2016年4月1日よりスタートした「電力自由化」
当初は色んな会社が電力事業に参加するということもあり、話題も持ちきりになりましたよね。
ですが約半年たった今、まったく話をきかなくなってしまいました…
電力自由化っていったいどうなったのでしょうか?
乗り換えたのはどのくらいの世帯だったのでしょうか?
いろんな疑問点を含め、電力自由化の今に迫ってみたいと思います。
あまり話題になっていない理由
スタートするまではあんなに盛り上がっていたのに、いざ始まったらパッタリ話題を聞かなくなった…
乗り換えた人の意見を聞いてからどうするか考えていたのに…
電力自由化に対して、そう感じている方も多いですよね。
話題が少ない印象の電力自由化。
ですが数は多くはないものの、テレビでは定期的に取り上げられているようです。
但しお昼の情報番組でわずかに取り上げられる程度なので、あまりそこまで目立つことはないようです。
また、ネットにおいては話題が少なめ。
基礎的な情報はたくさんあっても、実際に乗り換えた人が少ないので体験談もごく僅かしかありません。
そういう“生の声”が少ないので、話題が広がらないようです。
国はなぜ電力自由化を推し進めているのか?
電力自由化は、経済産業省が推し進めている施策です。
従来は地域の電力会社による独占的な「商売」だった電力販売を、自由競争させるように変革してきた理由として、同省は次のように述べています。
1.市場競争の発生による多様なサービスの発生要素
2.省エネルギー意識の拡大
3.再生可能エネルギーへの転換の推進が期待できること
いかにもお役所的な記述で一見難しそうにみえますが、言っていることはいたって普通というか、いまの世の中の流れを反映したものになっています。
順番に見ていきましょう。
市場競争の発生による多様なサービスの発生
電力自由化が始まると、いままで私たちユーザーは有無を言わさずその地域の電力会社としか契約できなかったのが、これからはユーザーが上位に立って業者を選べるようになります。
すると、業者間でユーザー獲得のために、自社ならではのメリットやサービスを打ち出してきます。
代表的なものだと、電気料金の引き下げやセット割の適用、時間帯別料金の導入ですね。
今まで地域の電力会社1社だけだった頃なら期待できなかったような多様化されたサービスや、競争によってユーザーにとって有利なサービスが登場するかもしれません。
現に、すでに新旧各電力会社が自社のウリを反映した様々なサービスやプランを次々と提示しています。
このように、電力自由化により市場が活性化されることで、消費者に新たなメリットが現れることが期待できるのです。
省エネルギー意識の拡大
これまでは国の指針によって、既存の電力会社はある程度の幅の範囲内でしか電気料金を決定することができませんでした。
これは、電気というものが国民生活にとって極めて重要なインフラなので、独占企業である各電力会社が勝手に料金を大きく釣り上げたりしないようにするためでした。
つまり、料金が大きく下がることもない代わりに、極端に料金が高くなることもなかったわけですね。
しかし、自由化後はこれまであった国の指針が大きく緩和されると言われており、価格の幅、たとえば夏場の昼間の使用料金をあげるという時間帯別料金が導入される可能性もあります。
すると、その時間帯の使用を控えようとする消費者意識が働くので、省エネルギーにつながり、電気使用量の逼迫を避ける効果をもたらすこともできます。
近年、夏場になるとなにかとエネルギー問題が取り上げられていた感がありますが、電力自由化にはこの問題を解決する手立てのひとつという意味合いもあるようです。
再生可能エネルギーへの転換の推進が期待できること
これまではその地域の電力会社からしか電気を購入できませんでしたが、電力自由化がスタートすれば、たとえば関西に住んでいる人が東京電力から電力を買うというように、地域を飛び越えての購入が可能になります。
(どの地域に展開するかは各会社ごとに異なります)
そして、
「私は、地域密着のあの会社から買いたい!」だとか、
「僕は再生可能エネルギーを中心に電力を供給する会社から買うよ」
といったふうに、その会社の業態で選ぶようなことも可能になります。
特に新電力の業者では、バイオマス発電や太陽光発電に力を入れているところも少なくなく、環境意識が高まっている昨今では、エネルギー転換をより推進することが期待されます。
そして電力会社としてもユーザー数が拡大すれば、そういった再生可能エネルギー事業を拡大する動きも推進されるでしょう。
電力自由化により経済産業省が目指しているのは、こういった業界そのものの活性化と、未来に向けたエネルギー事業の発展でもあるのです。
新しく契約した電力会社に何かあったら電気が止まらないか心配…
さて、上述のようにして電力自由化を推進している経済産業省ですが、本当にいいことばかりなんでしょうかね?
「電力を選べる時代」というキャッチコピーはいかにも響きがいいですが…。
電力自由化導入にあたって寄せられた懸念の声と、それに対する経済産業省の主張を見てみましょう。
Q.新しく契約した電力会社にトラブルなどがあったら電力はストップしないの?
⇒ ストップすることはありません。
電力会社を変えても今ある配線が使えます。
要は契約した電力会社から供給できなくても、送配電網を管理する分が補給するので、直ちに電力のストップはありません。
Q.その電力会社が倒産したら電力はストップするんじゃないの?
