを読んでもらいたい友人がいれば、その人の名前を記載することも大切でしょう。

それではエンディングノートに記載するプロフィールと家族構成の説明は終了です。
早速終活の実務部分に入りましょう。

将来の病気に関する意思表示は家族にとって救いになる

例えば「臓器移植」。
この制度が開始されてから一定期間が経過していますが、日本では臓器提供の意思を明確にしていない人が大部分を占めます。

これは日本人の宗教観にも関係していると言われており、遺体から臓器を取ることに抵抗を感じているのが要因。
臓器移植に賛同した人が事故で無くなった場合でも、家族の反対により臓器移植ができない事例は少なくないようです。

このように将来の病気において自分の意志が明確になっていないと判断は家族に委ねられることになります。

「末期がんになった場合にどこまで治療を行うか?」
「延命のための積極的な治療を行うか?」
「認知症になった場合に胃婁(いろう)などの処置を行うか?」

家族に判断を任せると意見が分かれることも珍しくなく、延命治療を望む家族と自然に任せたい家族の間に軋轢を生む結果になります。

そうならないためには自分自身で病気に対する治療方針をしっかりと考えて、エンディングノートにまとめることが大切。

特に自分で判断できない状態に陥った場合に、「積極的な治療を望むか?」は重要なポイント。
望まない場合にはその旨をしっかりと記載して、自分の意思を明確にすることは大切なことです。
そうすることで家族の不安や負担を軽くしてあげられることでしょう。

介護状態になった場合の対応を考えておく

終活を行っている時は元気でも、数年後には介護生活に入っているかもしれません。
また介護を受けながら終活を行っている人も少なくないでしょう。

そこで終活作業では介護生活になった場合の対応を事前に考えることも必要です。

介護生活における重要なポイントをまとめてみましょう。

■ 身元引受人を誰にするか(任意後見人など)
■ どこで生活を行いたいのか(自宅、子供の家など)
■ 訪問介護やデイサービスを利用したいか
■ 施設への入居を希望するか

介護状態に入るとまず重要なのは、「だれが介護を行うか?」です。

子供が複数人いる場合は誰に頼みたいのかをしっかりと考えることも大切。
そして後見人としてお金の管理を行ってもらう人を決めて下さい。

例えば介護状態になった場合に施設に入居したいのでれば、その旨を決めて家族の誰に手続きをしてほしいかを考えてお願いしなくてはいけません。

事前に自分で施設を見学して「この施設に入りたい」との希望があれば、施設名とどのような状態になったら入居したいかを決めることも大切です。

介護施設にかかる費用についてはこちら↓のページをどうぞ





身元保証人をしっかりと決めておくことは大切なこと

子供や家族を信頼するのは決して悪いことではありません。

しかし子供も家庭を持つことで親の知らない事情ができてしまい、病気になったり介護状態になったりした場合に十分な対応をとってもらえないこともあります。

例えば病院へ入院するにも、施設に入居するにも身元保証人が必要。
これは入院費や施設料の保証人となるだけでなく、何かトラブルが発生した場合には身元引受人となります。

終活で将来の介護を考える際には身元保証人を誰にするのかをしっかりと決めて、本人の許可を受けるようにして下さい。

そしてエンディングノートにもその旨記載するようにしましょう。

亡くなった場合の葬儀の種類と規模を考えよう

高齢になるといつ人生が終わるかもしれません。
突然の出来事に家族もどうしてよいか解らずにうろたえてしまう…

そのようなことにならないために事前に自分の葬儀を考えておくことも大切です。

日本の葬儀の大部分は仏式であり、多くが葬儀会社を通して葬儀や火葬を行っています。
しかし現在では葬儀も多種多様になっており、予め自分希望する葬儀の種類をエンディングノートに記載することも大切です。

【現在の葬儀の種類】
■ 火葬式:簡単な別れの儀式と火葬のみ行う葬儀(20万円程度)
■ 一日葬:お通夜を行わないで告別式と火葬を行う葬儀(35万円程度)
■ 家族葬:家族や親族など少人数が対象の葬儀、お通夜、告別式、火葬(50万程度)
■ 一般葬:今までの葬儀と同じで50名~100名程度までの規模の葬儀(100万円~ )

葬儀の規模で重要なポイントは「家族葬で行うか?」「一般葬で行うか?」です。

家族葬は家族や親族のみの葬儀なので、規模は小さいですが温かみのある葬儀。
身内だけに見守られた葬儀を希望する際には家族葬が最適で、これからの日本では家族葬が中心になると言われています。

またお世話になった友人や会社関係者が多い場合には、一般葬を選択した方が参列者に迷惑をかけずに済むでしょう。

【一般的な葬儀の流れ(家族葬、一般葬)】
1. お迎え(病院や自宅)
2. 安置
3. 納棺
4. 通夜
5. 告別式
6. 初七日法要
7. お別れ
8. 火葬

最近では家族葬の中でもお通夜を外した「一日葬」が人気で、葬儀会社によっては40万円以下で対応できるそうです。

【一日葬の流れ】
1. お迎え(病院や自宅)
2. 安置
3. 納棺
4. 告別式
5. 初七日法要
6. お別れ
7. 火葬

また無神論者の中には「火葬だけで十分!」と葬儀自体を希望せず、単に火葬だけを行う火葬式も注目されています。

【火葬式の流れ】
1. お迎え(病院や自宅)
2. 安置
3. 納棺
4. お別れ
5. 火葬

終活において必ず考えなくてはならない「葬儀の種類と規模」。
自分が希望する葬儀と規模を考えて自分で選んでみましょう。

遺影に利用する写真は気に入った一枚を選びたい

終活が話題になった当時、遺影を事前に準備することが流行しました。

しかしお金をかけて写真館で遺影を撮影しても、気に入らなかったら再度撮りなおす必要がありますよね。
昔と違い最近の遺影は仰々しい写真でなくても大丈夫。

自分の気に入った写真をそのまま引き伸ばすだけで簡単に用意することができます。
しかめっ面の遺影よりも笑顔の遺影を終活の一つとして準備したいですね。

葬儀が終わると次は埋葬と供養をどうするか?

一般的に葬儀が終わると次に考えるのは埋葬です。
宗教にもよりますが日本では四十九日の法要が済んだタイミングでお墓に埋葬することが多く、遺族にとってもあらかじめ埋葬方法が指定されていれば安心して行うことができます。

それでは現在行われている埋葬とその概要を説明します。

【先祖のお墓に埋葬する】
昔から受け継がれた家系のお墓に埋葬すること。
ただし先祖からのお墓に埋葬されるには管理しているお寺との関係が重要で、将来的に子供などへの負担が出ることがあります。

【新しいお墓に埋葬する】
新しくお墓を購入してそこに埋葬する方法。
配偶者や家族と相談してお墓を立てて、新しい家族のお墓に埋葬してもらいます。
新しいお墓を立てるには土地、墓石、管理料などで50万円~1,000万円もかかる可能性があります。
また将来に渡り管理する跡継ぎを指名しなくてはいけません。

【永代供養を利用する】
遺骨をお寺に預けて永代に渡り供養して貰う近年注目されている埋葬方法。
(*詳細は後述)

【納骨堂を利用する】
お寺に付帯した納骨堂に遺骨を納める方法。
最近ではビルの中に作られた専門の納骨堂があり、コンピュータ管理でネットからお参りできるタイプのものもあります。
毎年の管理料が必要であったり、期限による契約更新が必要だったり、遺族にとって便利ですが負担もかかる場合があります。

【散骨を行う】
海などに細かく砕いた遺骨を散骨する方法。
専門の業者が複数あり、許可の出ている海域に散骨してくれます。
将来的に規制が出る可能性もありますので、希望の海域に散骨できない事態も考慮しましょう。

このように埋葬にはいくつかの種類があり、それぞれにメリット、デメリットがあります。
終活を考える際には自分の希望だけでなく、残された遺族の負担にならない埋葬を指定するのが理想です。

そのためには「事前にお墓や納骨堂を決めておく」、「散骨が可能なのか調べておく」などの終活が重要です。

少子化で注目されている永代供養とは?