⇒ 別の電力会社を選択できます。
電力会社の倒産の可能性はゼロではないですが、かりに倒産した場合、別の電力会社を選ぶことができ、また、各電力会社にはその場合の電力供給が義務付けられているので問題ありません。
Q.2016年4月1日までに何も手続きをしないと電力は止まってしまうの?
⇒ これまでの電力会社のプランで存続するだけです。
2016年4月1日の電力自由化に伴い、手続きをしなくても電気はストップしません。
原則的に、これまでの電力会社のプランがそのまま使えます。
以上、電力自由化導入にあたって挙げられる懸念点に対する経済産業省の主張でした。
たしかに、諸外国では電力自由化以降、予備電源不足などによって電気が供給できないなどの事態が起きたことはあります。
しかし日本の場合、基本的に設備はこれまでどおり既存の電力会社のものを利用します。
ですから、その点におけるリスクというのはこれまでと大きく変化することはないといえるでしょうね。
電力自由化の今
スタートしたことすらすっかり忘れてしまう電力自由化。
ですがもちろん、実際に乗り換えている人もいます。
こちらは電力自由化がスタートした4月1日より、新電力プランや会社に乗り換えた世帯の数。
出足は好調ではなかったものの、少しずつ増やしているようです。
やはり東京や関西が中心となっていますね。
沖縄がずっと0なのは、沖縄エリアを対象としている電力会社がないため。
乗り換えたくても乗り換えることができないのが現状です。
まだまだエリアを限定している会社もあり、全国区には対応していません。
プランの安さをアピールするよりも、対応するエリア面を何とかしてほしいものですね。
実際に変えた人の声
ENEOSでんきに変えたYさんのお話
ガソリンをENEOSで入れているということもあり、ENEOSでんきにしました。
ENEOSの特徴は、初月が2,000円割りになるという点・ガソリン代が安くなる・Tポイントが貯まるという点の3つ。
やはり安さと電気代がポイントで還元されるという点は、利用者にとってメリットですよね。
申し込みが殺到しているらしく、切り替えまでに1か月ほどかかりました。
切り替えは簡単に済み、賃貸でしたがスマートメーターも大家さんの許可なく変更できひと安心。
大きく料金が下がった、という実感はありませんが、日々の電気使用量を時間帯別で見ることができるので面白いです。
また、電気代がTポイントになるので、サクサク貯まるようになりました!
東京ガスに変えたOさんのお話
東京ガスを使っていたので、一本化ができればと思い東京ガスの電気プランを契約。
署名するだけで工事ができたので、煩わしさは一切ありませんでした。
シュミレーションでは年間8,000円安くなるとのことでしたが、毎月800円は確実に安くなっています。
契約したばかりですが、夏や冬といったたくさん電気を使う季節はどこまで料金が抑えられるのか楽しみです。
電気料金に応じてパッチョポイントというものが貯まりますが、Tポイントに交換することが可能。
ポイント分も考えると年間8,000円以上は安くできているので、思い切って変えて良かったと思っています。
HTBエナジーに変えたHさんのお話
“電力自由化=家族向け”
という印象もあり、ひとり暮らしの私には関係のない話だと思っていました。
電気代はエアコンを使う夏でも4,000円程、これ以上安くなるこはまずないだろうな…と。
ですがテレビで“一人暮らし向けの新電力会社”という特集をやっており、その中で見つけたHTBエナジーが気になり早速シュミレーションをすることに。
結果的に毎月100円程安くなるということで、試しに乗り換えてみました。
申し込みはネットで全てでき、とっても簡単。
クレジットカード決算は手数料も無料でした。
スマートメーターの設置も全て無料で対応、新しいメーターは円盤のようなものもなく、すべてデジタルです。
申し込みは夏に行いましたが、初めての電気代請求額はなんと1,800円!!
全く節約意識がなかったのに、今までの半額以下と激安な電気料金に思わず驚きました。
今の時期はエアコンもそこまでフル稼働していないので、1,000円ほど。
これでもう冬の電気代も怖くありません!
⇒ 料金プランがわかりやすいと好評のH.I.S.の電気(HTBエナジー)公式サイトはこちら
まとめ
実際の体験者の声を聞いてもらいましたが、差はあるものの、どの家庭も電気代が安くなったようですね。
特に一人暮らしのHさんは、半額以上も安くなったようです。
年間で計算すればかなりの節約になるはず。
また、
電力自由化=たくさん電気を使う人のためのシステム
と思われがちですが、会社によっては一人暮らしの方でも安くなるプランがたくさんあります。
もちろん電気をたくさん使うオール電化プランなどもあるようです。
「少しでも電気代を安くしたい!」
とお考えの方は、今回ご紹介した方たちのようにまずはシュミレーションを行ってみてください。
きっとあなたの家庭にピッタリな電力会社を見つけることができるはずですよ。
エネチェンジを使って、自分の家にぴったりな電力会社をみつけよう
⇒ 電力自由化のその後とは・・・
⇒ 電力自由化ってなに?基本的情報~おすすめ会社はこちらでチェック