日本では少子化が進んでいることから、お墓の問題は社会問題の一つに上げられています。

それはお墓を継ぐ人がいないことで困ったお寺が、墓石を撤去し新しい区画として再利用せざるを得ない状況に陥っていることです。

そこで注目されているのが「永代供養」。

永代供養とは遺骨をお寺に預けて永代に渡り供養してもらうことで、基本的に一度「永代供養費用」を支払うことで管理料などは必要ありません。

つまり1回の支払いで永代に渡りお寺で供養して貰える埋葬方法。

永代供養にはいくつかの種類がありますので、ここで紹介しましょう。

【永代供養墓(合同墓)】
お寺に併設された合同の大きなお墓に他の人と一緒に遺骨を埋葬する方法です。
お寺の敷地内にあるので管理はお寺が責任を持ち、定期的な供養も遺族に代わって行って貰えます。
永代供養の費用は一括で支払うことが多く、以降の管理料やお布施は不必要なのが特徴。
また終活の一環として事前に永代供養墓の契約及び支払いを済ませることも可能で、エンディングノートにその契約書類を添付することでスムーズな埋葬ができるでしょう。

【納骨堂】
事前に納骨堂の使用権を購入することで永代供養を受けられます。
納骨堂を利用する場合には遺骨を粉にして仏様の像に収めたり、遺骨を位牌の中に入れたりする方法などがお寺によって選択できます。
室内での保管なので天候に左右されずにお参りできることがメリット。

さらに終活の一環として事前に納骨の契約及び支払いを済ませることも可能で、エンディングノートにその契約書類を添付することでスムーズな納骨ができるでしょう。
納骨堂によっては契約期限が定められている場合もあり、将来的に契約更新と費用が発生することもあります。
納骨堂に一定期間(10年程度)預けて、契約更新のタイミングで永代供養墓に納めるのも選択肢になります。

【樹木葬】
許可を受けたお寺が管理する新しいお墓のスタイル「樹木葬」。
公園のような庭園に樹木を植えてそこに遺骨を埋葬したり、粉にして散骨したりする埋葬方法です。
事前に区画を購入し樹木を植えることも可能で、自分の好きな種類の木を選ぶことも可能です。(一部制限あり)
また永代供養なので区画購入時に支払いを行うことで、以降の費用がかからず遺族にとっても負担が少なくなります。
特に無宗教で自然が好きな人には人気の埋葬方法です。

気になる永代供養の費用ですがお寺によって違いがあり、「芳名板(ほうめいばん)」を利用する場合で5万円~、芳名板を利用しない場合で3万円~から利用できます。

ただし金額はピンキリなので有名なお寺では供養料として200万円もかかる場合がありますので、自分の予算に合わせて選ぶようにしましょう。

無宗教の場合にはどうしたらよいのか?

仏教やカトリックなど宗教が決まっていればエンディングノートに希望を記入することは難しくはありませんが、特定の宗教に関わっていない無宗教の人も少なからず存在します。

中には過去に宗教がらみで嫌な出来事があり、絶対に宗教と関わりたくないと考えている人もいます。
無宗教の終活では「自分が無宗教で葬儀にお坊さんを呼ばないこと」と明確に記載すればよいのですが、困るのは残された遺族。

原則的に葬儀社ではお坊さんを呼ぶことを基本としていますので、無宗教の葬儀に難色を示すこともあります。
そうならないようにするには、エンディングノートで無宗教の葬儀を自分で考えるのがよいでしょう。

例えば…
1. 葬儀は行わず火葬のみでよい
2. 家族だけでお別れの会を開いてほしい
3. お墓でなく海洋散骨にしてほしい
4. その他

自分で考える無宗教の葬儀を明確にしていないと適当にお坊さんを呼ばれて、せっかく終活で考えたことが無駄になってしまいます。

無宗教では火葬式が一般的ですが、遺族にとっては無宗教こそが一番難しいと言うことですね。

スポンサーリンク

契約しているものがあれば正確に記載する

スマートフォンや公共料金など契約を行っているものについて詳細に記載します。
これらは亡くなった後に遺族が解約の手続きを行わなくてはいけないので、細かいものでも記載するようにしましょう。

特にスポーツクラブや高齢者向けのジムに通っている場合などは遺族が気づかず、亡くなってからも毎月利用料が引き落とされることもあります。
最近では高齢者でもSNSなどのインターネットサービスを利用することがあるので、その内容やID、パスワードなどを記載することも忘れないようにして下さい。

遺族が遺産相続でトラブらないために遺言書を作成する

病気や介護、葬式などの希望を考えたら、次に行うのは遺品整理と遺産相続についてです。

特に遺産相続はお金に関する終活なので積極的にやりたがらない人も多いのですが、遺族にとっては一番のトラブルになる案件だと覚えておいて下さい。

そこで重要な働きをするのが「遺言書」。

遺言書は円滑な相続を行うためには重要な働きをする文章で、法律で規定された通りに作成しなくては効力がありません。
遺言書には3種類あり、その中から自分に合った遺言書を作成しましょう。

■ 自筆証書遺言
■ 公正証書遺言
■ 秘密証書遺言

この中でもっとも簡単に作成できるのが「自筆証書遺言」。
これは自分で紙に手書きして署名、押印することで作成することができます。
ただしむやみに書いても無効になる恐れがありますので、法律に則った記載を行わなくてはいけません。

また実際に亡くなった場合に遺族が家庭裁判所で「検認」の手続きが必要になりますので、最低限の手続きは理解しましょう。

遺言書の詳細な説明と相続にかかる税金(相続税)についてはこちら↓の記事に書いてありますので、そちらを参照して下さいね



遺言書を作成する前にエンディングノートに遺品の目録を

遺言を作成する前に行って貰いたいのが遺品の整理と目録の作成です。

自分が保有する財産や思い出の品などをエンディングノートに列記することで、遺品の目録として遺族に引き継がせることが可能です。
また遺言書を作成する場合の参考として使用すると、漏れのない遺言書が作成できます。

遺品の整理を行うにはいくつかの分類に分けて行うのが効果的です。

【相続として引き継がれるもの】
■ 金融機関ごとの預金(定期預金も含む)
■ 株券や債券など有価証券
■ 金、プラチナなどの貴金属
■ 高額な美術品、宝飾品
■ 不動産(土地、建物)
■ 自動車、バイクなど高額な動産
■ その他

原則としてここに記載した品は相続税の対象になることから、遺言で相続人を決めておくのがトラブルを防ぐことに繋がります。

相続は現金と不動産と思っている人が多いのですが、有価証券や貴金属の分配で揉める相続は珍しくありません。
しっかり目録を作成して遺言書に反映するようにしましょう。

【思い出の品】
■ 腕時計
■ 着物や洋服
■ 記念品
■ 民芸品
■ その他

「自分が死んだらこの着物は貴女がつかって」と約束した品があれば、エンディングノートに記載しましょう。
特に思い出の品などぜひ譲りたい物がある場合には、形見分けとして「誰に」「何を」「どのタイミングで譲るか」をしっかり書いて紛失が起こらないようにします。

原則としてエンディングノートに記載していない品物については、自分が亡くなった後は遺族が自由に処分してよいものとして考えましょう。

プラスだけでなくマイナスの遺産を忘れないように記載する

遺産は預貯金だけのプラス資産だけではなく、マイナス資産と呼ばれる「借金」も遺産に含まれます。
つまり遺族が相続を行うことでプラス資産とマイナス資産の両方を相続することになります。

例えば2,000万円の遺産を持っている人が亡くなり子供が相続した場合、2,000万円の相続だけならプラス相続で安泰です。
しかし亡くなった親が2,500万円の借金を抱えていたらどうでしょう?

相続した子供は2,000万円の現金と2,500万円の借金の両方を相続することになります。
差引きすると500万円のマイナスです。
子供は相続することで500万円の借金を負担することになるのです。

このような問題に対応するには「相続放棄」を家庭裁判所に申し立てるしかなく、それを判断するためにもマイナス資産もエンディングノートにしっかりと記載することが重要。

原則として相続放棄の手続きは相続が開始されて3ヵ月以内(*注)と規定されているので、それまでに相続放棄をするか決めなくてはいけません。
マイナス資産がある場合は隠さないで必ずエンディングノートに記載するようにしましょう。

(*注)相当な理由がある場合は裁判所の判断で期限を過ぎても相続放棄できる。

法廷相続人の範囲と順位について詳しく解説!



世の中に貢献したい…遺贈を選択することも

遺贈とは遺言書を残すことで「自分の遺産を法定相続人以外の人や団体へ寄付する行為」で、一般的にはユニセフなどの子供支援団体や一定の病気の支援団体を指名することが多いようです。

近年では相続人がいないことで遺贈を考える人や、社会貢献の関心から遺贈を希望する人が増加しており亡くなった後の遺産の使い道として注目されています。

原則的に遺贈は遺言書で行われますが、全ての遺産ではなく一部のみ贈ることも可能。
遺贈で有効な遺言書は3種類のどれでも問題ありませんが、スムーズな遺贈を実現させるためには「公正証書遺言」が最も妥当でしょう。

しかし全ての遺産を遺贈してしまうと、相続が開始されてから法定相続人と遺贈先でトラブルが起こることもあります。
また遺言で全ての資産を指定しても法律で法定相続人の遺留分(相続を侵害されない最低限の権利)が保証されているので、実質的には相続人の合意がなければ全ての遺産の遺贈は実現できません。

遺贈を行いたい場合には法定相続人と話し合って、遺贈の合意と金額を遺言書だけでなくエンディングノートにも詳細に記載するようにしましょう。
また亡くなった後に遺贈を実行する執行人をお願いすることも大切です。

遺贈を行う簡単な流れを紹介します。

1. 遺贈先を決める(ユニセフ、国境なき医師団、日本対がん協会など)
2. 法定相続人と遺贈について相談する(執行人を依頼する)
3. 公正証書遺言の作成及びエンディングノートへ詳細を記載
4. 遺言書の保管(公証役場)
5. 亡くなった後に遺言書を執行

遺言書で遺贈する場合には遺贈先に相談することも可能で、各団体に相談窓口が用意されています。
特に自分や家族が一定の病気で苦しんでいる場合には、その支援団体へ遺贈することは素敵な行為です。
全ての遺産を遺贈すると相続人からの反発も考えられるので、家族への相続分と遺贈分の配分を考えることも重要。

それを実現させためには十分に話し合いを行い、家族の合意を得ることから始めましょう。

【遺贈先として注目されている団体】
■ 特定非営利法人 国境なき医師団日本
■ 日本赤十字
■ 公益財団法人 日本ユニセフ
■ 特定非営利活動法人 国連UNHCR協会
■ 公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン(WWF)
■ 公共財団法人 日本対がん協会
■ 国立研究開発法人 国立成育医療研究センター
■ その他

生命保険や損害保険を解りやすくまとめる

自分の親がどのような生命保険に加入しているかを知っている子供は少ないと思います。
実際に親が亡くなってから保険証書を探すのに手間取ったとの話もあり、生命保険や損害保険をまとめてエンディングノートに記載し証書の保管場所を記載することも大切なことです。

しかしもっと大切な作業があります。

それが終活で行う「保険の見直し作業」。

生命保険に加入してずっとそのままにしていた人は、終活を行うタイミングで保険を見直すことをおススメします。

特に子供が巣立ってしまえば保険は「医療保険」「がん保険」があれば、そんなに多くの保険に加入する必要ありません。

貯蓄型であれば解約して老後の資金に充てるのもよいでしょう。

入りっぱなしの保険はお金の無駄。
ぜひ終活を行う際には加入している保険を見直して過剰な保険は、「掛け金を減らすか」「解約するか」を検討してみて下さい。

家族へのメッセージとこれからやりたいことをまとめる

終活は人生の終わりを整理するものではありません。
あくまで「残された人生を楽しく歩むための区切りの作業」と考えた方がよいでしょう。

そのためにぜひエンディングートに記載してほしいのが、「家族へのメッセージ」と「これからやりたいこと」の2つ。

【家族へのメッセージ】
家族へ向けて今までの人生の感謝を込めてメッセージを作成します。
メッセージは家族ごとに記載し「配偶者」「子供」「孫」「両親」「兄弟姉妹」「友人」など、思いついたまま記載すればよいでしょう。

またメッセージを書く対象者が亡くなっていても問題ありません。
自分の人生お世話になった人に感謝を込めて「ありがとう」を書いてみるのもいいですね。

場合によっては悪口も…まぁいいでしょう!

【これからやりたいこと】
終活を行っているから人生が終わることではありません。
これから亡くなるまでの人生をいかに有意義に過ごすかを考えるのも終活にとって大切な作業です。
そこで考えてもらいたいのが「これからやりたいこと」。

例えば「海外の有名観光地に行きたい」「お寺巡りをしたい」「登山に挑戦したい」など、夢は無限に広がりますよね。

このような希望を書き出してエンディングノートに記載し、それが叶ったらそこに感想を追記するのもよいでしょう。
また今の自分の体力でできないことであっても、遠慮なく記載することが大切。
後でエンディングノートを読んだ遺族が「こんなことをやりたかったんだぁ」などと感じてくれることでしょう。
実現できるか?できないか?ではなく、「やりたいこと」を全部記載するのがポイントです。

一定の年齢が来たら終活の一環として生前整理を行う

終活はエンディングノートを作成するだけでなく、実務作業としての「生前整理」も同時に行う人が増えています。

生前整理とは自分が保有する品物の中から、不必要な物を選別して処分することで、それによって亡くなった後の遺族の負担を減らす効果があります。

生前整理は体力が落ちてしまうと自分ではできなくなってしまいますので、元気なうちに始める方が無難です。

また最近では生前整理を手伝ってくれる業者もあります。
そこを利用すると処分だけでなく価値があるものについては購入して貰え、料金は差し引きとなるので売却費用が処分費用を上回ることも考えられます。

自宅の売却も終活の一環…遺族の負担を減らすためにも考えて

ファイナンシャルプランナーとして相談を受ける内容で多いのが、自宅の処分についての相談です。

内容は「両親が亡くなり実家を相続したのですが、買い手も見つからず税金だけが必要になる…」との内容。

実際に日本では空き家や廃屋が問題となっており、近年では「空き家対策特別措置法」が平成27年に施行されました。
これは更地よりも廃屋で保有する方が固定資産税の価格が安く、修理や更地にせずに廃屋のままで住宅を放置するケースが多発したことで作られた法律です。

日本人は「不動産は財産」だと思っている人が多いのですが、実際には人口は減少しており一部のエリア以外では財産ではなく、もはや負債となっています。
先に説明した相談者もそのケースで、いざ売ろうとしてもボロボロの廃屋では誰も買ってくれずに困っていました。

このような話は日本中に溢れており、決して珍しい話ではありません。

そこで終活の一環として考えてもらいたいのが、「段階的な住み替え」です。

「結婚して子供が生まれて新居を建てて、そして子供が巣立ち年老いていく」これは人生にとって標準的なのストーリーですよね。
しかし問題なのは子供が巣立ってからも、同じ家に住んでいること。

「子供がいなくなって使用していない部屋が2部屋もあるの」
「2階には半年くらい上がってないわ」

このような話を聞いたことはありませんか?
家族が減ると自宅に不必要なスペースができてしまうのは仕方がないことです。
しかしその不要なスペースを放置すると、もったいないだけでなく家が傷んでしまう原因にもなります。

そこで考えたいのが住み替えです。
例えば子供が全員巣立ったタイミングで、自宅を売却して小さな夫婦用の家やマンションに移るのです。

土地も100坪あったとすれば、夫婦2人なら50坪で十分と考える人も大勢います。
簡単に言うと「自宅のダウンサイジング」ですね。

自宅を段階的にダウンサイジングするメリットを考えてみましょう。

■ 不必要な部屋がなくなるので掃除が楽になる
■ 使わない部屋がないので自宅が傷まない
■ 土地を狭くすることで草抜きなどの手間がいらない
■ 比較的新しい家に転居することで転売がしやすい
■ 老後の介護がしやすい
■ その他

自宅をダウンサイジングするとまず部屋数が減るので、掃除などの手間が少なくなります。
高齢になると掃除も大変な作業なので、これは嬉しい効果ですね。

また老後になり介護生活に入っても、暮らしにあったサイズの家であれば便利に過ごすことができるでしょう。

自宅のダウンサイジングを行うタイミングは「子供が巣立った時」「年金生活&リタイヤ生活に入った時」です。
自宅をダウンサイジングすることは後々の終活をきっと楽にしてくれるでしょう。

自宅のダウンサイジング効果は期待以上です。
ファイナンシャルプランナーとして、ぜひ実行して貰いたい終活です。

自宅だけでなく場合によっては「墓じまい」も考えなくては

少子化によって子供が少なくなり、核家族増えてくると各々の家庭が別のエリアで生活することが増えています。

例えば両親が地方に住んでいて子供は全員都会に住んでいるケースですが、このような状況では地方にお墓があっても管理する人がいなくなってしまいます。
また田舎のお墓の中にはお寺の檀家になっていないと受け入れてもらえないこともあり、将来的に子供が田舎に帰ってこない場合にはお墓の維持ができなくなります。

そして最近注目されているのが「墓じまい」。

墓じまいは先祖からのお墓を整理し更地にしてお寺に返すことです。
もちろんお墓には遺骨が納められていますので、そのまま更地にすることはできません。

そのためには墓じまいを行うにはまず遺骨の引越し先を見つけなくてはいけません。
遺骨の引越し先として考えられるのが…

■ 永代供養墓(合同墓)
■ 納骨堂
■ 散骨

この中で現実的なのは永代供養墓に合同で納めることだと思います。
納骨堂に納めると将来的に永代供養であっても費用がかかり、管理も必要になる可能性が考えられます。
また先祖を散骨してしまうのも…難しいですよね。

「先祖のお墓をこれからも維持できるか?」
「子供たちに負担にならないか?」

これを考えて必要な場合は終活の一環として墓じまいを行うことも検討しましょう。

終活セミナーなどを利用してまず終活の勉強を始めてみる

終活が注目されることで各企業がそれに対応するサービスを提供するようになっています。

スーパーで有名な「イオン」では、子会社のイオンライフ株式会社が「イオンの終活」サービスを開始しており、終活の不安解消や内容についてのセミナーを実施しています。

イオンの終活の流れを見てみましょう。

1.「イオンの終活」で終活についてのセミナーやイベントを開催
2.「イオンの身元保証」で入院や施設入居時の身元保証を代行
3.「イオンのお葬式」で安価な葬儀から段階的な葬儀を提供
4.「イオンのお葬式」で墓石を販売
5. イオンライフで永代供養できるお寺を紹介
6. 「イオンのお葬式」で相続税の手続きをサポート

イオンの終活で行われているサービスは多岐にわたり、終活から永代供養まで全てを依頼することも可能。
さらに遺族が行う相続関係の相談やサポートまで依頼することができます。
また驚きですが支払いはイオンカードが利用でき「ときめきポイント」が200円で1ポイント貰えたり、WAONポイントがプレゼントされたりするキャンペーンも実施しています。

葬儀費用で「ときめきポイント」…うーん複雑ですが嬉しいですよね。

これからこのようなサービスはどんどんと拡大することが予想されます。
特に葬儀は地元の葬儀社へ直接依頼するよりも、仲介業者を経由した方が明瞭価格であることが多いようです。

イオン以外にもネットで「小さなお葬式」を運営している株式会社ユニクエストでも同様のサービスを行っています。

まずは各地で実施されている終活セミナーで終活を勉強することから始めませんか?

スポンサーリンク

終活は人生の後半を楽しむ準備活動だと思って楽しくやろう

終活は人生の終わりに行うものではなく、人生の区切りとして行うもの。
その意味ではこれから残された人生を楽しむために、一度過去を振り返ってみる作業なのかもしれません。

仰々しく考えないで家族への感謝を思って、自分なりの終活に挑戦して下さい。

終活を通してきっと家族に感謝のメッセージが届くことになるでしょう。

【関連記事】








著者情報
moose

moose

mooseの書いた他の記事を見る

会社経営を経て夢のセミリタイヤを45歳で実現し、のんびりするはずが性格なのかファイナンシャルプランナーとして独立するはめに(泣)…成人した子供よりもポメ2匹を溺愛しています。のんびり書きたいライターです。

よく読まれている記事

総合
節約術
資産運用

公式ツイッター

過去のキャンペーン

50000
終活は人生の後半を楽しく過ごすための準備活動!将来の不安を解消し愛する家族に送る感謝のメッセージ終活は人生の後半を楽しく過ごすための準備活動!将来の不安を解消し愛する家族に送る感謝のメッセージ